29話 忍び込む忍者、女忍者
ターサー「…」
ターサーはメシスに銃を向けるまま。
メシス「そんなに怖い顔しないでよ…」
メシスは小悪魔のような微笑みを浮かべて一歩…
二歩…ターサーの方へ近付いてくる。
ターサー「…(銃に対しての異常なまでの自信…
避けられるということか…?)」
ターサーは崖の壁ギリギリ…背中がつきそうになるまで後ろにゆっくり下がっていく、メシスの動きにあわせて一歩二歩と…。
メシス「あ…そーだ」
メシスは足を止めて思い出したように上を向く。
メシス「私が私の忍者ちゃん達と来なかったのには訳があるんだよねぇ♡」
メシスは再び小悪魔の微笑みを浮かべて目を横に
逸らす。
ターサー「…っ…」
リリー「…」
リリーが手足を縛られ、口を封じられメシスの部下のような忍者三人の傍に捕まっている。
馬は倒れているが死んではいない、しかし…走ることは今は無理だろうといった状態だった。
メシス「あなた…詰みじゃない♡?」
メシスは首をかしげて煽るように言ってくる。
ターサー「何が目的だ」
メシス「目的…?うーん…なんだろー…」
メシスはぽかんとした仕草をしながらターサーの
方へ歩いてくる。
バン!バンバン!
三発弾を撃つ…。
直撃している、地面に血も出ている。
しかしメシスは立っている。
メシス「あなたが今撃った場所…♡」
メシスはゆっくりと自分の身体を指差していく。
メシス「右足…左足…そして…お腹…♡
あなたって凄いのねぇ?足で止まらないことを察知して少しダメージの高いところを瞬時に判断して
撃つ…並大抵の人間じゃない♡ううん♡
兵士じゃない♡」
メシスは興奮したようにそう言いながらさらに
ターサーに向かい歩み始める。
メシス「痛いのって気持ちいいだけなの♡」
ターサー「(こいつ…)」
ターサーは歩いてくるメシスを見ながら銃をゆっくりホルスターにしまう。
ターサー「…(歩き方、さっき撃った場所…
弱点は…)」
メシスが目の前に来た瞬間。
シュッ!
素早いカーフキックでメシスの体勢を崩す。
メシス「あはっ♡!」
体勢を崩したと思いきや後ろに飛び上がり回転する。
ターサー「っ…どうなってんだ」
メシス「今度はこっちの番よ♡」
メシスは刀をどこからともなく取り出し切りかかってくる。
避ける度にフォン!と風を切る音が鳴る、当たれば
簡単に斬れる、殺しに来ているのはこの音で丸わかりだった。
ターサーは避けながら考える。
ターサー「…(右、左、左、右…攻撃のパターンは
ある…なら、軽くいなすのみ!)」
メシスが左上から右下に振り下ろしたその瞬間…
ターサーはメシスの腕を上げれないくらい名一杯
止めもう片方の手の肘で顔に打つ。
ターサーは止まらずにメシスの足に足をかける…
肩甲骨の下に腕を滑らせ、重心を奪い、手で持ち上げ一気に地面に叩き込む。
ゴスっ!
地面に強く当たった鈍い音。
だが変わらずメシスは高く興奮した声を出している。
しかし刀から手を離していたためすぐに遠くへ蹴る。
ターサー「終わりだ」
ターサーは倒れたメシスに対して再び銃を構える。
メシスは反応がない、しかし息はしている。
ターサーは反撃を食らわぬように倒れているメシスの背中に足をいれメシスを裏返す、そしてすぐさま
手錠をかける。
ターサーはリリー達のいる方向を見返すと忍者は
いなくなっていた。
そうしてもう一度メシスを見る、いなかった。
しかし構わずリリーの方へ走っていく。
ターサー「リリー!平気か!」
リリー「ん!…んー!んー!」
ターサー「あぁ、すまん」
リリーの口を封じていたロープを取る。
リリー「ぷはぁ!はぁ…どうなってたの?」
ターサー「心配いらない、そこまで酷いことに
ならなかった…」
リリーには見えないが音だけで分かっていた…
目の前で、ターサーが誰かを倒したのだ。
あの銃声が、安心できる音に聞こえたのは初めてだった。
ターサーは馬に目を向ける、馬はゆっくりと身体を起こして起き上がっていた。
ターサー「…(妙な敵が出てきたか…
ピットからの追手…か?…)」
続く




