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2-9.家族

「ごめんな、一人で寂しかっただろ」

ヨウはカレンを抱き上げた。


いきなりの行動にリーナは少し面食らったが、すぐに優しい目に戻る。


ここは2人部屋、寝るまで3人で一緒だ。

寝るときは隣の部屋でカレン一人だ。


こちらでは洋風というか普通椅子を使うが、宿屋では靴を脱いで座る。

ローテーブルが場所を取らないからだ。

胡座をかく者も多い。


ヨウはカレンを膝に乗せるが、フレディーの家でのリナを思い出す。

リーナも違和感は覚えなかった。


カレンは思わぬ事をした。


ギュッとヨウに抱きついてきた。

ドラゴンの力でヨウ以外の人間に抱きつけば絞め殺してしまいそうだが、そういう抱きつき方には感じなかった。


しばらく沈黙のあと、ヨウは優しく言った。

「寂しかったな、ごめんな」

リーナは何も言わず見ていた、暖かく。



カレンを膝に乗せたままお勉強だ。

フレディーにもらった本で、今回はヨウが先生となり教える。


宝物を盗むため、保育園や学校に潜入したこともあるそうだが、テストではカンニングしていたらしい。

アルファベットのABCくらいしか分からないようだ。



お勉強は終わり、カレンを挟んでベッドに3人で横になる。

さっきまでとは打って変わって、リーナに引っ付く。

普通サイズのおっぱいに擦りついている・・・。



~~~~~~~~~~~~



目が覚めた。

いつの間にか寝ていたようだ。

起きるとカレンはパンツ一丁だった、暑かったらしい。


リーナがしばらく無言だったので聞く。

「別に」

ちゃんと服を着ていたのでそういう(どういう?)のでは無さそうだが。



朝食を食べながらヨウが気にしていた事を話す。

フレディーに剣と金を返す事だ。


「遠慮する人がいないから大丈夫よね、あっカレンはいい?」

「みんな行くならいくー」


前もって『刀は偉いドラゴンからもらった事にする』という話しをすると、ちょっと不機嫌だったが。

ちょっと抱き上げて話し、なでていると機嫌は治った。




いつもより遅め、一応キルドに。

非常時に備え居場所は告げておく。

そういえば、マスターは★Aの事を知っているのか・・・。



町を仕切る大きな壁、今は存在理由がよく分かる。

こちら側は魑魅魍魎の世界、平和な農村に誰でも入れるわけにはいかない。

あちら側はただの「鍵を開ける係」だ。


詰め所にいたのは知らない顔だった。

ギルドカードを見せるとびしっと敬礼する。

いくらランクが高くとも冒険者など衛兵や騎士と違い下賤な者のはずだが。


フレディーがいつも自慢、というか話すそうだ。

どんなに凄いヤツ、いいヤツだったかと。

どっちがいいヤツだ、と思うが。



フレディーの家に向かうと途中で開墾中らしき畑がいくつか見える。

以前は遥か遠くだった。

領民も相当増えたに違いない。


家の門は開けっ放しだ。

「こんにちはー」


しばらく経ち、エリスさんが。

「あらまあ、ヨウさん立派になっちゃって」

ヨウの顔から鎧、そして目線は後ろの2人へ。


「妻のリーナです」

「娘のカレンですー」

何が彼女らをそうさせたのか・・・。


「いえ()()の、いや間違えました。

最高で最愛のパーティーメンバーふたりです」



エリスさんは2人の事も実は知ってたそうだ。

フレディーは開墾の手伝いで昼には帰るという。


魔法バッグに出来たて状態の料理を詰めて来たと言っておく。

食事の用意前にわざわざ来たのだ。

利息なんて受け取らないだろうから、せめてもの恩返しだ。


領民からの税収入が増えるにはまだまだ時間がかかるはず。


リナが学校に行っている時間でもある。

会ってみたいが、色々面倒くさい方が大きい。

後で聞いて泣く姿を想像・・・意外と、もうどうでもいいかもしれない。


ダイニングに椅子をもう一脚持ってくる。

勝手知ったる他人の家だが、家のあちこち見ているとまるであの頃、この世界に来て何もかも分からなかった頃を思い出す。


今はリーナが、カレンもそうなのかも、大事な人がいる。

