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多分……、宇宙もの……。  作者: わだつみ
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84 きっと世界は俺に笑いかけてくれる

 内火艇を収容後、ISSの周回軌道高度である約400kmから、総旗艦フラデツ・クラーロヴェーは高度約100kmまで降下している。NASAと日本の記者会見放送を見る為だ。ISSの高度でも電波が届くのだが、宇宙へ向けて発信している電波ではないのでややノイズが多い、なのでクリアに見える高度まで降下してきた。


 現在は日本時間で午前11時になるところ、テキサスのジョンソン宇宙センターは午後10時ぐらいか。夜に記者会見とは関係者は大変だが、最短時間で救出が出来るように計画を立てたら、この時間になってしまった。嫌がらせでなく、ただの偶然だから許して欲しい。


 NASAの記者会見後、直ぐに日本も記者会見をするとの事なので、それを見てから高天原に戻るつもりだ。因みに、この情報は、勝手に天元突破したハッタがどこからか探り当ててきた。

 人様の情報を好き放題覗いてはいけません。と以前に注意したのだが、耽美関係を黙認した事と役に立つ情報を持ってくるので強く言えなくなってしまっている。


 そんな益体(やくたい)のない事を考えているとハッタが、NASAの記者会見が始まったと伝えてきた。


 流石はアメリカの機関と言うべきか、NASA記者会見は事実を隠すこと無く順序立てて全てを伝え、不明なものはサッパリ分からん!と言い切った。

 その後の記者の質問で、『地球外知的生命体だと思うか?』との質問に『それ以外考えられない』とはっきり答え、記者達からどよめきが起こったのが印象的だった。

 まぁ〜、3分の1正解してるよね。正解は、地球人とアスピヴァーラ人にAiだからね。


 それからも質問は続き、『スペースコロニーに日本の関与があるか? 』とか『スペースコロニーの調査をするのか? 』などの質問に『その質問は、NASAにするのでなく政府にするべきだ』との質疑応答で記者会見は終わった。


「最後の質問の調査員を送るのかって質問に政府に聞けって言ってたけど、目が『オレはヤルぜ』って言っていたな」


「そうですね。もっとも空騒ぎで終わりますけどね。プークスクス」


 今後の計画では、短期間に怒涛の展開を迎える事になる。しかし、そのイベントは日本限定でアメリカは参加出来ない。よってNASAの意気込みは空回りで終わる事が確定している。


 だからハッタは、それはとても嬉しそうに嗤う。


 そんな俺達の思いをよそにNASAの会見は、あまり内容的に充実していないにも関わらず盛り上がって終了した。



 そろそろ昼食に良い時間となったので、朝のうちに作り置きしておいた『鰯の塩焼きドッグ』を食べながら日本の会見が始まるのを待っていた。

 この『鰯の塩焼きドッグ』だが、ホットドッグのソーセージの代わりに鰯の塩焼きが挟んであるもので、ドイツのマンハイムへ行った時に移動販売車で売っているのを買って食べたのが最初だ。

 物は試しと食べてみると案外いけてちょっとびっくり、更に地元のビール会社アイヒバウムのヘーフェヴァイツェンを飲んで最高!って叫んでいた。

 それで日本帰国後に、真似をしたのだがあの味にならず、ただの塩焼きではなく塩漬けにしたりした。それでも、なかなかうまく出来ず試行錯誤の結果、鰯の塩漬け具合を調整し納得の味を作り出す事に成功した。

