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ロリコ史記  作者: 信礼智義
第一章 ロミとジュリア
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第2話 インパールでの出会い

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 馬車は村の外への道を走っていった。村では早朝から12歳ぐらいの女の子が多く働いていた。皆独特な民族衣装を身に着けていた。そしてなぜかみな僕を恐ろしい目で見ていた。まるで獲物を逃がした肉食獣のように。


 護衛は僕一人になり、夜の不寝番は一人で努めるようになった。商人はこの辺りは安全だから必要ないといったが、護衛として働く以上、最低限の仕事はしなくてはと思い、不寝番を務めた。ロリコの首都インパールについたときにはかなり疲れていた。商人と別れて、冒険者ギルドに行って報酬をもらった。いっそのことこのお金をぱっと使って死んでしまおうかと思いつつ、町を散策していると、とある公園に出た。


 真ん中に大きな木があり、その周りに緑地が広がる場所だった。木の下で休もうと木を背に腰掛けたら、疲れのせいか眠ってしまった。

 「ねえ、お兄さん大丈夫ですか」目が覚めるとニコニコしながら僕を見ている女の子がいた。すごくかわいい子だった。その子はカラフルな民族衣装を着けていた。「ああ、疲れて眠ってしまったようだ」僕は思わず笑顔で答えた。

 「お兄さん、ここはロリコの聖地だから早く出た方がいいよ」

 「ああそうなんだ。忠告ありがとう」

 「お兄さん一人?」

 「ああ、今日ここに着いたばかりなんだ」

 「そうなんだ」その子はニコッとしながら「それじゃ私が町を案内してあげる」と手を取ってきた。

 少し動揺したが、まあ小さい女の子だし警戒する必要はないか、と思い「お願いしようかな。でもこんなどこから来たかもしれない男に付き合うなんてご両親が心配しないかな」と言った。

 「大丈夫、大丈夫。それに何かお兄さん見たらこれだと閃いたのよね」「閃いた?」「あっ、気にしないで。こちらの話だから」


 そのあと、二人で街を散策した。とてもにぎわった街だった。なぜか女性は12歳より下ぐらいの子しか見かけなかった。

 僕に声をかけた女の子の名前はジュリアと言った。

 ジュリアは何でこの国に来たのかと聞いてきた。

 なぜか僕はごまかすことなく真実をありのままを伝えた。

 ジュリアは足を止め、僕の手を引いた。頭を下げるような姿勢になったところをジュリアは「よく頑張ったね」と頭をなでてくれた。

 思わず、涙が出てしまった。


 しばらく歩くと格闘技の大会に出くわした。ロリコ特有のスモウという競技で、二人が輪の中に入り、そこから相手を出すか手か体を地面につけたら勝ちというルールだった。

 ジュリアが賞品のブローチを欲しそうに見ていた。

 商品のブローチは3人倒せば手に入るらしい。僕の手持ちのお金では、彼女に何か買ってあげることは難しいけれど、これなら頑張ればプレゼントできそうだ。

 格闘技なら騎士学校で練習台としてさんざんやられてきたから体が覚えている。

 僕は飛び入りで参加を決めた。


 一人目はかなり体の大きい男だった。突っ込んできたのでひょいとよけたら自分で場外に出てしまった。

 二人目は胸倉をつかんできたので、腕をひねって体勢を崩し、足を引っかけて倒した。

 三人目は上から覆いかぶさろうとしてきたので、片足に抱きついてそのまま持ちあげて倒した。

 三人勝ち抜くと小さな四枚の丸い葉がまとまっている形のブローチがもらえた。

 ブローチをもらうとそれをジュリアに渡した。ジュリアは顔を真っ赤にしながら喜んで受け取ってくれた。周りからも冷やかしの声が上がった。


 そのままジュリアは僕の手を引いて自宅に案内してくれた。一度断ってどこかで宿を探すと言ったら、すごく悲しそうに拒否されたので、つい付いて行ってしまった。行くとかなり大きなお屋敷だった。もしかしたら、貴族か豪商の娘なのかと思った。

 その家でジュリアの母親と面会した。びっくりしたのは母親もぱっと見12歳ぐらいだったことだ。それでも2人の子持ちらしい。

 母親はアサヒと言った。話をしていくうちに気に入られたみたいで、今日は泊まっていってくれと言われた。アサヒさんとジュリア、ジュリアの弟のタロー君と三人で食事をした。父親は仕事で帰っていないようだ。


