2-8.再出発
感想をいただきました、ありがとうございます。
同時に分かり難い部分(1-7)の修正ができました。
これからも忌憚のない意見をお願いします。
「ゴリ、もう心配ないよ。
いい仲間もいっぱいるし、私も強くなったよ」
墓にはいつも花が供えられ、清掃もされているようだ。
盗賊団捕縛の時から、この町ではヨウもリーナも尊敬すべき存在だ。
ゴリにも敬意が払われている。
そして今は・・・。
意外と皆普通に接してくる。
マスターの気遣い?で昇進の報せを貼り出さなかったのか。
いや、ここの者達がAランクなど興味が無く、名前まで見なかったのかも。
キリカは自分の能力のおかげでここまでなれた、感謝しろと言っていた。
相変わらずだった。
別れ際には「助かった、感謝じゃ」と言ったが。
コレダに帰ってからも一応ギルドには毎朝顔を出している。
気恥ずかしくてリリさんには近づかない。
あちらも特別呼び止める理由が見つからないのか、無理には足止めないようだ。
以前のオーガー狩りに戻り、3日程か。
カレンは通常は体当たりと言うより「突き飛ばし」している。
特別な事がなければ衣装も保ちそうだ。
ドレス姿でオーガーを吹っ飛ばす姿は異常だが。
午前は4匹、いつもどおりのペースだ。
昼を食べ終わり、ガデスが立ち上がる。
「ちょっといいか」
何となく予感はしていたが、それとは違った。
「型の練習をした。
何日も経っていないがそれなりに頑張ったつもりだ、見てくれ」
ガデスが大剣を振るう。
木剣では重さを再現できないのでいつもの剣だ。
速い、大剣ではありえない動きと速度だ。
若干アレンジというか、前に見たオークを2分する横切りに近い。
ほとんどの振りが同じ感じだ。
「凄い速さだ、人間離れしてるな」
「ああ、お前には敵わないが。
力が速度になるというお前のヒントと、その実践と努力の結果だ」
心配は外れたようで、あの事を安心して聞く。
「ナデスという大盾の男を見たが・・・」
「ああ、弟だ。
無口なのが良かったらしく、『流星群』に拾われてメンバーと共に出世した。
元気でやってるんなら別にどうでもいいさ」
「そうだったか」「やっぱりね」
「俺もそれなりにやれる自信がついた、今までありがとう」
予感通り、ガデスは息苦しさを感じていたようだ。
もちろん止めた。
だがAランクの、明らかに格の違う中で一緒にやる辛さを切々と語るガデスに反論できなかった。
「アドバイスのおかげでナデスよりも進歩できた気さえする。
恩恵も貰いすぎるくらい貰ったしな。
どこに行ってもやれる自身がついた、感謝しか無いな」
「いや、仲間のいない俺達に付き合ってくれてこっちこそ感謝だ」
「うん、証言の事も助かったし。すごい勇気だと思う」
「なかまと別れるのはつらいのー」
カレンの言葉は簡単だが、色々含んでいる気がした。
きっとドラゴンの仲間と別れ、ヨウ達に付いてくるのは辛かっただろう。
今はガデスの事だが、カレンも構ってやらなければ。
「うん、今日は早めに終わって送別会だ」
「よし、しっかり奢ってもらうからな!」
早めの終了だったが今日は10匹だ。
終わろうかという所でヨウが「あっちに2匹いたな」、と言ったのだが。
カレンが飛ぶように、実際滑るように飛んでた気もするがそちらへ行き、
2匹のオーガーが吹っ飛んできた。
一匹はリーナの目前だったが、普通に避け串刺しに。
ガデスの方に行ったもう一匹も吹き飛ばされ自由を失い、剣一閃で2つになった。
レベル25(65回目)
体力3943、魔力2285、スタミナ3943
強さ3943、素早さ3943、知力3010、運100
現在の体力などはいつものように上限に増えつつあるが省略。
リーナは魔力・知力4000、他は1000弱程だ。
カレンは変わらず、元々レベル250を超えているので仕方ないだろう。
「宴会を開きたいんだが、良い会場はないか?」
「いきなりですか・・・まずは昇進おめでとうございます。
変わりましたね、いやいい意味ですよ、ヨウさん」
困った時のリリさん頼りだ。
「ここでいいですよ。