 本場の『鰯の塩焼きドッグ』は鰯とレタスだけだったが、俺はピクルスとトマトを追加したデラックスバージョンを好む。

 エルフ達も気に入ったようで、大量に作った『鰯の塩焼きドッグ』を食い尽くす勢いで……、いや確実に食べ尽くすな。とにかくバクバク食べている。


 相変わらずエルフ達の様子が変だが、取り敢えず食欲はいつも通りにあるみたいだから放置を継続中。


「マスター、始まるみたいですよ」


 ハッタの声にメインスクリーンを見ると官房長官の……誰だっけ?名は忘れたが、髪の毛を一九(いちきゅう)分けした官房長官が日本国旗に一礼して壇上に上がった。


『えー、先ず私の個人的な思いからなのですが、官房長官の任に着いた時にはこの様な発表をするとは露程にも思っておりませんでした。

 この思いは、私個人だけでなく多くの方々に共有してもらえると思っております。それ程、今回の件は衝撃的であり、ある種の転換点となると思っております。

では、先ず事の経緯からご説明始めます』


 先ずは個人的な感想を口にして共感を引き起こす、この辺りは熟練の政治家だなマスコミの扱いが上手い。不明な事が多い現状で、分かりませんを連発すると『答えられない事情があるですか?逃げるんですか』と絡むマスコミもいそうだしね。



『以上が、今回の件のあらましです。そこで政府の見解としては、補給船を救助してくれたUFOは地球外知的生命体の可能性が高いとの認識をアメリカと共有するものであり、また月の裏にある巨大建築物、所謂スペースコロニーらしき物につきましても現在の国力・科学力で秘密裏に建築出来る国家は存在せず、地球外知的生命体による建築物との認識を共有しております』


 う〜ん、当たり前といえば当たり前なのだが、新しい情報は無い。強いて言えば、『地球のどの国の物でもないよ』と公式に認めたぐらいだな。

 まぁ、後は記者がどれぐらい突っ込んだ質問が出来るかが焦点だな。でなければ、見どころの無いまま終わる事になるんじゃないかな。と思っていると直ぐに質疑応答が始まった。



『地球外生命体との認識しているとの事ですが、友好的であるかどうかについてはどのような認識なのでしょうか? 』

 おお、NASAの記者会見では出なかった質問だ。もしかしたらアメリカは、ナチュラルに侵略者だと決めて行動しているのかな。映画やテレビドラマも侵略者や逃亡者ばかりだものね。ああ、そう言えばETは迷子だっけ? いや、違ったけ?


『恐らくですが、我々に対して友好的であるのではないかと推測しています。勿論確信が有る訳ではありませんが、映像にも映っていたようにUFOが透明化する技術を持ちながら姿を現して救助してくれました。

 UFOが透明化出来るのであれば、スペースコロニーも透明化出来る可能性が有り、透明化していれば補給船には気付かれなかったはずです。もしも、スペースコロニーか透明化出来ないのであれば、透明化したUFOから何かしらの攻撃を補給船にすれば存在は隠せるのです。たとえ補給船が爆散していても我々は、それが事故によるものと判断したでしょうからね』


「日本政府は、なかなかに論理的思考で結論を出しているみたいですね。想定問答集を作成してシュミレーションをしているのでしょうが、まるで真実の如くに堂々と話しています。この官房長官もやりますね」

 いきなりハッタの高評価だ。このまま進んで行ってほしい物だが、どうだろうね。


『所謂スペースコロニーの調査は実施するのでしようか? 今の話ですと調査を実施すると、返って地球外知的生命体に敵愾心をもたれるのではないでしょうか? 』


『現在、調査隊の派遣については検討中ですが、実際に調査隊を送るにしても月の裏側へ送る訳ですから準備期間が相当かかると思われます。しかし、今回の補給船救助により我々に姿を現した訳ですから、その前に地球外知的生命体からの何かしらのアプローチがあるのではないかと思われます』


 ふむ、確かに僅かな時間で論理的な結論を導いている。政府の予想通り俺達は、近いうちに接触を試みる予定た。



「ハッタ、そう言えば連合の使節団はもう出発したのか? 」

 ここで俺は、肝心な事を思い出したので確認してみた。だって連合抜きで俺達だけが、政府と接触すると、政治家や自分達の正義を信じて疑わないヤツラの貪欲な要求に少数で対抗しなくちゃならなくなるからね。それはメンドクサイ。


「人員の選定で揉めているそうで、未だ出発していないそうです。でも、地球時間の明後日には必ず出発するそうですから計画に遅延は無さそうですよ」


「そうかそれなら良いが、選定で揉めるって誰も来たがらなかったのかな」


「いいえ、逆です。立候補者が多すぎて困っていたそうです。なにせオティーリエ王女終焉の地ですから、一種の伝説の地となっていますからね」


そうなんだ……。半分観光気分なのかな?


