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26話 青い瞳の魔法使い、ルリィ。

ターサーとリリーのいる場所から離れた町。


???「やぁ…ルリィ、おはよう」


白い壁に家具、水色の床、この国、マジリカにしてはかなり綺麗な家だった。


ルリィ「ハウィさん、おはようございます!」


青い瞳に黒い長い髪、サラサラで前髪を分けておらず長い睫毛。


ルリィ、彼女の母親は魔法使いとして魔兵大戦で

活躍した、しかし、活躍し過ぎたのだった。


彼女の母親は処刑された。


ハウィ「この町に来て3ヶ月、もう慣れたか?」


ルリィ「……いえ…でも!もう少しだと思います!」


ルリィは手を握り前に出しては張り切るように。


ハウィ「メイドとしての仕事には、いつも関心しているよ。」


ハウィはコーヒーをコップに淹れながらルリィを見る。


ルリィ「私としても、ここに住まわせてもらっていて…凄く感謝しています!」


ルリィは魔法使いの娘、魔兵大戦で活躍した魔法使い、ヴァイオレットの娘かのだ。


第三章 孤独な魔法使い


彼女の娘として産まれたルリィは皆に恥と言われ

とにかく無視など、子供じみた目を向けられない存在となってしまったのだった。


しかし過去の事だった。


ー回想ー


ルリィ「あのっ!とにかくなんでもしますから!

ここで働かせてください!」


ルリィは少し汚れたカントリーチックなブラウスと

ロングスカートでよろず屋の店裏で頼み込んでいた。


店主「ふむ、なんでもねぇ、でもね、ウチで働くのには条件がある。」


ルリィ「条件…なんですか!」


店主「魔法使いの娘じゃないことだ…

がっはははっ!」


店主は大きく低い声で品のない笑い方をする。


ルリィ「っ…」


ルリィはそんな店主に背を向けて店を出る。


???「ん?」


ルリィが店を飛び出すように出ていったのを買い出しに来た男は見ていたのだ。


ルリィは自身の持っている茶色い革のショルダー

バッグから財布を出す。


ルリィ「…(…もう今日の宿代だけ…)」


さらにルリィはバッグから大きな布を取り出し

フードのように被る。


ルリィ「…」


そうして宿を取りに行くのだった。



ー宿の部屋ー


ルリィは部屋に入るとすぐにベットに腰を掛ける。


ルリィ「はぁ…」


ため息が溢れおちる。


しかしその時だった、ルリィの部屋のドアにノックの音が響く。


ルリィ「…?」


ルリィは少し警戒しつつもゆっくりとドアに近づき少しだけ開ける。


???「おっと、あぁ…怖がらないで…少し話が

あるんだ…仕事の…。」


ルリィ「仕事…」


ルリィは仕事という言葉を聞いた瞬間ドアを開けてしまう。


ルリィ「っ!」


しかしルリィは男の正体に驚く。


ルリィ「ちょ…町長…」


ーハウィ町長ー


背が高く細身、白髪混じりの黒髪にヤギヒゲ。


ハウィ「ご存知で助かるよ、さて…仕事の事だが…」


ルリィ「は…はい…」


ルリィは少し緊張したように耳を傾ける。


ハウィ「君にはメイドとして家で働いて欲しい」


ルリィ「メ…メイド?」


ルリィは少し自分を守るように手を組み、一歩二歩と下がる。


ルリィ「そ…そんなの怖いです…」


ハウィ「あぁ、心配しないで、多分君の考えてる

メイドとは少し違う…」


ルリィ「え…?」


ハウィ「メイドというのは、家の家事をする単純なお仕事だ、私は君に住居とお金を出す…魔法使いの間で流行っていた"そういう奴隷"の隠語とは違う

本来の意味だ…。」


ルリィ「あ…そう…だったんですか…」


ルリィは納得したように頷き、そのまま俯く。


ハウィ「分かっている、ルリィ…君の事は知っている…魔兵大戦の魔法使い、ヴァイオレットの娘…

だが私は君が誰の娘だとかどうだとかそんなことは気にしない」


ルリィ「…」


ハウィ「どうかな」


ルリィ「やります…(どうせ…最後のチャンスです…)」


ハウィ「よし、そしたら…着替えてもらう…メイドの制服がある、それじゃあ…少しね…」


ハウィはルリィの服を見て言う。


ルリィ「分かりました!」


そうしてルリィはハウィ町長の綺麗な家のメイドに

なり、住む場所も手に入れた。


ハウィ「今日からの君の家だ、ゆっくりしていてくれ…仕事は明日からだ、内容も明日教える。」


ルリィ「は…はい!(き…綺麗な部屋…広い…。)」


一階のリビングと変わらず白色の壁に家具、水色の木の床、ベットも白い天蓋がついていて綺麗だった。


ハウィ「ゆっくり休んでくれ…おやすみ。」


ハウィはそういって部屋を出ていく。


ルリィ「…」


ルリィは急な事に驚いていたがハッとして手を握りしめる。


ルリィ「…(頑張るんですよ!私!)」


続く

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