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7話 貧困に差し伸べられたヒレ

ルフの釣った魚を村の料理人が捌き皆が食べられるように切り分ける。


現時点で子供や女性が多い村で1メートルの魚は十分な量だった、そしてここ最近でかなりまともな

食べ物でもあった。


ヤン「うんめぇー!!!」


ラン「お魚さんってこんなに美味しいんだ♪」


ルフ「骨に気をつけてくださいね♪」


サン「俺は骨も食ってやる!」


ターサー「おっ、結構逞しいな」


サン「へっへ~♪」


ガルボ「サフン…どうぞ」


ガルボは魚をさらに食べやすくしてサフンに渡していた。


サフン「ありがとう、ガルボよ…」


サフンも口に魚を放り込んだ瞬間笑顔になっていた。


そう、みんな笑顔だった、みんなに足りる食料…


みんなで食べる時間…。


それがとにかく幸せな時間。


ターサー「…(なんだか懐かしいものだな…)」


サーカ「美味いなっ…ルフっ…」


ルフ「はいっ♪二人で釣ったお魚ですから♪」


サーカ「っ…へへっ…だなっ…」


サーカとルフは魚を釣った出来事からさらに仲良くなっていた、前よりも近く、親しくなれていた。



そうしてみんなで魚を楽しんだ後、村の住民達は

それぞれの家に戻る。


~サフンの家~


ドサッ…


ターサーは間借りしている部屋のソファーに腰を下ろし一息つく…。


ターサー「…(村の復旧…畑の耕しに建物修復…

どれも疲れるが、中々やりがいがあるもんだ…)」


ターサーはそっと目をつぶり明日の事を考えながら眠りに入る。



ワオーン!!!!!!


村に遠吠えが響き渡る。


ターサーはすぐさま遠吠えに反応し銃を手に取る。


ターサー「っ…(まさか…)」


ターサーは急いで部屋から出て様子を見に行く…


既にガルボも音に気付いたのか玄関を出た先で様子を見ていた。


ターサー「…間違いない…ルフの家の方からだ…」


ガルボ「くそっ…やっぱりか…」


ターサー「…俺がルフの家を様子を見に行く…ここから辺りを見といてくれ…」


ガルボ「わかった…」


ガルボは熊の手を手に取り警戒を高める。


タッタッタッタッタ!


ターサーは走りルフの家の付近についてはハンドガンを構えながら家の扉に近付いていく。


ターサー「ルフ!そこにいるか!」


ゴソゴソ…扉の奥は物音が聞こえる。


ターサー「ルフ!」


その瞬間、バンッ!とドアが開いては白い毛の狼人間が飛び出してくる。


ターサー「っ…」


ターサーはすぐさま後ろに下がり避けては狼人間に銃を向け続ける。


ターサー「ルフ!聞こえるか!正気を保て!まだ…

間に合う…。」


しかし狼人間はまったくもって反応しない、それどころかターサーに向かって走っていく。


ターサー「っ…」


ターサーのすぐ前に近付いては右手から鋭い爪を振り下ろしていく。


ブンッ!


ターサーは間一髪で避けるが狼人間の猛攻は止まらない…。


ターサー「っ…」


ターサーはとにかく避け続ける。


ターサー「…(まずいな…傷つけずに元に戻す方法なんて判明していないっ…このままだと押される一方…)」


狼人間「アゥゥゥゥゥン!」


ブンッ!ブンッ!


狼人間は攻撃をやめない。


ターサー「っ…(すまないっ!)」


狼人間が爪を振り下ろした瞬間、その手をぎゅっと抑え足に足をかけ思いっきり転ばせる。


重みのある狼人間は転けてすぐには立てなかった。


ターサー「…ふぅっ…(これで治るかっ…?)」


狼人間「グァン!」


狼人間はルフの姿に戻らずに立ち上がる。


ターサー「だめかっ…」


狼人間「グワァァァァァン!!!」


狼人間はさらに凶暴になったかのように暴れだす。


ターサー「っ…まずいな…」


ターサーは狼人間の攻撃を避け続けながら近くの人の気配に気付く。


ターサー「…(村人かっ…?誰かいるっ…誰だ!)」


ターサーはその誰か…の気配に気を取られていると

足を踏み間違え膝を地面についてしまう。


ターサー「…(しまった…!)」


狼人間「ワォォォォン!!」


狼人間はターサーに向かって爪を振り下ろしていく。


が…その時だった…。


サーカ「はぁぁぁぁぁぁ!!!!害獣め!!」


サーカが鉈を持ち狼人間にタックルする。


狼人間「グォォン!?」


狼人間は吹き飛びこそしなかったものの体勢を崩しターサーへの攻撃を外す。


ターサー「っ…サーカっ!」


サーカ「大丈夫か!ターサー!」


ターサー「っ…あぁ…だが…(サーカが正体を知るのはまずい…)」


そう考えてる内にも狼人間はすぐさま起き上がり

ターサーからサーカへ標的を変える、そして素早く

サーカに攻撃を仕掛けに行く…


サーカはそんな狼人間の攻撃に反応するまもなく…


ザシュッ!!!


ターサー「っ…サーカ!」


サーカ「っ…!?」


切れたのはサーカの服だった…


そう、間一髪で右腕での攻撃の軌道を狼人間自らが変えたかのように、サーカに攻撃が当たらなかった。


狼人間は頭を抱え始める。


狼人間「ワォォォォン!!ワォォォォン!!」


サーカは尻餅をつき鉈を落とす…。


狼人間はその落ちた鉈を見て瞬時に持ち上げては村の外へ走っていく。


ターサー「っ…待て!っ…」


ターサーはすぐにサーカの元へ駆け寄り声をかける。


ターサー「平気か?」


サーカ「あ…あぁ…俺…なにも…」


サーカはただ驚いて声がでなかった、死に直面したからだ。


ターサー「っ…俺は奴を追いかける…ここで待ってみんなを守っててくれ…」


サーカ「あ…あ…あぁ…」


ターサーはサーカを置いて森の方へ走っていく。


タッタッタッタッタ!


そして、放心状態のサーカの元へガルボが駆けつける。


ガルボ「っ…平気か!?ターサーは!?」


サーカ「も…森の方に…」


ガルボ「…っ…そうか…念のため俺も言ってくる!ここを頼んだ!」


タッタッタッタッ!


ガルボは森の方へ走っていく。



タッタッタッタッタ!


ターサーは森をしばらく走っては足を止める…。

そして音を探す…。


ワォォォォン!!


ターサー「っ!そっちか!」


タッタッタッタッタ!


ターサーは音の方へ走っていく。


続く





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