「立候補者の大半は、半分観光気分なのでしょうね」


 側にエルフ達が居るので、口にするのを憚った事をズバット言いやがった。チラリと横目でエルフ達を見るが、様子に変わりは無い、相変わらず朝のまま変だ。ならいっか。


「総勢で500人近い立候補が合ったそうなのですが、絞りに絞って30人から40人ぐらいに納めるそうですよ」


 そうなんだ、なら連合の事は心配無用だな。と記者会見から意識を外していると、俺達にしてみれば的外れで滑稽な質問が飛んだ。


『もしも地球外知的生命体が、侵略をしてきた場合の対策は考えているのでしようか? 』


『その場合は、科学力などを推測しても一国での対応は極めて難しいと言わざるおえません。恐らくは全世界の力を合わせて対処する事ととなります』


『その場合、集団自衛権を否定している憲法九条に違反する事となりませんか? 』


『勿論議論は必要ですが、憲法九条は地球外知的生命体を対象とし制定されておりませんから、自衛隊が参加することに問題は無いと考えます』


「この記者は我々が侵略した場合と言いながらも、昨今の憲法改正に論議にケチをつけるのが目的で憲法違反と言い出したのでしょうね。なんなら希望通りに『ワレワレは宇宙人だ! ワレワレに降伏せよ! 』との声明を出してみましょうか。案外あっさりと憲法改正するかもしれませんよ」


「シャレにならん。絶対にするなよ」


 連合基準でなくとも集団自衛権を否定している憲法が、現実的で無く有事の際に足を引っ張るのは明白だが、憲法改正の為に侵略者を名乗ると後始末が大変になる。それにしても『ワレワレは……』の音声を扇風機に向けて話した声みたいにするのは相変わらず芸が細かい。


「よく判りました。するなよ! するなよ! ですね! 」


「違うから! 前フリじゃないから! マジですんなよ! 」


「ヘーーーイ」


何がヘーイだよ。ハッタのヤツ、何をするか判らんな。ちゃんと監視して於こう。



 更に質疑応答は進み、東々新聞の女性記者が質問をしているの見ているのだが……、


「この記者、もう五分ぐらい話してねェーか。しかも、質問じゃなくて自分の意見を言ってるだけだろ。ジェンダーレスの事を聞きたいんなら、さっさと言えばいいのに」


「マスター、あの記者は既に5分49秒演説をしていますよ。恐らくですが、質問と演説の違いを理解出来ないのでしょう」

 ハッタが、両手を広げヤレヤレとポーズを取りながら辛辣な事を云うが俺も同じ気持ちだよ。もう見るの止めて、高天原に帰ろうかな。


『ですので、今回救助された補給船のクルーに女性が選出されていないのは、ジェンダー平等の上で問題なのではないでしょうか? 』


『今回は、選ばれなかっただけです』


 五分どころか六分も演説の結果した質問に、慣れたカンジに秒で答える官房長官。きっと、毎回メンドクサイんだろうね。ああ、思い出したこの人の名は菅田(すがた)官房長官だ。



「もう良いな。これ以上聞いても意味無さそうだ。高天原へ帰還しよう」


「そうですね。NASAは野心アリアリでしたが、日本政府は割と冷静な判断が出来ているみたいです。それが判っただけでもヨシとしましょう」


 俺とハッタが同意したのでエルフ達に視線を送ったのだが、エルフ達は軽く頷くだけだった。



 高天原の無駄に大きな館の風呂は、やはり無駄に大きい。どっかのホテルか旅館かってぐらい大きく20人ぐらい余裕で入れる。しかも内風呂だけでなく10人位入れる露天風呂まである。何を隠そう、露天風呂は俺のリクエストだ。

 鉱物採取後の岩石を綺麗に磨き、ゆったりと背を預けられるように配置してある。しかも、オープンタイプのスペースコロニーである高天原の外部採光部が頭上に見えるようにしてあるので星々が良く見える。

