プロローグ 『死神の制裁』
今から約10年前、その事が起きた。
それは謎の生物による、圧倒的な力の制裁。
その力の前では何者も抗う事は出来なかった。
その力に立ち向かう者も居た。しかし、ただ無意味な虐殺となるだけだった。
『私の意思に従うんであれば──この者の命も…お主の命も見逃してやろう。』
その者は一度だけ猶予を与えた。強要を兼ねた物だった。
『おや、この者の命は要らぬと言うのか?ならば──死、あるのみだ。』
「やめるんだ……分かった。従う!だから、命だけは!」
忠誠を誓うと言うと、それを聞いてその者はニッコリとただ笑った。
すると、その者から怪しげな光が彼に向け放たれた。
「な、何をす──うわぁぁぁぁああああ!!!」
彼は何者かにより摩訶不思議な呪いをかけられた。その呪いの効果はある意味恐ろしいものだった。
それは────に姿を変える物だ。
その後も謎の生物は同じ事をただ、ただ、繰り返していった…
やがて、その生物は満足したかのように高笑いをし、その場から消え去った…
そんな光景を見て、彼らはその生物を
──『死神』
と、呼んだ。
そして、死神は『厄災の使者』と、言われ恐れられるようになったのだ……