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異世界転生したのになんでみんなも転生してきた奴らなんだよ…

異世界転生というジャンルが昨今はやっている。それはこれまで何かを成し遂げたことはなく、酷いときには人との交流すら断った人間たちがあこがれる世界といっていいだろう。しかし、この異世界転生という物は確かに存在する。ただ勘違いしてほしくないのは、異世界といってもその世界の住人から見ればいつもの日常なのである。そんな世界に急に最強として行けるわけないだろ!とりあえず、異世界転生をしてしまった少年の話!!!!!!!!



「あの~もしもし…早く起きてくれませんか!!..............おい起きろこのクソガキ!!!!!」

そんな声で目を覚ました少年の名は蒼。2022年に生まれた日本人の男子の中で一番多い名前である。

勿論彼が異世界転生をした張本人である。

「うう…眠い。ここは?え?」

「もう早く起きろよこのガキ!あんたは異世界転生したの!いくよほらこっち来て!」

そこにはこれぞ異世界転生!といわんばかりの巨乳で金髪、さらにきわど過ぎる服装のお姉さんエルフがいた。

(うわ…これって俺異世界転生してんじゃん!しかもこんなにきれいなお姉さんとこれから旅するのか、、あんなことやこんなこともあったりして。)

現代のオタクならば彼のように一瞬でこの状況を理解し期待に胸を膨らませることもできるだろう。まったくあきれたものだ。にやにやしている彼にそのエルフは言う。

「あんたみたいなのと誰が旅するのよ。ほんっとに気持ち悪い。なんで最近の転生者はこんなのばっかなのかしら。」

その顔はさながら一昔前に流行った、いやこんなこと言ったらその属性のオタクたちにキレられるかもしれないがドMが大好きであろう、男をののしる美少女である。

(なんなんだこの理想的な世界は!!!!!)

おっといい忘れていたが彼もそのドMというやつなのである。

「いい、私はただの案内人。この世界には異世界転生してくる奴は腐るほどいるの。あんたみたいな奴なんて五万とみてきたわ。ほらついてきなさい。」

「ちょ、ちょっと待って。。異世界転生してくる奴がいっぱいいる世界なんて聞いてないんですけど!!ていうかお姉さん俺と一緒に旅しようよ~」

なんと情けないことだろう。現代の日本男子とはこのようなの脳みそが金玉に支配されたものばかりなのであろうか。そもそもこの手の思考の持ち主は常にポルノを見て家の中で手を上下させているのだろう。

(これはまずいぞ!せっかく夢にまで見た異世界転生できたのにほかにも転生者がいるなんて…しかもあのスライムみたいに最初に最強スキルをもらったわけでも、元からその世界で最強だったゲーマーでも、もうすぐ犯されそうな女の子を助けた骸骨でもない。ましてや追放された最強能力者でもない。これはあの名誉静岡県民に世界ランクを抜かされてしまう!!!!)

ともかく、この救いようのない少年の転生ライフは幕をあげたのである。




「ほら見なさい、あちこちに見える遺跡や洞窟これ全てダンジョンよ。あなたは今からギルドに登録して、というか転生者はもとから登録してあるから、能力を理解して装備をしてそれから仲間を探してダンジョンを攻略する。それでランクを上げれば収入が増えていくわけ。ランクが上がると近隣住民からのモンスター駆除やギルド公式の依頼を受けられる。とりあえずそんなもんよ。」