 ただ高天原は、遠心力で重力を得る為に自転している。そのスピードが思ったより早くて採光部から見える星々が尾を引いて一瞬で通り過ぎるので、まるでカメラのシャッターをバブルにして撮影した星が流れている写真を見ているみたいだ。


 そんな事を考えていると、内風呂からのドアが開く音がした。でも、そちらに視線を向けたりしない。

 高天原に住んでいて風呂に入るのは四人しかいない。エルフの誰かが入って来たのだろう。入浴中なのだから全裸なのだが、遺伝子提供協力で散々見ているので隅々まで知っている。今更、子供の頃の様にチラ身なんてしませんよ。


 足音が近づいてきて、湯に浸かり流れ星を見上げている俺の頭辺りで止まった。エルフ達が、三人全裸で立っていた。勿論俺は、子供の頃の様にガン見した。

 いや、なかなか三人揃った姿は見ないからね。金銀茶が揃うと、とっても壮観です。


 エルフ達は、ガン見している俺と目が合ったが何も言わずに湯に浸かってくる。そして、そのまま皆が無言で湯に浸かっている。

 何か言いたい事が有って態々露天風呂に来たんだと思うんだが、三人とも口を開かない。言い出しづらい事なのかな?

 ふー、仕方ないヤツラだな。朝からエルフ達の態度が変だと気が付いていない思っているのかな。


「何か話が有って来たんじゃないのか? 」

 仕方なく俺の方から話を振ると、三人はお互いの目線を交わし頷いた。そして、クリスティーナが、やや重い口調で話し始めた。


「我々連合は、拓留に無茶な要求をしているのではないか? 」


「無茶? 」


「我々連合は、拓留の言動にオティーリエ王女の面影を見た。

 モルダヴィア帝国工作艦ムレシュの乗組員の敬意のある遺体回収。アスピヴァーラの訓練艦ラハティ救助と修復。そして、ンジェグ海賊艦隊戦での戦いで数万の同朋を救ってくれたのに謙虚な姿勢を崩さず過大な要求はしない。

 そんな拓留だから、そんな拓留の故郷だから日本との接触を連合は決めた」


 クリスティーナが、そこまで言って一端口を閉じた。連合が俺の事を過大評価しているのは、肌でヒシヒシと感じている。だが否定しても謙遜しているととられて、益々評価が上がるので否定は止めた。だけとクリスティーナ。『無茶』の説明になっていないよ。


「だが、我々も地球調査団の報告書を読んだ。はっきり言わせて貰うが、地球人類に未来は無い。

 先進国と呼ばれる国は、己の利益を貪欲に求める事を隠しもしない。発展途上国は、植民地時代に民族・部族・宗教を無視されて支配され、その遺恨が現在の紛争に繋がっているのは事実だが、目先の利益だけを求めて混乱と貧困から抜け出す為の決断をしない。

 その結果が、今日の騒乱状態を引き起こしている。今現在、最終戦争が勃発し文明が崩壊していないのは奇跡だ。

 そんな事は、地球人類である拓留は承知の事だろう。そんな拓留に我々連合は、過大な期待をかけ、日本国との仲介、しいては地球統一政府成立の足掛かりを作るという無茶な要求をしているのではないか? 」


