41話 危険が及ぶ任務。
私はただパイソンが嬉しそうにしていたのが凄く嬉しかった。
昔からのバディがようやく夢が叶ったと言うのだから。
だが…あの話を聞くまでは…。
カグヤの討伐依頼が来てから全てが変わった。
~狩人の館~
グリンス「カグヤ…?」
パイソン「あぁ…」
パイソンはグリンスの前にある机に一枚の紙を置く。
パイソン「正体不明の竹モンスター!その名も、
カグヤ!新種だ…実は前にシー・カイのおやっさんに誘われてさ…」
グリンス「深海?君も名が知れたハンターになったんだな」
グリンスは紙から顔を上げてパイソンに微笑みを向ける。
グリンス「しかし…バディとしては…新種のモンスター狩りに行くのは同意しかねる…」
グリンスは微笑みから真剣な顔へ変わる。
パイソン「っ…!なんでだよ!俺と…お前なら…こんなモンスターだって…」
グリンス「私は既にガシアチームの入隊に決まっている…同行も不可能だ…それに…新種のモンスター討伐は決まって多くの犠牲者が出ている」
パイソンは目を逸らし俯いて。
パイソン「やっと…やっとDeep seaチームに入れるチャンスなんだよ!俺には…お前がいないと…」
パイソンは少し声を荒くした。
グリンス「バディを組む当初に決めたはずだ…
どちらかが同意しないのならそれはキッパリ
諦めると…」
パイソンはそれを聞いてくすりと笑うようにし。
パイソン「あぁ…そうか…それが問題か…それだったんだな…あぁ…だったら…てめぇとは…もうバディじゃない…俺は夢を優先する…お前は干からびた砂での任務に満足してろ…こんなんもいらねーな」
バン!と机にネックレスを置く…。
グリンス「っ…待て!パイソン!」
パイソンはドアを強く閉め大きく音を鳴らして出ていってしまう。
私とパイソンはバディを組む際にネックレスを交換していた、大事な宝物だった。
…当日
シー・カイ「よし、お前ら…作戦をおさらいする…カグヤは竹のモンスターだと把握している
火に弱いというのも把握済みだ…」
パイソン「…」
パイソンは少しの緊張で弓を持っている手が震えていた。
シー・カイ「火の矢を一斉に放つ!そして燃やし弱ったところを一気に畳み掛ける!可燃性ジェルを剣に塗っておくのだ!」
狩人達「イェッサー!!」
シー・カイ「よし…この林の奥に奴がいる…ゆっくり近付け…」
パイソン「…(俺なら出来る…俺なら…)」
林の奥…進む度に生物とは思えない雄叫びが聞こえる。
パイソン「っ…(耳が…痛い…)」
シー・カイ「…皆…構え」
耳には届かないため口を動かしながらジェスチャーをしたシー・カイ…熟練の狩人達にはその意図が伝わり弓を構える。
パイソン「っ…(よし…)」
みんなが弓を構えた瞬間だった。
ズタズタズタ!!!!!
気付いたらシー・カイとパイソンの周りには狩人がいなくなっていた。
飛ばされていたのだ。
パイソン「…な…なんだ!?」
シー・カイ「ばかな!奴はこっちを見ていなかった!」
その頃…少し離れた岡から双眼鏡で見ていた…
グリンス…。
グリンス「っ…(やはり…危険なモンスター…)」
グリンスは滑るように岡の斜面を滑り落ちて飛ぶ。
カグヤ「…&#^@^&!」
パイソン「や…やばい!こっちに気付いた!」
シー・カイ「っ!退避するぞ!」
パイソン「っ!」
パイソンは走ろうと脚を上げようとするも動かない…地面から生えた植物に足を絡められていた。
シー・カイ「っ…君!!」
シー・カイが腰からナイフを取りパイソンの方に近付こうとする。
グリンス「よせ!私が行く!」
グリンスは瞬時にパイソンの足元に滑り込みナイフで植物を切っては抱いて一緒に避ける。
パイソン「っ!」
パイソンが居た場所の植物は横に真っ二つ、綺麗に切れていた。
パイソン「っ…ま…まじかよ…って…」
ゆっくり、顔を上げる…そこには既に立ち上がってるグリンスがいた。
パイソン「グリンス…」
グリンス「立て…私と…君なら…」
グリンスは伸ばした手の先にネックレスを持っていて。
パイソン「っ…へっ…そうだな」
パイソンはネックレスを受け取り。
シー・カイ「っ…どうやら…戦う他ないようだな…」
先ほど飛ばされた狩人立ちも続々と近付いてくる。
シー・カイ「うぉー!!行くぞぉ!!!」
狩人達一斉にカグヤの元に近付いてく。
カグヤは胴体が全体的に長いので足元に近付いてきた狩人には対処が出来ていないようであった。
グリンスは四方八方飛んでくるツタのような物を切りながらカグヤに近付いていく。
カグヤ「^#&&@%!」
相変わらず訳の分からない音を発生しグリンス達に対抗しようとする。
ズザザザザ!!
