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ロリコ史記  作者: 信礼智義
第一章 ロミとジュリア
7/18

閉話2 ジョン・オウカの思い

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 ジュリアが勝手に結婚を決めるなんて許さん。それもどこのだれかもわからぬ冒険者だと!

 何とかこの結婚をやめさせるため、まず三公と会議を開いた。これもいちいち面倒なことだ。フランクのように王の権威を高めて、王の命令通りに事が運ぶようにしなくては。

 「ジュリアの結婚相手にロミとかいう冒険者がなることを認めない。三公たちもこの結婚は阻止するよう働くよう命ずる」

 三公たちは皆あきれているようだ。王女が冒険者を婿にするなどあきれて当然だ。

 「王よ、話はそれだけなのですか?」クトウが口を開いた。

 「そうだ」私は重々しく言った。

 「それではこれで失礼します。何せジュリア様の結婚式の準備など急ぐことがありますからな」クトウは言った。

 「お前人の話を聞いていないのか!」

 「クトウ殿、その件でご相談があります」カトウが言った。

 カトウは分かっているのか。よしよし。

 「ロミ殿を士分として登用したいのですが、いかがすべきかと」カトウは言った。

 「おい脳筋、人の話が理解できないのか!」

 「あーその件で私も話があるのだけど」キトウが言った。

 キトウお前はわかっているよな。

 「第二夫人の枠だが、誰になるか問い合わせが来ているのだけど」

 「キトウおまえもか!」

 「うむ、これらの件はアサヒ様を交えて協議しよう」

 「「了解しました」」

 「おい、お前ら、人の話を聞け」

 「それでは失礼します」「失礼」クトウはうやうやしく礼をして、カトウは敬礼して出て行った。「おい、待て。王を無視するのか」私は大声で叫んだ。

 「王様、あのジュリアを引き取ってもらえるのですよ。分かるでしょ」キトウはそう言って出て行った。


 誰も俺の話を聞かない。そう、この国では王の権威はとても低い。国のことも各大伯が領地を持ち、独立した権限を持っている。中央のことも行政、軍事、魔術はすべて三公に握られてせいぜい法令の拒否権と軍の動員権を持っているだけ。

 これではちゃんとした統一国家としてまとまることができない。フランクから田舎国家と馬鹿にされ続けることになる。フランクに留学し、最新の知識を身に着けた私が何とかしなくては。


 妻のアサヒに話をつけるか。いやこの前、この結婚に反対だと伝えたら、寝室に引き込まれたっぷり教育されてしまった。

 さすがに10回はきつかった。おかげで腰が痛くてたまらない。

 アサヒは北の大伯の娘で、若いころはロリコの虐殺者と言われるほど、盗賊どもを問答無用で皆殺しにしていた女傑だ。到底私ではかなわない。


 よし、この件は四大伯に話をつけよう。奴らは自分の領地しか興味のない連中だ。

 いずれ権限を取り上げて王に権力を集中させるつもりだが、とりあえず利用できるものは利用しなくては。

 ジュリアはフランクの上級貴族、できれば王家に嫁がせて、フランクでの後見をもらわなくてはならないのだ。そのためには、この結婚は何としてでも阻止しなくては。


 しばらくして四大伯を集めてこのことを訴えた。

 「ジュリアの結婚をやめさせるために力を貸してほしい」

 しばらく沈黙が流れた後、「なぜそこまでジュリアの結婚を嫌がるのですか」

 「王家の娘が冒険者風情の卑しい者と結婚するなど許されることではない」そう言ったとたん、場の空気が凍りついた。

 「今、王は冒険者風情の卑しい者と言いましたね」南の大伯ギムカ・キッカは言った。

 「それがどうした」

 「あなたは我々四大伯を敵に回したいのですね」全員の目が私に向いていた。


 「我々四家だけでなく配下の中伯、小伯家にも冒険者、冒険商人の血が入っています。我々はそうやって新しい知識や技術を手に入れてきました。実際に私の祖父の一人は冒険者でした」ギムカは続けて言った。

 「ロミ殿とはまだ会ったことがありませんが、息子のジムと友人となり、娘のフィリアと婚約したそうです。妻もロミ殿を絶賛していました」

 「なんとフィリア殿が婚約とは」西の大伯が感嘆したような声で言った。

 「男たちが悲しむな」東の大伯が面白そうに言った。

 「フィリア殿のこともそうだが、うちの娘たちはロミ殿に興味があったようだ。第二夫人も埋まってしまったと聞いたら悲しむな」北の大伯が続けていった。

 「こういうものは早い者勝ちだからな」ギムカは嬉しそうに言った。


 「そういうわけで、この件について二度と口に出さないことだ。ロリコ史上初の廃王になりたくなければな」ギムカはいい、他の大伯たちも同意していた。

 あいつロリコの男どもの憧れだったフィリアも手に入れたのか。それに筆頭大伯家のキッカを後見につけるとは。

 もうこの結婚を阻止するのは無理そうだ。悔しさに歯ぎしりした。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


あはは、ブックマークも星もつきません。文才ないのはわかっていますが、すごく寂しいです……

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