 成程、俺はなんとかなるさと根拠も無く思っていたが、第三者の視点から地球を観察すると絶滅危惧種なのね。

 ああ、そう言えば調査団団長も『地球人類に連合と共にする未来が有るのか疑問』って言っていたもんな。って事は、地球人類は結構ヤバイって事だよね。


 俺が今更ながら厳しすぎる現実を認識していると、今度はエルヴィが口を開く。


「昨日の拓留の燥いでいる様子が、いつもの拓留らしくなくて。無理して……、現実逃避の為に無理して燥いでいるように見えたんです」


 な・なんと! 俺の吹っ切れた様子が変だと思っていたのね。だから、今日一日エルフ達は心配してくれていたのね。


「我々から見れば日本の政党は、誰も彼も醜態を晒しているにしか見えん。しかし連合本会議は、自由汚職党との連携を選択するだろう。

 それは自由汚職党の金権政治を認めた訳でなく、ただ単純に我々連合の目指す未来を作れそうな政党が現在は自由汚職党しかないからだ。

 犬々皆眠党は、民主共和制の理念を歪めて都合良く利用している。でなければ、あんな民主共和制の理念を無視した自由汚職党などと連携などしない。

 我々連合は、基本内政干渉はしない。内政干渉をする時は、他国から内政干渉をされるか連合市民の自由と尊厳を犯された時のみだ。

 それは国家の責務として、国民の生命と財産を守る為だ。そして責務を果たすために対外的に必要不可欠なのは、外交交渉と軍事力だ。

 民主国家として、他国が軍事行動に類する行動を取らない限りいきなり軍事力を行使などしない。また、交渉など鼻にもかけない国家には抑止力として軍事力が必要となる。そして交渉が通じない国家は、この銀河に地球に実在する。

 しかし犬々皆眠党・日本凶声党・社会皆眠党・一太郎などは、周辺国家が軍備拡大をして他国に軍事圧力をかけたり侵略している情勢など無視して軍事力強化に反対している。それは、国家の安全保障を弱体化させようとしていると云う事だ。国家の責務を放棄する政党など、我々連合は国政政党として認めるもので無い」


 む・むちゃくちゃ厳しい意見を脳筋のクリスティーナから頂きました。君、そう言えばエリートだもんね。政治にも詳しいか。

 クリスティーナのまともな話は、とっても耳が痛い。でも、クリスティーナの話はまだまだ続く。


「四党と協力関係を築かない……、いや四党を無視する我々連合の政策姿勢は、必ずアヤツラ四党とその支持者、そして報道各社の反発を引き起こすだろう。しかし我々連合は、政策を変えることは無い。変えれば、最終戦争勃発の切っ掛けになる恐れがあるからだ。

 だが、我々連合の思いなどアヤツラには理解不可能だろう。いや、まともに聞く事すら無く、我々連合の言葉の表面だけをとって反発の言葉を返すだろう。そして最後には、我々連合がアヤツラの主張など取り入れない事を知り、その結果アヤツラの悪意は拓留に向かうのではないかと危惧している。

 現在ですらホザイッターXとかいうSNSでは、自らの支持する政党に有利な世論を作る為に平気で事実改変や過去改変を行う言論がみられる。そして、そういった者達ほど反戦・反差別・平等・自由・博愛を訴えながら他者を平気で貶める言動を激しく執拗に繰り返す、自由には責任が伴う事を理解出来ない者達だ。

その結果、未熟な世論が動かされ拓留が公共の敵(パブリックエネミー)にされてしまうのではないかと危惧しているのだ」


 クリスティーナの言葉は、一つ一つ納得のいく言葉だ。


 最近また福島原発事故時の元首相が、原発事故を最小限に留めたや当時の自汚党総裁や元総理が邪魔をしたなど何度目か判らないデマがホザイッターXに流れている。当時の皆眠党政府が、電力会社の事故対応を邪魔をしたとの公式調査報告が国会に提出されているのに。100回言えば、真実になるとでも思っているのだろうか。

 確かに、そんなデマが事実として認知されるようでは未熟な世論といわれても仕方ないだろう。でも、そこまで日本国民馬鹿じゃないよね。信じてるよ。


「日本国内だけではありません。今後日本以外の国家とは交渉を持たないので、技術提供などで差を付けられる事になります。それを不満に思う諸外国も地球人類全体の世論操作を行うでしょう。

 そんな事をしても我々連合は揺るぎませんが、拓留にとっては有効的な心理攻撃だと認めます。それでも拓留の事ですから、上手く躱すでしょう。

 ですが、その結果は、拓留が地球人類の……、世界の敵にされてしまい居場所を失うのではないかとも危惧しています」


 クリスティーナの後を継いだエルヴィの話では、日本国内の公共の敵に止まらずに世界の敵にまでなるようだ。そして、地球から追い出されると……。

 そりゃ、危惧って言葉が三回も出るはずだ。だけど……。


「三人が俺の心思ってくれているのは良く判った。心配してくれてありがとう。だけど、そんなに心配はいらないよ。

 確かにクリスティーナの言う通りに、自由には責任を負う必要がある事を理解していない者達も多い。だけど我ら幼い人類を、連合が放つ現実が目覚めさせてくれるのではないかと期待している。

