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1-20.転機

「相当地力が上がったな、俺の場合地力っていうのは変だが。

もう死ぬ気がしねえ・・・そう言って次の日死んだやつもいるけどな」


いつものガデスだが、ヨウは少しだけ心境の変化を感じていた。

「頭打ち」になったと感じているはずだと『洞察』が告げる。


ヨウ自身は別の意味で焦りを感じていた。

リワインドのせいで着実すぎるほどステータスが伸びている。

多分リーナもだ、やはりリワインドなのか別の物かは分からない。



1000という数字を見た時は大丈夫か、何か壊れてるのかと思った。

だがもはや、こうだ。

レベル25(36回目)

体力1803/2081、魔力908/1188、スタミナ1803/2081

強さ2081、素早さ2081、知力1652、運100


リワインドが起こる前位しか比較対象が無いが、明らかにおかしい。


いつまでこれを続けるのか。

最初はリーナを護れる事と彼女自身強くなって貰うのが目的だったが、この先どうすべきなのだろう。




ギルドに戻った。

今日はマスターから情報があるはず。


カレンダーがある、文字が違うので今まで見てもピンと来なかった。

週7日みたいだ、人間のリズムは共通なのかも。


太陽暦とか基準は知らないが、今日は月末30日、金曜日だ。

曜日の呼び名はもちろん違うが、休みが明けて5日目なので分かる。

29日まで斜線で消してある、一番右が日曜。


掲示板は朝と大きな変化は無い。



扉がガタガタと開きかけては閉じ、やっと誰か入ってきた。

3人組冒険者だ。


「誰か!ヒールを頼む!」

血まみれ、恐らく腹か。

両肩を支えられた男は顔が真っ青だ。


『ヒール』

リーナだ、光属性が生えたんだっけ。


「ありがたいが、普通のヒールじゃ・・・」

「いや、何ともないぞ」

顔はまだ真っ青だが、傷には効いたようだ。


「念の為、『ヒール』。あ、もう通らないから治ったね」

「ありがとう!持ち合わせが少ないが」「俺らも出すよ」

真っ青な男は金貨3枚を、仲間も一枚ずつ差し出す。


「練習で初めてなんで・・・顔色が心配なんで栄養つけてください」

リーナの言葉に混乱する青い男だったが、金貨一枚押し付けて去った。




相談窓口に顔を出す。

いつもの人と違い鼻をほじらず、姿勢も良く爽やかな笑顔だ。

「いらっしゃいませ、少々お待ち下さいね」


あらかじめ声と気配を感知されたようだ、リリさんだった。




「ほ、本当は凄く凄く忙しいんじゃが、特別に5分だけな」

「申し訳ありません」


「北のどこかにコスパという凄い鍛冶がいるそうじゃ。

他色々はわからん」

「・・・いえ、助かりました。ありがとうございます」


「生きとるかどうかは分からんが」

マスターはぼそっと言い、応接を出ていこうとする。


「あ、魔法バッグを知っとるか?

大金持ちとかが持っとるが、ストレージはそれだと誤魔化すと良いぞ。

詳しくはリリに聞くといい」


魔法バッグ。

確かリナの地下牢にアダルトな資料を持ち込むのに使ったやつだ。



しかし微妙すぎる。

情報が無いって普通に言えばいいのに。

北のどこかって・・・。



階下で何やら騒いでいる。

早足で降りる。




「ワイバーンが裏に降りたようです、2匹。

騎手の人が・・・」


「デカイの出てきやがれー!」

なんのこっちゃ。

少女っぽい大きさだが成人にも見える、偉そうだが暴漢では無さそうだ。


もう一人灰色の地味な服装の男がなだめる。

「キリカ様、いきなりじゃ分からんでしょう、まず職員に」

「すぐそこにおるんじゃ! 2人も!」


「申し遅れました、こちらは単独Aランク所持のキリカ様です。

レッドドラゴン討伐に北へ向かっていたのですが・・・」


「おった! そいつといま出てきたあいつじゃ!

協力・・・勝負せい!」

リーナと・・・こちらを指差したような。



なだめられ、椅子に座ってお付きの人が何やら説明している。

「にげんなよ!」

こっち見てる。


「はい、確かにご身分は確認しましたが。

勝負というのは・・・?」

ぼそぼそと何やら話している。




「すいません、ひと試合すれば気が済むそうなのでお願いできます?

