48話 運命のようで
ターサーと共に亡命した友人の医者…エプソン。
エプソン「怪我人は…」
ルリィ「こっちです!」
エプソンはハウィ邸の前にいるターサーの元に来る。
エプソン「っ…アルサ?」
ターサー「話しは後だ…早くこの娘を!8分程前!中距離、KP33アサルト、5.56mm、腹部に被弾、弾は貫通!まだ出血してる!」
エプソン「っ…こりゃ酷い…よく耐えてる方だ…」
ルリィはそんな二人を遠目に見ていた。
ルリィ「っ…(エ…エプソンさんの知り合いでしょうか…でも怪我してる子供連れて…一体…)」
エプソン「聴こえるかい…君…今からベットに連れていくからな…」
エプソンはリリーに優しく声をかける。
リリー「は…はぃ…」
そうして小さな町の病院のベットに横たわらせ。
リリーはか弱く声を返す。
エプソンは治療を始める。
エプソン「どんな気分だ…目眩は?」
リリー「目…見えないから…分かんないぃ」
エプソン「そうかツイてるな…」
エプソンは淡々と治療を進めていく。
ターサー「…」
その後…治療が終わる。
扉がガチャリと開いて出てくる。
エプソン「アルサ…あの娘は一体…」
ターサー「…それは後だ…どうなってる…」
エプソン「良くはないな…出血性ショックによる意識障害だ…二時間…一時間…以内に輸血が必要だ…しかし…この村にはそんなものない…」
ターサー「っ…なんだと?」
ターサーは少し声が大きく。
エプソン「撃たれてくるやつなんてそうそういないんだ…それに機材も何もない…マジリカは見ての通り機械技術に乏しいんだ…」
ターサー「っ…どうすれば…」
「あ…あのっ…」
勇気を出したかのような声が。
エプソン「ルリィ…どうした」
ルリィ「少し…よろしいでしょうか…」
ルリィは病室に入りリリーの横たわるベットに近づく。
ターサー「おい…」
ルリィはリリーに手をかざす。
ファー…少し光ったように見える。
ルリィ「猶予は…3日あります…」
ターサーは耳を疑ったかのように。
ターサー「どういうことだ…」
ルリィ「魔法で延命したんです…」
ターサー「ばかな…」
エプソン「…アルサ…彼女は本物だ…」
ターサー「っ…3日…」
ターサーは少し唸る。
ルリィ「ここから東に行った先に街があります…そこになら輸血可能な道具が揃っています…3日あればお医者様をここまで連れてこれるはずです…」
ターサー「っ…やるしかないみたいだな」
ターサーは急ぐように部屋のドアに手を掛ける。
ルリィ「私も連れていってください」
ターサー「…何故だ」
ルリィ「理由はお馬さん乗ってから話します、まずはこちらに…」
病院から出ると町長の家らしき場所に連れていかれる。
…
ハウィ「なるほど…事情は分かった…確かにルリィ…君がいるなら少し余裕が出来るくらいで到着できるな」
ルリィ「はい…!お願いします!あの娘を助けたいんです!」
ルリィは深々と頭を下げる
ターサー「…(こいつは…)」
ハウィ「…ルリィ…勿論だとも…その間は代わりの人間をここに呼ぶとするよ…君は…」
ターサー「ターサー・アルサだ…」
ハウィ「ターサー…ルリィを頼んだよ…」
ターサー「…分かった…」
…ターサーとルリィは急ぐようにハウィ邸から出て馬に乗る。
ルリィ「方角こっちです!」
ルリィはターサーの後ろに乗って片手でしっかりと捕まる。
そしてもう片方の手で馬に触れる。
ターサー「平気か?」
ルリィ「はい!」
ターサー「やぁ!!」
パチンと馬を鞭で叩いて走らせる。
パカリッ…パカリッ…
…
二時間程走る…
ターサー「…(何故だ…馬が一向に疲れを見せない…)」
ルリィ「…」
ルリィは相変わらずターサーに捕まり続けていたら。
馬が揺れる度にルリィの黒い髪の前髪も揺れる。
彼女の前髪は全て下ろしているのが特徴的だった、ロングの黒髪に前髪はマジリカでは比較的珍しかった。
ターサー「ところで…ルリィだったか…お前の顔はどこか見覚えがある…会ったことは…」
ルリィ「え、えっと…初めてだと思います」
ターサー「そうか……馬が疲れていない…ルリィ…お前が何かしたのか?」
ターサーは前を向いて馬を走らせながら聞く。
ルリィ「…はい…私…馬が触れていると馬が疲れなくなるんです…」
ターサー「それも…魔法ってやつか…」
ルリィは少し目を伏せて。
ルリィ「はい…」
ターサー「おかしな国だ…」
馬を走らせ続けながらも何かを感じる…ルリィの掴む手が少し力が抜けているのだ。
ターサー「どうした…」
ルリィ「本当は迷ったんです…あの町では私は…ハウィさんや…エプソンさん以外…受け入れてくれないんです…」
ターサー「……何故だ…」
ルリィ「それは…」
ルリィは何かを言おうとしてやめる。
ルリィ「ただ…気に入らないのかも知れませんね…」
ターサー「魔法使いの国だろう…ゴロゴロ魔法使いがいる中何故お前だけが…?」
ルリィは返答に困ったように
ルリィ「だから…その…つまり…私は…」
ターサーはそんなルリィの様子を察して
ターサー「いや、答えなくていい…ここから後どれくらいで着くんだったか…」
ルリィ「えっと…あと…ジャッカルという街を跨いだ先です」
ターサーは少し目を細める。
ターサー「あそこか…(戻ってると思ったら…通りで…)」
パチン!
さらに馬のスピードを上げるのだった。
続く




