プロローグ
駄文、だと思われます。
恋愛事情とかタイトルに入っているのにヒロインが(ry
クリックしてくださった方へ感謝とを…。
「私ね… から告白された…んだ」
黒髪の乙女が呟く。頬を朱に染め、照れているように言う。
その言葉はまるで鮮明に現実のように聞こえた。にもかかわらず誰からかはノイズによって搔き消されている。
「どうしたら…いいかな?」
知るか。俺には何も関係ないだろう。
そう答えたいのに聞こえてくる俺の言葉は別の言葉だ。
「お似合い、だと思うよ」
黒髪の乙女はさらに顔を赤くし照れたかのように下を俯き「ありがと」とだけ言葉を発した。
そして、俺は更にフォローするかのように
「そのまま結婚でもすればいいのにっ」
おちゃらけた声で言った。黒髪の乙女の顔からは湯気が上がりそうなほど赤く赤く…。
「せいっ!」
「ごふっ」
だだっぴろい平原で昼寝の真っ最中であった俺の腹部に衝撃が走った。
「こんなとこで寝てたら風邪引くよ~?」
青い髪に青い瞳。腰辺りまで伸ばされた髪は美しく顔はそれよりも清廉で美しい。美人という言葉が似合いそうな女が腰に手を当てて俺の顔を覗いていた。
「うっせーな。俺にかまうなよ」
頭をぼりぼりと掻きながらハァとため息をついた。
マルク・S・レイベージ。それが彼女の名前だ。ミドルネームであるSはセイレーンの略語で水の巫女とか慈愛の巫女とかそういう者につけられるそうだ。
世間知らずの俺には彼女から聞いたその程度の知識しかない。
「うっさいなーとは何よ。幼馴染でしょ?」
そう言いながら俺の横に寝っ転がる。
自分も昼寝する気じゃねぇか…。
「そっちが勝手に突っかかって来てるんだろ?」
「私以外に友達いないくせにー」
俺自身、空を見ているため彼女の顔を見ていないし見る気もないがしてやったりみたいな顔でいるに違いない。
「…」
「あ、怒った?怒ったの?」
あぁ、こういう女がうざいって言うんだろうな。
そんなことを考えながらまた眠りにつくとする。横ではペラペラと何か喋っているがあぁとかそうかなんていう適当な相槌を打ってごまかす。
「…あぁ」
「何も言ってないよ」
やっぱりうざい。
「で、何の用なんだよ」
俺は眠るのを諦めて上半身だけを起こした。マルクも上半身だけを起こして話を進めた。
「えっとね?その…」
俺の知る限りコイツがこれだけ言い淀むということはあり得ない。彼氏が出来たとか今度デート!なんて序ノ口で国家機密並の失敗談なんかでもまるで雑談のように言う奴なのだ。
『この前ね!神官様が大切にしている棒っきれを折っちゃったの!』
なんて言った次の瞬間に
『その棒っきれがね!なんかその街の水流を制御する物らしくて早く直さないと街が水で沈んじゃうんだって!』
とか言った馬鹿だ。しかも満面の笑みで。
こいつは快楽殺人者になりえる人材だとそのときは思ったものだ。
「えっとね?えーと」
「しつこいな、さっきからえーっとしか聞いてねぇよ」
「すけべ」
「何でだよ!」
「女の子の話は言える決心がつくまで待つのが常識なの!」
なんつー身勝手な。と口には出さないがこうしてても話が進むわけではないので結局待つことにする。
そして1時間と14分54秒後。それまで一秒一秒数えていた俺の暇さを誰か称えてほしい。
「明日ね、勇者様と旅に出なくちゃいけなくて…お別れを…ね」
…。あぁ、なるほど。それは言い淀むはずだ。
彼女が、いや…世間的にいえば勇者一行が目指す最終地点の一部に俺が入る可能性もある。そして途中で死んでしまうかもしれない旅になるはずだから。
もしよろしければこれからも読んで頂けると有難いです。
作者は小躍りして喜びます。
いや、見せませんよ?