1-17.免許皆伝?
清浄魔法は光属性。
避妊に使うそうだが、本来不純物を取り除いたり清潔にするのが目的だ。
治癒魔法やアンデッド撃退の魔法属性だが、なぜ突然使えたのか。
「使えそうな気がした」だけだそうだが。
それよりも、『青い光』が本当にリーナにも入って行ったとしたら。
ヨウ自身も最初は石を飲み込んだだけだ、あり得る。
リーナが身を守れるようになるなら喜ぶべきかも。
道場に行くと、既に夜の部になってしまったようだ。
8人ほどが並んで素振りをしていた。
「おお、待ってたぞ」
「すみません、忙しい時間に」
「・・・ドラゴンでも倒したか? 昨日とまるで変わったな」
言われて気づいた。
昨日はステータスが概ね150未満だった、それが274だ。
最初に数値化出来た時は27くらいだったか、10倍にもなる。
ザクロス先生のレベルなどは不明だが修行で剣を鍛えた人、相対すればその程度は分かっても不思議はない。
チート(インチキ)でどれだけ1日で力量が上がったのか?
生徒達は壁際に座らせられ、一番端にはリーナが座った。
生徒は日本かと思うような正座、リーナは横座り。
鎧を外していると隣の生徒がリーナにニヤつきながら話しかけた。
金髪のまあまあイケメン。
リーナが反応する前にヨウが睨みつけると正座のまま「ヒイ!」と倒れ込んだ。
器用なやつだ・・・あ、『威嚇』を使ってた。
なるほど、こういう時にも使えるのか。
「いいな、おまえは絶対打ち込むなよ。
攻撃を避け、できるなら受け流すんだ」
疑問はあるが、先生の言うとおりにしなければ。
正面からの振り下ろしをヨウは足運びで避けた。
動きが遅く見えるとかではなく、体がよく動くという感じか。
昨日は兎に角どうでもいいから避ける、という感じだったが。
もちろん加速はオフでロックしてある。
続けて返す剣で逆の袈裟斬りが来た。
おもわずクイッと受け流す、動ける余裕があったから出来た。
まだ下手くそだが、フレディーとの練習通りだ。
先生の木剣は跳ね上げられ、空中を舞った。
「思ったとおりだな、打ち込まれたら命が危なかったわ」
先生がパチパチと拍手をすると、生徒もリーナも続いた。
「少しだけ話すから、全員少し待ちなさい。君はこっちへ」
リーナだけを呼び、道場の反対側へ。
生徒たちは興奮して話しているようだ。
「もう直接手合わせをする必要は無さそうだな、受け流しの動きは戦いを想像しながら自分でも出来るはずだ。
そうだな、7番目の型は覚えておるな?」
「はい、恐らく多勢に対する時の動きでしょうか」
「そうだ、最初からやってもきりが無いだろう。
まずは、それと最後の型を極めることだ。
後は自分自身で型や技を極めるがいい、たった2日だが楽しかったよ」
「そんな、もう?