「なるほど。やっぱり気になる点は何個かあるけど、大体は理解できたよ。ありがとうお姉さん。ところで名前は?」

「ああ、あなたがキモ過ぎて言ってなかったわね。オリーズよ」

転生した何もない野原から町に出るまでの初心者用ダンジョンの多い地帯でそんな会話を二人がしていると、図ったようなタイミングで親の顔より見た?セリフが聞こえてくる。


転生者A「あれ俺何かやっちゃいました?」

ヒロインA「転生者Aさん、それはSランクの特殊魔法ですよ!」


転生者B「今更そんなんこと言っても、もう遅い!」

元仲間「お願いします。もう一度パーティーを組んでください。」


転生者C「これはジョウロというんだ。水の入った入れ物の先端に小さな穴を何個も空けておくことで、水を分散させて広い範囲に効率的に負ける!(ドヤァ)」

仲間C、D、E、F「おお!本当に転生者Cはこれまでにない発想を持っている。」


そんなことないだろと突っ込みどころ満載な会話があたり一面に広がっている。

「こいつら全員転生者よ。せっかく期待してたのにこんなになっちゃって・・」

そういったオリーズが蒼を見て落胆した顔を見せる。まあ、当たり前だろう。なぜかって?それは彼がそんな光景に目を光らせているからだ。

「あんた、まさか…」

「ねえ、オリーズ、俺もあんな風になれるかなあ」(キラキラした目)

オリーズの表情を説明しよう。ああだめだ。私は何でこんなやつを転生させてしまったのだろう。

まあ一言でいえば絶望である。そんなこんなしているうちにギルドについた蒼はオリーズに別れを告げて、やるべきことに取り掛かった。




とはいえ、こちらとしては悔しいが彼は腐っても異世界に飛ばされてきた転生者なのである。

つまり何が言いたいかというと、いろいろとうまくいくのだ。うん

「ええと、俺の能力はっと…カウンターでランクはS!?うっひょー来た来たこれこれ!」

(能力は指定範囲内に入った敵の攻撃をすべて無効化して、300%の補正をかけて返す。強すぎだろ。つまりその射程範囲まで近づける装備にすればいいわけだな。防御とスピードのバランスを考えてっと)

武器屋に行っても彼の無双は続く。

「おっちゃんこれとこれくれよ。」

「なぜこれを選んだ?」たいそう驚いたように武器屋の店主が尋ねる。

「う~ん、なんとなく。」

「これは見た目が地味だといって誰も買わないんだがこの国に伝わる伝説的な鍛冶屋が鍛えたこの店一番の品さ。まさか君みたいな少年が見抜いてしまうとはね。驚いたよ。ほらサービスだ。これも持っていきな。」

そういって店主が渡したのは神秘の卵。

「きっといい相棒が生まれるさ。」

まさに主人公のごとき豪運である。認めざるを得ない。そして次に待っているのはお決まり、不遇な人生を歩んできた少女ヒロインが主人公に助けられて崇拝するという時間だ。まったくこれだから異世界転生物は嫌いなのだ。何の努力もしていないこんなあほがどうして成功するのか。はなはだ疑問である。



「この野郎!もっと働かねえか。魔女のお前を知り合いにばれないようにかくまってあげてるこっちの身にもなれ!今日の夜はいつもより激しい奉仕をさせてやる。」

でました!これまで誰からも優しくされてこなかった魔女っ娘。ただ、この物語では他とは違い、いくらヒロインであったとしても処女というわけではない。そこは作者自身このような時代けがされていないヒロインがあまりにもご都合主義だと思っているからだ。

とにかく主人公はこのリーエという少女と親しい中になりダンジョンを破竹の勢いで制覇する。

その噂はギルド内で広まっていく。




「蒼様、私たちなんか目立っちゃってますね。うふ」

「リーエ俺たちはもっと上を目指す。お前と一緒にな。」

同じことを繰り返し言っているだけのような気もするが、リーエはなんか勘違いしてかっこつけている蒼に夢中なのでそんなことお構いなし。

「ところで、俺たちは今月のギルドランキングだと何位だ?」

「ええと、3位になってますよ。こんなにすぐに強くなれたのも蒼様のおかげです。」

「そんなことはない。リーエお前のおかげだ。」

そこに、ギルド総合ランキング3位のパーティーがやってくる。

「いちゃいちゃしてるところ悪いんだけど、何してそこまで順位を上げた。ああ」

「別になんもしていないさ。気になるなら今ここでやる?」

「なめんじゃねえぞこの雑魚が」

あるあるの展開だが、ここでこれからの物語の重要人物となるギルドランキング1位と2位が騒ぎを聞きつけてきたが、なんとこの喧嘩?を一瞥するとたいそう残念そうにまたあきれた様子で帰っていった。

さて、この喧嘩?の結末だがなろう系を読んできた者たちのは容易に想像できるだろう。そんなこんなあってギルド内で立場を確立した蒼であったが、リーエの勧めで、あるダンジョンに向かうことになる。

「このダンジョンは難易度はそこまでなんですが、とにかく敵が多いです。先のダンジョンでは蒼様のスキルで一網打尽でしたが、これからは一体一体のモンスターの性質や特徴を把握していないと危険な状況があるかもしれないので、とてもいい練習になると思いますよ。」

(リーエからお勧めしてくるなんて…う~ん俺感動!やっぱ異世界転生って最高!)

