第1話 最終回
「これで、終わりだ……!」
仮面の戦士はその身をボロボロにしながら目の前で膝をつく怪人に宣言する。
怪人は誰の目から見ても満身創痍の状態で動くことさえままならない。
しかしその邪悪な顔は笑みを浮かべていた。
「ハハハ、甘いなチャンスターよ」
「なに?」
「お前は先ほどの攻撃で私を消滅させるべきだった……」
「何を言って?」
「好機を逃したと言っているのだ!ハァァァァァ!」
怪人が声を上げると周りが震え、砂や瓦礫が宙に浮き始める。
そして怪人の後ろに穴が空いた。
穴はまるでブラックホールの様に周りのすべてを飲み込んでいく。
「な、なにをっ!?」
「我が野望、我が道を邪魔をした報いを受けよ!」
その穴から逃れようとしても、戦士は怪人との戦闘で力をほとんど使い果たしてしまっていた。
(くそ、みんなっ!)
戦士は共に戦った仲間の顔を思い浮かべる。
この戦いを終わらせて、いつもの溜まり場で祝杯を上げる。
そんな約束をしたと言うのに、戦士は行けそうにないことを悟る。
ならば……と戦士は怪人のことを抱き合う様にして捕まえた。
「貴様っ!?」
「ここで俺が終わると言うのなら、お前も付き合ってもらう!」
「やめろっ!離せっ!」
「断る!これが最後のチャンスなんだからな!」
戦士は僅かに残った力を振り絞り怪人を押して穴の方向に走り出す。
怪人ががむしゃらに暴れるがお構いなしだ。
「やめろぉぉぉぉぉ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そうして戦士は怪人と共に穴に飲み込まれる。
(じゃあな、みんな)
仮面の下に笑みを浮かべながら。