自分だけで大丈夫なんでしょうか?」
「ああ、俺の教えられるのはここまでだ。
どうしても悩んで聞きたいことがあれば来ても構わんが」
「ありがとうございました!」
思わず日本式のお辞儀をする。
鎧を身に着ける。
出口付近で他の生徒が拍手で迎えてくれた。
ザクロス先生も拍手しているようだ。
威嚇された生徒は一人頭を下げている。
扉を出る前にヨウは一礼した。
リーナも慣れないお辞儀を真似る。
これからが本当の修行になりそうだ・・・。
「明日からオーガーを狩ろう」
「わかった」
先生に会ってやっと認識できたが、既に楽にオークを狩るレベルではない。
正確にはステータスだが。
ガデスにはいきなりで悪いが必要十分だ、油断は禁物だが。
いざという時は『簒奪』で2人を守る。
ガデスはもちろん、リーナも更に強くなるだろう。
そのためにリスクは必要だ、今となってはリスクと言えないかも・・・。
「新しい魔法を覚えるにはどうするの?」
ヨウはエリスとリナ親子のレッスンを見たくらいで、魔法はさっぱりだ。
「うん、適正があればイメージが大事かな。
実際見たり習うのがいいんだけど、その他はあんまり知らない。
清浄は無詠唱でいきなり出来たからびっくりだけど」
そういえばあの夜、詠唱みたいなのは聞かなかった。
ヨウ自身体験したように、普通に治癒できるのと詠唱で一気に効果が増すような違いがあるのだろう。
しかし、一発(変な意味ではない)無詠唱で出来たのか。
いきなりそれ程だ、リーナも既に初期のヨウと似た状態なのかも。
いや、以前キスしたことがある。
チロッと舌を入れようとしたが、その時にも・・・。
考えても仕方ないか。
ガデスにキスをして能力アップさせるのを想像してオエッとなる。
ダ○ョウ倶楽部じゃないから・・・二度と思い出すまい。
帰ってすぐ7番目の型をやってみる。
木剣はアイテムで所持している。
離れてリーナがいろいろな魔法を試している。
最初は一振り一振り覚えた体の動きの通りにゆっくりこなす。
その振りや体の捻り、ステップを意味を探りながら。
大勢の敵を脳裏に浮かべながら。
やってみると捌き・受け流しの動きも入っている、先生に再度感謝だ。
後は最後の型を数度通しておこなった。
「ふう、結構汗書いた。先に拭いたほうがいいかも」
「任せて、『清浄』」
光が見えた、ような気がして一気に汗が引いて体を拭いた後のようだ。
「すごい、魔力は大丈夫なの?」
「うん、なんとなくだけどほとんど減ってないのは分かるよ」
ウインドウは出ないが感覚で分かるのか・・・そうだ、言っておかねば。
「属性はどう?」
「元の火と水と光と・・・風も使える」
「毎日調べる方がいいよ、もっと増えるかもしれない。
属性が増えたのか、そういうスキルなのかは分からないけど」
食後は最高の家庭教師で文字の勉強だ。
もう少しで基本的な事は分かるので済ませておきたい。
そのうち本でも買って読めれば。
その後は・・・いろいろな意味で、寝た。
~~~~~~~~~~~~
「今日はオーガーに行こうと思うけど、突然でごめん」
「まあ予想通りだな、俺も試したいことがあるんでサポート頼む」
意外にもガデスはすんなり承諾、というより予測していたと言う。
「その代わりリーナはヨウ自身で守ってくれ、出来るはずだ。
力技を使うから、リーナを怪我させちまいそうだ」
オーガーがいるらしいエリア。
『感知』の距離が広がり、かなり遠くに点在しているのが分かる。
リーナを背後に、ガデスとヨウが前面だ。
「来るぞ!」
方向を指差すとガデスがその方向へ前進する。
見えた、ガデスがダッシュ。
滅茶苦茶速い、加速状態の自分に近いんじゃないか。
ヨウは加速状態で見ている。
オーガーは流石に素早く、ガデスは回避されそうだが。
ガデスは「普通」の反応速度で修正する、修正後が速かった。
オーガーにぎりぎり盾で激突、吹っ飛ばす。
ヨウはそこへ直行、苦もなく通常加速で首をはねた。
全て予定通り、これ程うまくいくとは。
「これ程うまくいくとはな」
考えたことを真似たかのようにガデスが言った。
「これが本当の力技だ。ヨウ、ありがとうな」
筋力を素直に使えばこんな事ができるとは。
ヨウ自身、思いつきがこんなにハマるとは予想外中の予想外だ。
そういえばベン・ジョンソンとか、筋肉で速いようなもんだったっけ。
レベル25(6回目)
体力274/330、魔力159/191、スタミナ274/330
強さ330、素早さ330、知力260、運100
そういえば、遭遇時にリワインドされてまたレベル25だ。
どこまでで次に進めるのだろう・・・。
現在スキル・称号:
『会話』(初期設定)
『リワインド』
『治癒』
『加速』『自己加速』
『回復』『簒奪(敵専用)』
『剣技』『跳躍』『魔断』『感知』『威嚇』
『洞察』『交渉』『冷静』
『模倣』『解体』
【多くの信頼】
【剣の心】
ステータス:レベル25(6回目)
体力330、魔力191、スタミナ330
強さ330、素早さ330、知力260、運100
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