そのダンジョンの名は{魔物の出る巣窟}いかにもシンプルである。



二人は順調にこのダンジョンを進んでいく。

(かなりこの世界のモンスターの特性をつかめきた。これまではカウンターのおかげで何とかなっていたのもあったんだな。ここでもっとこいつらの習性をつかめればさらに上を目指せる。)

彼らはこのダンジョンの最深部、{最期の大穴}に到達する。

「なんなんですか…このまがまがしい穴は。」

「落ち着けリーエ。俺の後ろについていろ。暗視と聴覚強化のバフをかけてくれ。さすがの俺でもここをすぐに降りるのは危ないかもしれない。」

蒼の言った通り、この穴は斜め下方向に延びていて足を滑らせる危険性がある。

「わかりました。蒼様。」

そういってリーエが呪文を唱え始める。

(まずはいったんここから中の様子を探ってみよう。)

その瞬間彼の視界は真っ白になる。体が動かない。動悸が激しくなり汗が止まらない。声にもならない声を上げる。

「蒼様!!どうしたのですか!!」

そんなリーエの言葉に目で助けを求めることしかできない。

(くっそ、どこからの攻撃だ。とりあえず状態異常回復を。)

リーエにこれまで何回も使ってきた手の形での指示を出す。リーエははっとしたようにスキルを使う。

しかし、彼はそのまま意識を失ってしまった。心臓の鼓動はだんだんと弱くなり、一分もしないうちに彼の息は止まった。ここから奇跡の愛の力で回復するのはお決まり展開であるが、今回はそうはならない。蒼は完全に死んだのだ。なぜならば彼を殺したのはリーエだからである。最初から彼女は猛毒のデバフを彼にかけていたのだ。{最期の大穴}の前はモンスターが少なく、リーエ自身の危険はない。安心して彼にスキルを使えるのである。

「知ってましたか蒼様、カウンターはその攻撃がばれからのものかをしっかり認識していないと発動できないんです。私からの攻撃だと最後まで疑わなかったんですね。かわいい」

そういうと、彼女は蒼の下げていた3位の勲章とAランク冒険者のバッチを剥ぐと、これまで蒼が殲滅してモンスターが一体もいないきわめて安全なダンジョンを通って、何食わぬ顔でギルドの換金所に行って、大量のお金にして、あるドアをたたく。

「お父さん、今回はいつもより簡単だったよ。」

「よくやった。リーエ。今日はごちそうにしよう」

そして次の日には、また新しく来た転生者に見つかるように、父親と一緒に、悲しきヒロインを演じるのだ。



冒頭でも紹介した通り、この世界の住人にとって、ここは異世界などといった桃源郷ではなく、いつもの日常なのである。つまり、浮かれているのは転生者だけで、それを知っているこの世界の住人たちは無限に供給される獲物を虎視眈々と狙っているのである。

ここまでだいぶ長くなってしまったが、この世界での本当の物語はここからである。私は一度も蒼のことを主人公とは言っていないのでこうなると予想した人も多いと思う。心配しないでほしい次からは正真正銘、主人公の登場である。さて、この世界に転生してきた他の者たちや、この世界の住人達のおぞましいストーリーが幕を上げる。この世界についてもさらにいろいろなことが判明していくだろう。


おやおや、主人公が転生されてきたようだ。彼に幸あれ。






ここまで読んでくださってありがとうございます。テキトーな思い付きで、テキトーに書きました。

一応書きたいところまでは書くつもりです。(モチベがあれば)

随分と長い一話になってしまいましたが、まあプロローグと考えてください。

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