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1-16.気づき

「なあ、昨日の狩りの話で気づいたんだが。

自分の事は分からないくせに、人の事となると考えちまうんだなあ」

ガデスが唐突に言う。


一通り昨日の狩りでの反省点など話したところだ。

もうすぐに狩場だが、ネタさえあればいくらでも話せるものである。

たったの2日目だが、ガデスと一緒にいるのが普通に感じる。



一旦足を止めてその辺の岩に腰掛ける。

確か昨日昼飯を食った場所のような。


リーナも興味深そうにしている。

魔法と剣は全く違うが、同じ戦闘という点で興味があるのかも。

道場の時も飽きずに見ていたし。



「加速で飛んだらオークの首がそのまま斬れないっておかしくないか?

その辺の木でやってみるといい」


「確かにそうだ、感覚が狂ってるね・・・やってみるよ」


最初は加速状態で跳ぶ。


腕を振る速度を考えると自己加速に切り替えないと斬れそうにないが、そのままやってみる。

タイミングが合わず斬り損ねた。


普通に跳ぶと問題無く狙って斬れる。

動かない木の幹だが、今ならオークと大して変わりない。



ガデスの指摘は恐ろしく的を射ていて、重要なものだった。


この感覚差は、全ての動きにおいて影響しているはず。

攻撃を避ける場合はギリギリな程、タイミングは分かりやすい。

だが攻撃時の剣を振る感覚が全くズレてしまっている。


「オーク以下の魔物ならもう普通でも余裕なんじゃないか?

少しなら怪我をしても、俺達しか見ていないから心配ない」


「加速は自動だけど、入らないよう固定できないかやってみる。

シャレにならないほど参考になったよ、ありがとう」


「ヨウ、もっと強くなれそう?」

一瞬リーナの言葉遣いにずっこけそうになるが耐えた。

「もちろんさ、リーナのためにもっと強くなる」


ガデスが空中のあらぬ方向を見ている。

ちょっと自粛しよう・・・。




オークを加速無しで狩る。

スキルオフのロックは、ステータス数値化と似たように追加された。

便利だが、それ故に気を引き締めなければ現実感が薄れてしまう。


最初は不安だったが、最初にオークを倒した時の何倍ものステータスだ。

なんでもなかった。


午前中は4匹全て任させてもらった。

最後は加速オンにしてみたが、これまで何故出来なかったのか分かった。


加速中は全てを、見て確認してから動いていた。

予測して動くという当然の事が出来ていなかったのだ。


空中の斬りも、ジャンプの頂点で最も動きの遅いタイミングで斬れれば何でも無いのだ。

頂点を確認してから振り出して間に合う訳がない。


通常の鍛錬に加えて『加速中に普通に動く』、目標が増えた。

ガデスのアドバイスが無ければどうなっていたことか。



午前中はいつものようにオーク4匹だった。

恐らく、縄張りや移動の習性などで似た結果になるのだろう。

感知が無ければ逃げられたりで安定しないかも。


昼飯を食いながら午前中の成果を話した。

各個試したり鍛えたりできるよう、後は普通でいいと伝える。

練習は必要だが、何が問題かは分かった。


ふたりにアイテムボックスのことを伝える、別ウインドウなのですっかり忘れていた。

リーナに今まで貰った弁当がそのまま入っている事を言うと複雑そうだ。


念の為一番古いのを取り出し、におってもらうと問題無い。

「お弁当とかいれておくといいよね。

愛妻弁当作りたいけど、絶対宿のがおいしいし」


頷いてしまいそうになったが踏みとどまる。

「そんなことないよ、また作ってね」



「お花摘みに行ってくるね」

一瞬分からなかったが、前の世界と同じ意味に翻訳されてるはず。

嬉し涙がちょちょ切れそうだ、ガデスも感心している。



次はガデスの番だ、()()()なんてとんでもない、オークを一刀両断。


唐突に接近して来る、アレだ!

「ガデス、リーナを守れ! オーガーが来る!」


先んじて敵に向かう。

出来れば先に奪って戦いは避ける、一瞬自己加速後奪う。

オーガーのステータスが減らない、いや同じ数値しか減らない!


