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エアストーリー ~異世界の軍人VS転生してきた男~  作者: TarTark
第二章 異世界への転生者
15/28

15話 酒と悪夢と、青髭の男

夕方、ベースキャンプは夕陽き照らされオレンジ色に光っていた。


ヴァルド「で…気付いたら雪山に?」


ターク「あぁ…そうなんだ…」


ガコン!


ヴァルドは酒の入った木製ジョッキをテーブルに

叩きつける。


ヴァルド「ガハハハハっ!そんなバカな話があるか!酔っ払った俺でも誤魔化せないさ!!」


ヴァルドは豪快に笑いながら再び酒を飲み始める。


一方でセリーヌは呆れた顔でため息をついては腕を組んでヴァルドを見ている。


セリーヌ「その辺にしたらどうですか…」


ヴァルド「あぁん!?いいや!俺はまだ飲むぞぉ!お前も飲めよ!」


パンッ…ヴァルドは陽気にセリーヌのお尻を叩く。


セリーヌ「きゃっ!もう…!」


ターク「…この感じ…常習犯なんだな…」


セリーヌ「っ…本当に面倒な男なんですっ……

狩りの時は頼りになるのに…」


ターク「ふーん…」


タークはジョッキを片手に頬杖をついて二人をチラチラと交互にみる。


ターク「で…お二人は…」


セリーヌ「違います!」


ターク「まだ言ってねぇよ…」


セリーヌ「でも言おうとしたじゃないですか!」


ターク「お前さっきのクール感どこいったよ!!」


セリーヌ「私も酔っぱらってるんです!!!」


ターク「こいつの事言えねぇじゃねぇか!!!!」


ヴァルド「おいおぃ…息ぴったりじゃぁねぇか…」


セリーヌ「黙ってください!」

ターク「黙ってろ!」


セリーヌとタークが声を荒くしていると背後から

ブーツの音がする。


タークは一呼吸、ため息をして振り返るとグリンスがいた。


ターク「っ…(やっべ…嫌なとこ見られたなぁ…)」


と、タークは心の中で思いながらグリンスにかける言葉を考えていると…。


グリンス「ターク…喧嘩は良くないぞ…」


しかし心なしかグリンスは頬が赤くフラフラしていた。


ターク「…」


グリンス「…」


ターク「酔ってる?」


グリンス「酔っていない…」


ターク「俺は誰?」


グリンス「タークぅ」


グリンスはフラフラしながらもしっかりとタークの名前を呼ぶ。


ターク「酔ってないな」


セリーヌ「判断基準緩いですね!」



結局ヴァルド、セリーヌ、ターク、グリンスでお酒を飲み続けて夜…タークとグリンスは一緒にテントに戻る。


ターク「あぁー…あー…」


タークは酔って思考がまとまらず声を出すことしか出来なかった。


グリンス「…」


グリンスはテントに入りベットに倒れ込んだ瞬間

眠ってしまった。


ターク「…(この生活も…なんだかんだぁ…悪くねぇなぁ…)」


タークは酔いながらもそう思いながら眠りに入る。


…そうして…タークは夢の世界に入っていく。


「どうして…?」


ターク「っ…」


「おい!早くやっちまえって!」

「そいつ殺すだけで認めてやるつってんだぞぉ!」

「やーれ!やーれ!」


女「やめて…タークくん」


女「やめて…」


ターク「う…う…うぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ザクッ!



バサッ!


タークは勢い良く飛び起きる。


ターク「はぁ…!はぁ!」


夢は作り出された幻想でなく回想だった…


ターク「…(っ…思い出しちまった…酒って忘れるためのもんじゃねぇのかよ…)」


タークは手で頭を抑えながら隣を見る。


グリンスは既にいない。


テントは朝の日の光が当たっていて丁度目覚めの

時間であることが分かる。


タークは立ち上がりシャツを直してはゆっくり

テントの入り口を開けて外に出る。


するとテントの前の椅子に座り武器、双剣のメンテナンスをしているグリンスがいた。


ターク「…おはよう…」


グリンス「おはよう」


グリンスはいつも通り少し素っ気ないが何故か暖かみを感じてしまうような声で返してくれる。


ターク「二日酔い平気なのか?」


グリンス「私はお酒に強い」


ターク「あぁ…そう…」


タークは二日酔いでズキズキする頭を抑え続けながらグリンスの座る椅子の向かい側にある椅子に座る。


グリンスはこちらを一瞬見ては双剣に視線を戻す。


グリンス「聞くべきか分からないが…何故うなされていた…」


ターク「…え?」


グリンス「朝起きた時…お前は何かにうなされていた、どんな夢を見ていたんだ。」


ターク「さ…さぁ?あれだ…二日酔いで…」


タークにとって、夢の内容、現実の過去は人に話せるようなものではなかった。


ターク「…(せっかく全てやり直せるチャンスなんだ…無駄にはできん…)」


タークはそう思いながら立ち上がり。


ターク「ちょっと顔洗ってくる。」


グリンス「…そうか」


グリンスは考えるような仕草をするが、しばらくすると双剣のメンテナンスを再開する。



バシャバシャ!


タークは樽に顔を近付け、溜まった水を顔にかけて眠気と嫌な気持ちを吹き飛ばす。


ターク「ふぅ…」


そうしてタークが樽から顔を上げた時だった。


???「ふーん?」


目の前に少し長い青髪を右分けにした男がいた。


ターク「うわ!びっくりしたぁ…」


???「っ!」


ターク「なんでお前もびっくりしてんだよ」


???「急に騒がれるとびっくりするよ…」


ターク「…否めないな」


目の前の男はよーくみると眼鏡もかけていて水色の瞳をしている。


ターク「おぉ…えっと…?」


???「君が異世界から来たって噂のタークくんだよね?」


男はなにやらワクワクしながらさらに顔を近付けてくる、好奇心100%なのが分かる。


ターク「あ…あぁ、近い近い…」


ジェリック「あ、申し遅れたね…ボクはジェリック…ハモンド・ジェリック…」


ターク「は…はぁ…えーっと…あれか?研究班?」


ジェリック「研究班…ではないんだけど、魔物の

知識はピカ一の自信があるかなっ…」


ターク「ピカ一ねぇ…で…どの役なんだ?」


ジェリック「ボクは医療係…だけど、研究も勿論

したりするよ!たまに君の相棒にサンプルを取ってきてもらう事もあるしね!」


ターク「相棒?」


タークは首を傾げる。


ジェリック「グリンスの事」


ターク「あぁ…相棒…か…いや、ちょっと違うかな…なんか…グリンスは現状ボディーガード的な…」


ジェリック「…ふぅむ…良く分からないけど、相性は良いって噂だよ」


ジェリックは少し微笑みながら話を続ける。


ジェリック「それより…君と色々話がしたいんだけど…良いかな?」


続く

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