第二話 準備
その声の主は、音楽担当の谷上先生だ。
彼は、音楽を教えているだけでなく、吹奏楽部の顧問としても活躍している。
また、身長が百九十センチを超えているため、一部の生徒には“高身長幽霊”と呼ばれているそうだ。
そんな高身長幽霊の授業は、興味のない話ばかりで、あっという間に終わった。
「次の授業は国語だね!」
咲希と話ながら教室に戻ると、もう直ぐで授業が始まる時間になっている。
慌てて席に座り、私は国語の教科書を机の中から引っ張り出した。
今日の国語の授業の内容は、読書。
自分の好きな本を読むという、なんとも暇な授業だ。
私は、開いた本の中に鏡を隠し、前髪やアホ毛を整える。
(次は数学だから、ビジュを良くしておかないと!)
髪の状態が完璧になったとき、ふと時計を見ると、後一分で授業が終わるチャイムが鳴ろうとしているところだった。
私は、本と鏡を机の中に入れ、チャイムが鳴るのを待つ。
キーンコーンカーンコン
チャイムの音と同時に起立の号令がかかり、起立と礼をした後、私は直ぐにトイレに駆け込んだ。
もちろん、トイレに駆け込んだ理由は用を足すためではない。
トイレにある、大きな鏡で髪と顔の最終チェクをするためだ。
念には念を入れ、近くにいた友達にも確認して、最高のビジュになったところでトイレを出て教室に戻る。
私が自分の席に戻り授業の準備をし、友達と会話をしていたその時、教室のドアが開いた。
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