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ショート×ショート 唄う職員

作者: NATA

 私の介護施設では子供を雇っている。

 子供だから仕事なんて出来ない。老人を運ぶのは子供の力では無理だ。

 もっぱら老人の遊び相手だ。

 そして彼女は歌をよく歌う。老人達はその歌を喜んでいる。

 しかし、聞いた事がない歌だ。老人達に聞くと彼女のオリジナルだと言う。明るい歌が多いが、時には暗い歌を歌う。

 その時は老人達が慌てて彼女の機嫌を取る。

 こっちは老人の機嫌を取っているのに彼女は機嫌を取られる側とは気分が良くない。

 ある時、また暗い歌を唄い出した。

 老人達は慌てて機嫌を取る。いつもならすぐに止まるがこの日は中々止まらない。

 縁起が悪いと思い、私は無理矢理口を塞ぐと私は老人達に怒られた。

 心の中で文句を言いながら私は口を塞ぐのを止めた。

 老人達は神妙な面持ちで少女を見ていると、歌は終わり、一人の老人に、

 「おつかれさま」と言った。

 老人は泣き崩れながら、「ありがとうありがとう」と何度も言った。

 数日後、お礼を言っていた老人の家族がやってきて施設全体でパーティーを始めた。そしてパーティー終了後は荷物整理が始まった。

 数日後。老人は急死した。脳梗塞だった。

 荷物が整理されており、何故か死亡後に必要な手続きがされていたため、仕事はスムーズに終わった。

 死んだ老人の部屋の外からは、

「ちゃんと準備出来ていてえらいね」と少女は言った。

 そして彼女はまた唄い出す。

語彙力と表現力の訓練です。

感想頂けると幸いです。


お題

マイク×職員

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