ヨウさんとリーナさんご指名です」


「マスターはこんだけ騒いで出てこんのか?」

「忙しいもので」

「コレダのマスターはオレオじゃったな・・・出て来るわけないな」


どうやら馬鹿ではないようだが、いきなり過ぎる。

でかいのとか言われガデスがビクッとしていたが、ずっとガン無視だ。




キリカという人の剣は日本の刀のような形で短めだ。

サイズ的にそうなるのか、背中に差すのも有りだと思うが。

とにかく、それで木剣は使えないとか言っている。


「寸止め一本でいいじゃろ、止まる保証は無いがな」

時代劇の姫様か、言葉も言うこともムカつく。

命懸けって事じゃないか。



夕方なので見物が凄い、日曜の祭りを思い出す。


来た、速い。

本気で振り下ろしてないか?

殺気みたいなのは無いのに。


軽く捌くと刀が飛んでいき、見物人たちが必死で避けた。

このままもう一本同じにすれば終われる。

あ、スキル進化した!


スキルに気を取られていると、キリカはリーナへ一気にダッシュした。

卑怯!

リーナにも動きが見えたようで、体をかばいながら避けている。


思い出す・・・『止まる保証は無いがな』

リーナ!



景色が赤く変色した。

一気に跳んでリーナの前に割って入り、手刀をキリカの腕に叩きつけた。

加速を切り、リーナを優しく受け止める。


「やっと本気出してくれたな・・・痛いぞ」

涙目になっている、女子かよ。

女子か。


「すまん、ドラゴンに苦戦しておるようで・・・試させてもろうた。

本当に申し訳のう思う」

話が繋がらないが、悪意は無いようだ。


『ヒール!』

リーナも理解したようだ。

「普通のヒールで治せるか、骨が潰れた気がしたが・・・やはりな」


「ヨウとリーナの勝利です!」

歓声と拍手が起こる。

リリさん、盛り上げるのはいいが今回は要らないから・・・。





「というわけで、一緒に来るのじゃ!」

「どういうわけでしょうか?」

応接に入るといきなりヨウに言う、せっかちさん過ぎる。


お付きによると、ここを通り過ぎようとして大きな力を感知したそうだ。

どうせ一泊するが、急遽ここに降りた。

単独Aランクだけあって、『感知』とか色々持っていそうだ。


ドラゴン討伐依頼は相当北方だが、ワイバーンならあと2日ほどだそう。

あちこち逃げながら荒らし回るドラゴンに苦戦しているようだ。

各地の高ランクが向かったが、追い回すうちに被害が増えそうだという。


「2人ともDランクですが」

「隠密か、それなら相当の扱いをしよう」



ややこしいので纏めると、討伐に一緒に来てくれというだけの話だ。

ワイバーンはぎりぎり2人乗りだそう。

なので御者、じゃなくて騎手とお付きが2人ここに残るそうだ。


考え込んでしまうが、そもそも強い敵を探していたんだった・・・。

断る手はない。

リーナは遠距離で攻撃すればいいだろう。



ガデスに魔石を先に渡しておく。


宿では、ヨウとリーナが一緒の部屋だと言うと興奮しだしたり。

色々あったが、明日買い物をして出発だ。

こっそり、魔法バッグ持ちだと伝えておく。



軽く型をこなしておくのを忘れない。

キリカと手合わせして『剣技2』が『剣王』になっていた。

経験で上がったようだが、どれ程の物かは分からなかった。


リーナには時空魔法の適性が生えたそうだ。

いずれ遠くに瞬間移動とかできるのだろうか?



~~~~~~~~~~~~



背負い袋にダミーの魔法バッグとしてリュックを入れておいた。

ワイバーンに跨ると『騎乗』が増えた。

リーナがこちらを見ている、感覚で同じ事が分かったのだろうか。


2匹のワイバーンがはばたき、ゆっくりと上昇する。


※第一章終了です。


現在スキル・称号:

『会話』(初期設定)

『リワインド』

『治癒』

『加速』『自己加速』

『回復』『簒奪(さんだつ)

『跳躍』『魔断』『感知』『威嚇』『剣王』(NEW)

『洞察』『交渉』『冷静』『尋問』

『模倣』『解体』『騎乗』(NEW)

【多くの信頼】

【剣の心】


ステータス:レベル25(36回目)

体力2081、魔力1188、スタミナ2081

強さ2081、素早さ2081、知力1652、運100


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