 その夜、個室を与えられ、布団にくるまってさあ寝ようとしたところで、ドアがトントンと叩かれた。 「ジュリアです。入っていいですか?」

 「ああどうぞ。今あけるね」そういってドアを開けた。ジュリアは薄手の寝巻のようなものを着ていた。

 その姿はかなり妖艶で、思わず目をそらしてしまった。


 「お兄さん、ありがとうございました」ジュリアはそう言って微笑むと部屋に入ってきた。

 「いや、こっちこそ、町を案内してもらい、おまけにご飯に寝床も用意してもらってこんなありがたいことないよ。明日はジュリアのお父さんに挨拶したらお暇するよ」

 「何言っているんですか?私たち一緒に住むのですよ。お兄さんは私の婿になるのですから」ジュリアは真面目な顔で言った。

 冗談かと思い「あはは、ジュリアちゃんみたいにかわいい子がお嫁さんになったら嬉しいね。でも、僕は他国の人間だし、ましてしがない冒険者だ。こんないいお屋敷に住んでいる君は結構いい家の子なのだろ。ご両親が猛反対するよ」と言った。


 「一番目にお兄さんを見て閃きました。これは私の婿にするしかないと。二番目はスモウで取ったブローチ、あれは求婚のブローチであれを送ることは相手に求婚することを意味します。それを受け取ることは承諾の意味なのです。三つ目は母から気に入られたことです。この国では娘が見つけてきた相手を値踏みして可否を判断するのは母親の務めなのです」ジュリアは言いながらにじりよってきた。

 「最後にお兄さんはドアを開けて私を中に入れてくれました。これで婚約は成立です。あとは既成事実を作ればおしまいです」

 そういってジュリアは僕に襲い掛かってきた。


 ドアを開けるなとはこういうことだったのか、隣で眠るジュリアを見ながら僕は思った。小さい体ですごい力だった。抑え込まれたら身動き取れなかった。

 そのまま何回も搾り取られた。はっきり言ってすごかった。

 まあ、いろいろなことがあって人生に絶望していた僕は、この旅でさらに人生の厳しさを知ってしまった。それならば、流されるままにかわいいジュリアの婿になって、ここで暮らすのもいいかと思い始めた。

 朝ジュリアが目を覚まして、そのあと二人で両親に挨拶に行った。父親は立派に風貌をした30代前半くらいの男性だった。

 すごく不機嫌そうで、挨拶をしても返事はなかった。するとアサヒさんが強い口調で怒ったので、しぶしぶという感じで「私の名前はジョン・オウカだ。よろしく」といった。僕は挨拶を澄ますと、早々にジュリアに手を引かれその場から出た。


 「お父上、なんかすごく怒っていたな」まあ、わからなくはない。こんなどこの馬の骨とも知らないやつがいきなり婿だと言ってきたのだから。「父はロリコの伝統をないがしろにすることが国を発展させることだと勘違いしているのです」すごく不機嫌そうに言った。

 「私たちはロリコで生まれ、ロリコで死ぬことが一番の生き方だと思っています。それをないがしろにするなんて。ロリコの生き方を捨てて、何が残るというのです?」ジュリアは強い口調で言った。


 話がまずい方向に向かいそうなので話を変える意味でいった。「で、僕は何をすればいいんだい」

 「とりあえず、ロリコのことを勉強してください。歴史、文化、習慣など覚えることはいっぱいあります」ジュリアは当たり前のように言った。

 「あと、親戚や家臣たちにも会わなくてはなりません。私の婿だと紹介しなくては」

 「家臣?」かなりえらい貴族なのかな。

 「あっ、言っていませんでしたね。私はロリコ王国第一王女ジュリア・オウカです」

 ちょっと待て、第一王女だって!


 いいお宅の娘さんだとは思っていたが、まさか王家のお姫様だとは。ということは「さっき挨拶したお父上はこの国の王様なのかい?」

 「そうですよ。お父様は昔フランクに留学したことがあって、そこでフランクの考え方にかぶれてしまったのです。なんでもフランク風にしようと言って家臣たちからの評判も良くないです。でも根は悪い人ではないですし、三公とお母さまがうまくホローしていますから」

 「三公?」

 「王家を支える三大貴族です。カトウ家は軍を、キトウ家は魔法を、クトウ家は内外政と三家の取りまとめをしています。とりあえずこの三人と会っていただきます」


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


久しぶりなので、見てくれる人がいるか不安です。お願いですから興味がありましたらブックマークしてもらえると嬉しいです。

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