42話 護る目的
コッケコッコー!!!
館の屋根上に何故かいるニワトリが鳴いて朝を伝える。
狩人もヴァルドもセリーヌもマールもゲマナも朝食に行く。
館の2階、階段を下りてすぐ、館の係が朝食を用意している。
係「はぁい…どうぞぉ…」
狩人1「あんがとよ!」
ヴァルド「…」
係「はぁい、どうぞぉ……お…あらぁ」
係のおばちゃんはヴァルドの顔を見てニヤつく
ヴァルド「またお前かよ!」
朝から肉がある、狩人はとにかく栄養が必要なのであった。
ゲマナ「んー!美味しい!」
狩人の館の飯は用事がなくても来たいほど美味しいのだ。
肉に乗った目玉焼きは丁度良い半熟具合…肉はしっかりと火が通っていてジューシー。
飲み物は狩人の館の特製ジュース。
コツ…コツ…
ブーツの音、聞き覚えがある。
ゲマナ「ん…グリンス…」
グリンス「ゲマナ、タークを見なかっただろうか?朝起きたら既にいなかったのだが…」
セリーヌ「グリンス…私丁度朝早めに起きて見かけたんだけど…多分外にいる」
セリーヌは後ろに親指を指すように。
グリンス「わかった…ありがとう」
グリンスは柔らかな微笑みを向けて食堂を出ていく。
マール「タークさん、何かあったんでしょうか?」
ゲマナ「…。さぁ…?気にしない気にしない!」
ゲマナは特製ジュースを飲む。
ゲマナ「ぷぁー!マールこれやばいよぉ!」
~狩人の館の前~
ターク「ほっ…ほっ!」
タークは前々から考えていた自身のトレーニングを実行していた。
ターク「っ…(強くならねぇとならん…グリンスを守りたい…前は逃げたが…心は本物…心からは逃げてられん…それに…)」
「タークくん…やめて…」
女性の声が脳裏に蘇る。
ターク「…(ようやく人生の使い方に気付いたんだ…やり直しなんて考えてる場合じゃねぇ…)」
とにかくトレーニングを続けていたターク。
そこにブーツの音。
ターク「…」
腕立てをしていたタークはゆっくり膝をついて立つ。
グリンスは見ずとも分かる。
ターク「おはよう」
グリンス「ターク?朝から何をしている」
タークは考える仕草も見せずに言う。
ターク「昨日の話を聞いて思った、グリンス…
お前は守られる側にいるべきだと」
グリンスは頭を傾げながら。
グリンス「ターク、何を言っているのかよく分からないが…朝食を食べに─」
ターク「俺はお前を守りたい、これは本心だ…前に色々変な理由を述べたが…今回は…ガチで言う。」
グリンス「…」
グリンスはただタークに目を合わせていた。
ターク「お前を大事に思ってる…それだけはマジだ…。」
グリンス「…」
タークとグリンスはただ見つめ合っていた。
その時だった、狩人の館の扉が勢いよく開く。
マール「大変です!」
ターク「…っ?」
グリンスはタークを見つめ続けしばらくしてマールに視線を変える。
グリンス「…。どうした…」
マール「再びガシアにカグヤが!…暴れているみたいです…」
グリンス「っ…」
ターク「まじか…また…早くみんな──」
グリンス「ターク、君は残れ」
ターク「嫌─…」
ガシッ!!強くグリンスの両手で両肩を掴まれる。
グリンス「お願いだから…」
間近のグリンスは俯いていて顔が見えなかった。
マール「…」
ターク「グリンス…」
タークは掴んできているグリンスの手に手を添えて。
グリンス「っ…」
ターク「俺は死なない」
そうしてゆっくり手を剥がすとタークは少し急ぐように狩人の館の扉に向かい。
ターク「あの剥げたおっさんは準備できてるんだよな?」
マール「え…あ…はい!」
マールはそんなタークを見送った後グリンスの方を見る、ただ俯き続けていた。
~数分後~
狩人達は迅速な行動で既に船に乗り狩人の館から離れていた。
ヴァルド「今回は逃がせねぇな…」
セリーヌ「…結局誘導作戦なの?」
そこにシー・カイが来る。
シー・カイ「今回も…討伐になる、ルニャ族の村には事情を話した…おそらく…栄養摂取の限度がを超えて暴れてるのだろうと推測する…」
一方、タークはルニャAが頭に乗っかりながらも歩いてわざとシー・カイの元に近付く。
ルニャA「ボス!どういう作戦にゃ?」
ターク「さぁ?今回は俺が作戦を立てるか分からない」
シー・カイはタークの声が聞こえ少し考えたように。
シー・カイ「…タークくん、君に作戦を立ててもらいたい。」
タークは待ってましたとばかりの目でシー・カイを見て。
ターク「任せろ」
それを遠くから見ていた三人。
ゲマナ「ねぇ…止めないの?」
グリンス「…」
マール「このままでは…タークさんが危ないかもしれません…」
グリンス「理解している…私がタークを守る…」
一方、シー・カイと話しているタークの心情。
ターク「よし…ならこの作戦で…(俺がグリンスを守る)」