強いとか、どうでもいいかも・・・。


  ヨカッタ


どこかから聞こえて、見まわす。

今、起きてるはずだと頭をブンブン振る。



ダイニングに戻り、座ると加速して考える。

あの時の夢、あれっきりだったが。

こうして生きている事、・・・そして自分がなぜここにいるのか。

きりが無い、分からない、加速を切って現実に戻ろう。





フレディーが戻った。

「おう来たか、早かったな。

この豪華な飯は・・・そうか、ありがとう。

リナの分も忘れてないよな」


先に言われてしまった。

「食材と焼き菓子もたっぷりあります。

リナや領地の事は聞きましたが、生半可な金額じゃ無かったですよね。

しかも黙って出ていく俺に剣まで・・・」


「今更だな、ヨウ、お前が残した物は金じゃ払えない。

飯の分は有り難くいただくよ、なにせSランクだ」


『Sランク』と聞いて色々な驚きが走った。

フレディーが星の事だけでなく、その意味まで知っているらしい事。

それ以前に、星の情報が届いている事。


「マスターからだが、決めたのは例の爺さんと聞いた。

装備を買いに行ったら、あれよあれよと押し付けられたんじゃないか?」

「はい」


「何も教えず後で賞金払い、そんなところか。

まったくいい趣味してやがる」


「Sランクの存在は秘密なんでしょう?」


「存在自体はある程度知られてはいる。

だが、合格者が知らされるのは知り合いと一部関係者のみだ。

だから、世界にどれだけいるのかは分からん」


「爺さん・・・あの方がSSランクというのは・・・」

「ああ、公然の秘密だ」




この地にフレディーやギルマスのオレオがいるのには理由がある。

ここに突然現れたという南の勇者だ。

消極的にだが恥とされる、彼のような人物の出現に気づくためだ。


実際はヨウの事は報告はされていない。


ヨウがこれまでのように信頼を得ていけば、見かたは変わるはず。

だからヨウ自身名を馳せるまではそのままだ。

ヨウ本人としては、不安だが。


オレオが動きを見せた事で気づいている者もいるかもしれないが。




「うん、見事な剣、いや刀だ。どこで手に入れた?」

「偉そうなドラゴンからもらいました」

ちょっと表現がおかしかったかも。


カレンが座ったまま偉そうに胸を張っていた。


「なるほど、ドラゴンが『集めた』物か。

信じるしかないな。

確か王国法でも問題無いはず、自力で倒したんだからな」


「ですね、どこかの家が文句を言ってきても勝てますわ」

エリスさんも保証してくれた。

なるほど、そういう事にしよう。


カレンが座ったまま死んだふりしていた。



「あと、安心しろ」

何かあっただろうか。

「無断で覗いたりはしないからな。

前は、お前は家族であり、弱者だったからな」


「ありがとうございます」

ほっとした、忘れてた。

見られたらカレンの正体がバレてたかも・・・。



昼食を食べながらリーナとカレンも話す。

リーナが以前フレディーの言葉で自信を得た事も。

3人が家族のような仲間である事も。




「ほんとうにありがとうございました」

片付いたテーブルに大金貨4枚と金貨10、借りていた剣を置く。


「本当に早かったな。

あの時が潮時だったな、俺もそう思ったんだ。

これからも自分の信じるように生きろ、お前は持ってる」


信じるように、か。




リナへの食材を渡し、フレディーの家を後にする。


これまで全て片付いた。


もう振り返らなくていい、前に進もう。


現在スキル・称号:

『会話』(初期設定)

『リワインド』

『治癒』

『加速』『自己加速』

『回復』『簒奪(さんだつ)

『剣竜』『防御無視』『魔断』『跳躍』『空壁』

『感知』『威嚇』

『解明』『交渉』『尋問』『冷静』『約束』

『夢想』『解体』『騎乗』『上級鑑定』

【多くの信頼】

【剣の心】

【竜の同盟者】


ステータス:レベル25(65回目)

体力3943、魔力2285、スタミナ3943

強さ3943、素早さ3943、知力3010、運100



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