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刺激が欲しかった男

作者: 風切東

いつまで続くのかと思っていた。

このつまらなくて理不尽が降り注ぐ日常が。

何をしても何も変わらない、つまらない一日が流れていく。


目の前に鏡がある。

鏡には1人の男が映っている。

首元にはロープが添えられていて、台の上に力なく立っているのがわかる。


僕はフッと自嘲気味に笑った。

これで退屈な日々から抜け出せる。

遺書もしっかり用意した。

最後の確認を終えて台に近付いていく。


さあ、さよならつまらない日常。

僕は足で台を蹴り飛ばした。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


「昨日、マンションの一室で男性が死亡しているのが見つかりました。警察は自殺と他殺両方の線で捜査を進めているそうです。」


テレビに死んだ男の顔が映っている。

見た事のある顔。

見た事のある家。

見た事のある部屋。


「いやー、思い詰めてる様子は無かったと思います。うん、この間もライブのチケット当たったって喜んでましたし。自分から死ぬようには見えなかったですね。」


知人へのインタビューも流れている。

それはそうだろう。

なんたって()()()()()


遺書を捏造し、首を絞め殺して首吊りに偽装した。

思い付く限り自殺に見せかけたのだ。

まあでもすぐにバレるだろう。

警察はプロ、こっちは素人。

見つかる前にさっさと逃げようか。

逃げて隠れて殺して、また逃げる。

警察との鬼ごっこの始まりだ。


あぁ、さよならつまらない日常!

こんにちは、刺激的な日々よ!

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