 日本国内限定の話だけど他者を罵る声は大きく何度も繰り返すが、その声に拒否感を示す国民も多い。少なくとも俺の知人には、他者を根拠無く貶める言動を取る者は居ない。

 そんな人達は、声を上げたりしても穏やかに冷静に語りかけるからあまり目立たないかもしれない。だけど確実に、良心に恥じ入る事をしない人達がいる。そんな人達は、自らの思想信条を絶対に正しいと信じて疑わない者達とは違う。そんな人達が、一人でも居る限り俺は大丈夫だ。

 時間が掛るかもしれないが、きっと世界は俺に笑いかけてくれる」


 エルフ達は、俺の言葉を真剣に聞いてくれたが何の反応も示さない。何、寝言を言っているんだとでも思っているのかな。そんな中、最初に口を開いたのはヴィーヴィだった。


「拓留が大丈夫というなら、大丈夫なんだぜ。拓留は、こういう事で嘘を言わないんだぜ」


「ふうー、確かに何ら確証の無い言葉ですが拓留が大丈夫と言うなら、そうなのでしょうね。でも無理はしないで下さい」

 大きな溜息を一つ吐いた後でのエルヴィの言葉。でも、まだ二人とも心配しているようだ。そして、俺から視線を逸らさないクリスティーナを見詰めると、少し息を飲んだ。


「拓留が言うなら信じよう。だが、これだけは覚えていてくれ。

アスピヴァーラは、同朋を救ってくれた恩はけっして忘れない。

アスピヴァーラは、同朋を守る為に共に戦ってくれた戦友をけっして見捨てたりしない。

アスピヴァーラは、拓留がどのような状況にあろうとも常に共にある。

これは、アスピヴァーラがアスピヴァーラである為の誓約なのだ。信じて欲しい」


「ああ、ありがとう……。勿論信じるよ。これ以上ない言葉だ……」

 クリスティーナの言葉は、俺の胸にくるものがある。俺の心の中の柔らかく大切なのもを優しく包まれた気がする。

 アスピヴァーラを信じられなくなった時は、俺は人として終わっているだろう。そんな日が来ないようにしないとな。でないと、三人の思いが無駄になる。



そんなこんなで俺は、燥ぎ過ぎた昨日を少し後悔した。


前章の取り止めになったタイトルも本章のタイトルも三年前に決定していたものでした。

本章は、タイトルを変えなければいけない出来事がなくてほっとしています。


思えば三年の間だに色々ありましたね。

もと総理はご存命だったし、ウクライナで戦争はなかったしね。


僕のネタも三年前に決めたモノなので使えなくなるかもと心配しています。

例えば「やっちゃえ、ニッサン」のフレーズを使いたいのですが、使うのはコノペースだと来年かな。ニッサン、それまで大丈夫だよね。信じているよ、僕のネタの為にも頑張ってね。

まぁ、「ガイドビーコンをだすなー」を使えたのでニッサンネタはやや満足しているんですがね。

えっ、ニッサンからシーマって車が販売されていたのを知らない人がいるって。そんな人いねぇーよな!



お知らせなのですが、年度末が近いせいか仕事が忙しくなっております。予告なしで公開が二週間に一度になる可能性がでましたので、公開されなければ「ああ、原稿落としたのね」と思って下さい。


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― 新着の感想 ―
アヤツラを全てとっ捕まえて無人惑星に送り込んだらどんな社会を形成するか見てみたい
ようつべ配信からですね(笑) とりま、王女殿下の冒険ファンタジー作品を作りましょうッ! AI長編ドラマ化配信決定(笑) 地球人類、国家への連合の評価もランキング配信しちゃいましょうッ!
現代の地球全体の人類としては、絶滅する危険が高いのは確かに…… 地球外生命との接触で、変化が起こる可能性はありますけど、(この作品でターゲットとなる)日本単体も微妙ではありますね 目立たないけど、ま…
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