28話 増えていく敵
三人の忍者がクナイを構えながら周りを回り続ける、攻撃出来るタイミングを見計らっているよう
だった。
ターサー「…っ…(こいつらはなんなんだ…)」
三人の忍者は周りを回り続けているのに対して足音がまったくもって聴こえない。
ターサー「っ!」
後ろに気配を感じ振り向くと既に真後ろに忍者の
一人がいた。
忍者はすぐにクナイを突き刺しに来る、ターサーは
なんとか反応し忍者の手を掴んで軌道を逸らしては
脚の関節に蹴りをいれる。
ターサー「はぁ!」
ターサーは忍者が膝をついた瞬間次に狙うは肘…
おもっきり膝蹴りをし腕を折る。
忍者は痛みに悶えながら倒れる。
バンッ!
銃声が森に響く。
ターサー「…(あと二体…)」
ターサーは倒した忍者から目を逸らすと気付く。
ターサー「…(二人がいない…どこにいった…)」
サッサッ…!
周りの木々が揺れ草を落とす。
どれも揺れては音を鳴らしている。
ターサー「っ…(どれだ……もし突然襲いかかれ
首でも切られようもんなら…間違いなく死ぬ…。)」
ターサーは考える。
ターサー「…(よし…)」
ターサーは腰のベルトのポーチからスモーク
グレネードを取り出す。
カチッ…スモークグレネードを地面に落とし煙がたつ。
ターサー「…(ピットの訓練には、煙の中でいかに
見ることかの訓練があった、これくらいなら…
余裕だな…。)」
ターサーはすぐに岩影隠れさせたリリー担ぎ上げ
馬に乗せる。
リリー「わっ…ターサーさんっ?なにがっ!」
ターサー「良いか、馬に乗せた、なるべく動かずにいろ…この馬は俺のところに必ず帰ってくれる。」
パチッ、馬のお尻を少し強く叩く。
ターサー「行けっ!」
馬はターサーに従い道の反対側に走っていく。
ターサーは再びホルスターからハンドガンを取り
木々の方を撃ちながら馬の行った方向の逆に走っていく。
タッタッタッタッタッ!
砂を蹴り上げる走る音…忍者を引き付けるために
とにかく走り続けるターサー。
…
タッタッタッタッタッタッタッ…。
やがてターサーは足を減速させていき、着いた先は
行き止まり、高い崖が目の前にあった。
ターサー「…っ…」
サッサッ…
音のする方へ振り向くと二人の忍者は草から飛び出て再びクナイを手に持ち間合いを取ってくる。
ターサー「…(この追跡技術にステルス技術…
…PITでは…ないな…)」
???「待ちなさぁーい」
ターサー「っ!」
高い女性の声がする、その先にターサーは銃を向ける。
女は足音がしないのにも関わらず普通に歩いてきている、すぐに忍者の仲間なのは分かった。
女はピンク色の長い結んだ髪を揺らしながらただ
歩いてくる。
白い肌にピンク色の瞳。
そして黒のタンクトップに二人の忍者と同じ手甲に足袋に袴。
ターサー「誰だ、何が狙いだ…」
ターサーは低い声で銃を向けながら聞く。
???「目的?あらぁ…マジリカは平和な国のように見えて、私達見たいな山賊もいるのよ?」
ターサー「ニンジャを山賊と言うのは、少し変な話だがな…」
???「ふふ…そうね…にしても、久々に骨が
ありそうだから狙っちゃった♡」
ターサー「っ…?」
メシス「私はメシス…痛めつけるのも…痛めつけられるのも好きなの♡」
その瞳には、痛みすら甘い蜜のような輝きが宿っていた
続く。