料理とお酒はツテの店からいいのを持って来させますから」
料理は程々に、この辺の冒険者が押し寄せてもいいように酒は多めに。
前の通りにも椅子とテーブルを並べる。
「メインはガデスの卒業パーティーだからな、くれぐれも頼む」
「卒業? まあ何となくわかりました。
ついでですからパーッとやりましょう、パーッと」
危なかった。
Aランク昇進パーティーじゃなくて送別会だ。
誤解を招きかねないので、「何となくめでたいパーティー」ということにしておく。
ほとんど酒目当ての者のようだが、ガデスやリーナの知り合いらしき人が結構いるようだ。
扉を開け放し、表では飲んでいる者も多い。
ギルド内は立食だ。
通常の受付はロープで区切られて支障はない。
食べ放題だが、知り合い達に護られているせいか、食事やヨウ達まで近づくものはほとんどいない。
「おめでとう」「コレダの誇りだ!」
外の者や狩り帰りの者まで全員昇進については知ってるみたいだ。
声をかけるチャンスが無かっただけかもしれない。
「あー、Aランク昇進おめでとう。君たちを誇りに思う」
頼んでもいないのにマスターが挨拶している・・・。
リーナとカレンは料理を食べるのに一所懸命だ。
主役のガデスが緊張する傍ら、ヨウが声を上げる。
「みんな、ありがとう。
今日は本当はガデスの新たな旅立ちのためのパーティーだ」
促され、ガデスが挨拶する。
「どうかコイツラを祝ってやってくれ、本当にすごいやつらだ。
俺も強くはなったが足元にも及ばない、この気持が分かるか?
もう充分力をつけさせてもらった、本当に感謝しか無い」
ヨウが再び声を出す。
「実は、これは秘密だが・・・ガデスは世界一の戦士だ。
全裸で戦う世界だったらな」
知り合い連中から爆笑が起こる。
盗賊団に引き抜かれる前のメンバーもいるのだろう。
ほとんどはキョトンとして、何となくつられて笑い出す。
「あー、悪いがここで少し腕試しをしてダメだったら、強い仲間を探して旅に出ることになる。
全裸じゃなくても相当強くなったからな、そのつもりでいてくれ」
「ガデス、ほんとうにありがとう」
口にソースを付けたリーナだ。
ハンカチを出して拭いていやるが、周囲がヒューヒューうるさい。
「ゴリの恨みが晴らせたのはガデスのおかげよ。
元気で、きっとAランクになってね」
「可愛い娘2人といっしょとか、さっき聞こえたぞ。
言っとくが、これは特注鎧でこの子は俺より遥かに強いぞ。
あとヨウもいるからな、ちょっかいかけたら命が危ないぞ」
カレンを見ながら、笑いつつガデスが言う。
ははは、という引き攣った笑いがあちこちで起こる。
「もちろんリーナは・・・言うだけ余計か。
幸せになれよ」
酔いつぶれたりなど危ないのでそこまで飲むものはいない。
Aランク主催だ、それなりの敬意もあるかもしれない。
カレンとリーナは料理を満喫、ガデスとヨウも旨い料理と酒をそこそこ堪能できた。
100ゴールドは行かなかったが結構かかった。
しかし、大満足だ。
酔いはすぐに醒めた。
いつものように宿の裏で剣を振る。
リーナもいる。
カレンは普段着に着替え部屋でお利口にしているはず。
時々止まり、『夢想』で様々な戦いを行う。
肉体感覚も有り、修行は凄まじく進化した。
爺さんとの対戦も忘れない、やるだけ疲労感がちゃんとある。
力を上げる事、今の練習、これだけで何か分かるとは限らない。
だが出来ることをやるしかないのだ。
現在スキル・称号:
『会話』(初期設定)
『リワインド』
『治癒』
『加速』『自己加速』
『回復』『簒奪』
『剣竜』『防御無視』『魔断』『跳躍』『空壁』
『感知』『威嚇』
『解明』『交渉』『尋問』『冷静』『約束』
『夢想』『解体』『騎乗』『上級鑑定』
【多くの信頼】
【剣の心】
【竜の同盟者】
ステータス:レベル25(65回目)
体力3943、魔力2285、スタミナ3943
強さ3943、素早さ3943、知力3010、運100
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