地面から何かが再び何かが生えてくる…
しかし二度は食らうまいと各々の狩人は別々の方法で防いでいく。
地面に見えた途端すぐに切り成長を止める者。
足で踏みこみ地面に埋めて方向を変える者。
成長する前に引っこ抜く者も。
パイソン「うぉー!!!」
パイソン含めた他の狩人達はカグヤの足を斬りつけまくる。
グリンス「っ…(…もう少し…)」
グリンスは遠くから攻撃を防ぎつつ観察していると。
狩人達が斬りつけている足、竹の足は再生を続けていた…そして、黄色い何かがカグヤの頭の方へ流れていく。
パイソン「うぉぉ!トドメだ!」
パイソンが飛び付くように頭の方へ近付いていく。
グリンス「…(あれはっ…?)」
カグヤ「@$#!」
カグヤ「$#!」
カグヤ「$!」
カグヤ何やら再び音を発した。
その時…。
パーン!!!!黄色い光が辺り一面に。
グリンス「ぐっ…」
グリンスは双剣を持った両手で目を塞ぐ。
光が少し止んでいくと。
グリンス「パイソン!!」
カグヤの元を見る。
パイソン「ぐぁ!ぐぁぁぁぁ!!」
パイソンが目を抑え悶えるように地面に倒れていた。
グリンス「っ…」
周りの狩人達はパイソン程でないにしろ眩しさで目を開けれない状態であった。
シー・カイ「っ…うぅ…?」
なんとかシー・カイは目を開けると悶えてるパイソンから光のエネルギーのようなものが漏れているのに気付く。
シー・カイ「っ…!待て!近付くな!」
シー・カイはグリンスにそう叫ぶ。
グリンス「っ!?」
パン!!!!!
パイソンが黄色い光を発して破裂するように消える。
シー・カイ「っ…」
狩人1「ま…まじかよ…」
グリンス「ぐっ!?」
グリンスもその勢いに飛ばされる。
シャッ!!飛ばされたと同時にグリンスは身体に傷を負う。
しかし地面に倒れたグリンスはすぐに立つ、とにかくパイソンの現状を知りたい気持ちで一杯だったのだ。
グリンス「っ…パイソン!!」
グリンスは血が流れる傷を抑えながら痛みに耐えるように声を絞り出した。
シー・カイ含む狩人達は驚きで声もでなかった。
しかし場の人間、グリンス以外は把握していた…
パイソンが破裂して消えた。
~回想終わり~
グリンス「その後の葬式も何も感じなかった…ただ共に長い間戦った相手が遺体もなくして消えた…残ったのは…ただこの傷だけだった…」
月明かりに照らされているグリンスは静かにインナーをずらした。
腰横…太ももの横に切られた傷があった。
ターク「…」
グリンス「私は話すのが得意ではない…ましてや辛い過去は──…」
ターク「まだ残ってる…」
タークはベットから立ち上がりグリンスを少し押すように。
ただ近い距離で。
タークはグリンスのかけているネックレスを握り。
ターク「遺したもんがある」
タークの瞳もまた、月明かりに照らされ輝いていた。
グリンスは目を伏せて。
グリンス「そうだな」
部屋の扉の前には寄っ掛かり扉越しに聞いていたゲマナがいた。
続き。