向かって来たことには一瞬驚いたようだが、やはり弱い方を狙うのか。

ガデスは既にリーナを守り盾を構えているが・・・。

ちゃんとオーガーの動きに反応して盾を動かすところだ。


加速状態で見ると動きは間に合わないが、普通だろう。

ある確信があったので、再度自己加速後、一気に(うば)った。


魔物ながらさすがというか、倒れず耐えているが動きは止まった。

一気に跳躍で距離を詰め、首を飛ばした。


「ふう、さすがだな。やばかったよ」

「いや、リーナを守ってくれてありがとう」


さっきレベルはリワインドされている。


レベル25、最初の時は7から27に増えたが、オーク数匹分などはそのレベルではたった2つ分なのか。

リワインドの凄さを改めて感じる。



戦いの最中に『強奪』が『簒奪(さんだつ)』に進化していた。

日本語だと面倒くさいが、浮かんだ意味は「力量を無視し奪う」だ。

下剋上という感じか? なにげに強奪より凶悪だ。


後は、リーナを守りたいと強く思ったからか『威嚇』も増えた。

使う必要が無かったが、恐らくターゲットというかヘイトを取れるはず。


強奪で一気に奪えなかったのはオーガーが上位の魔物だったからだろう。

今後強い魔物と遭遇すれば簒奪(さんだつ)でも全て奪えないか、効かない可能性もある。


全ての魔物や高レベルの相手で、そういう可能性について考えておくべきだろう。


また最後の跳躍だが、上に跳ぶことばかり考えていてやっと気づいた。

横への跳躍で距離を詰めることが出来る。

跳び上がる一瞬の自己加速で速められる可能性もある。


今更ながら、能力をきちんと理解できず使いこなせてないと思い知った。



「オーガーのエリアからは離れているけど」

「ああ、たまに()()()()()が飛び込んでくることがある。

絶対勝てないならもっと町側で狩るんだが、効率が悪いからな。

余裕に見えたが?」


「いや、無理矢理奪ったから。

ちゃんとタイマンでやらないと意味が無いよ」

ガデスはやれやれと手を広げる。



魔石を取りながら話す。


「ガデス、前に自分をのろいと言ってたけど違うと思うよ。

オーガーにも反応出来てた、そもそも剣の振りも鋭いし。

力が凄いから、思い込みがあるんだと思うよ」


「しかし、実際あの速さには反応しても間に合わないからな」


「うん、でも決して普通より反応は劣っていないから。

力技で反応を速めるとか・・・いや、ちょっと思いついただけから。

適当なことを言ってごめん」


ガデスは少し考えていた。

「そうでもないかもな・・・まあ色々やってみるさ」



次にオークと遭遇した途端、再度リワインド。


レベル25では上がりが悪いからだろう。

ステータスは上がるが、いつまで続くのか。

充分な底上げが出来るまでなのか、それはどの時点なのか。


リーナ、ヨウ、ガデスと担当し4匹+1匹で終了。


魔石は効率良くするためにまとめて換金する。

ガデスはギルド預け含めきちんと貯金している。

例のパーテイーにハメられてから金のトラブルはコリゴリだそうだ。


「色々実りの多い日だった」と言うヨウにガデスも同意した。



ガデスと別れてから、リーナがやっと口を開いた。

「あの日から、なんかわたしも変わったみたいなの。

恥ずかしいからヨウだけにしか言えなくて」


あの日って、あの日か。


「なんか入って来たみたいで」

18禁じゃないよな。

「何が入って何が変わったの?」


「清浄がすぐに使えたし、それできないと出来ちゃうかもしれないから。

スキルとかは見えないから、ちょっとだけと思うけど。

入って来たのは青い光」


現在スキル・称号:

『会話』(初期設定)

『リワインド』

『治癒』

『加速』『自己加速』

『回復』『簒奪(さんだつ)(敵専用)』(NEW)

『剣技』『跳躍』『魔断』『感知』『威嚇』(NEW)

『洞察』『交渉』『冷静』

『模倣』『解体』

【多くの信頼】

【剣の心】


ステータス:レベル15(5回目)

体力274、魔力159、スタミナ274

強さ274、素早さ274、知力220、運100


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