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多分……、宇宙もの……。  作者: わだつみ
23/94

23.JK.JK.JK。ワレ楽園ニ到達セリ。

 太陽が、島々多い瀬戸内の海に沈む頃、俺と3JKは、そのままビーチでバーベキューをしていた。夕焼けを見ながらの、楽しい食事。夏の良い思い出になっただろう……。つい、数分前までは……。



 今の状況を説明する前に、少々俺の他愛のない話に付き合って欲しい。たいして時間はかからないから。


 米国に『アル・パチーノ』という名優がいる。彼が主演した『センス・オブ・ウーマン』という映画の中で、ジャック・ダニエルというバーボンを手にした彼が『俺は、コイツ(ジャック・ダニエル)とは親友だから、ジャッキーと呼んでいるのさ』というアルコール依存症のようなセリフがある。

 何故か、そのセリフを気に入った俺は、ジャック・ダニエルをジャッキーと呼べるように何度も味わってみた。しかし、バーボンでもI.W.ハーパーとかワイルド・ターキーは好みだが、ジャック・ダニエルとは親友になれなかった。


 なので、ジャック・ダニエルに代わる物が無いかと色々試して見つけたのが、その名もエヴァン・ウイリアムズ。

 しかし、日本では人気が無いのか、あまり売っているのを見かけない。売っていても若い物ばかりで、俺のお気に入りの12年物やシングルバレルが無い。たまに酒屋で見つけると纏め買いし、エディーと呼んで一人チビチビと飲んでいる。

 今日も、ビーチでオンザロックと洒落込もうと一本開けた。開けただけで、俺は未だ一口も飲んでいない。なのにボトルは半分近くまで減っている。それは俺の目の前で、ぐでんぐでんに酔っぱらっている3JKが原因だ。


 一応弁明しておくが、俺は飲酒は禁じていた。大人に成ってからにしなさいと。

 しかし、俺がバーベキューコンロの火の番をしている間にジュースに混ぜて飲んでいたのだろう、俺は気付かなかった。そして、今の惨状が出来上がった。



恵莉は、

「だから、たっちゃん聞いてよ。お父さんが将来は公務員に成りなさいとしか言わないのよ。どう思う…………。何だっけ、そうそう、だから、たっちゃん聞いてよ。お父さんが将来は公務員に成りなさいとしか言わないのよ。どう思う…………。何だっけ、そうそう、だから、たっちゃん聞いてよ。お父さんが将来は公務員に成りなさいとしか言わないのよ。どう思う…………」

と、壊れたレコードの様にエンドレスで誰もいない空間に向かって愚痴を言っている。


心愛は、バーベキューで焼かなかった長ナスに頬ずりしながら、

「この色、この形、捗る」

と呟いている。

 うん、見なかった事にしよう。心愛の心の闇は、結構深いのかもしれない。安易に、触るなキケン!


そして美華は、

「私ね、可愛い花嫁さんに成るの。子供は三人、男の子一人に女の子二人。娘が大きくなったら、一緒にお菓子作の。息子が大きくなったら、一緒にスポーツを見に行くの。きっと幸せな家庭になるわ」

と、ビーチボール相手に切々と将来の明るい家族計画を説明している。


 サバトだ……。JK相手に、何故にこうなった。誰か、この場を収拾してはくれないだろうか。そんな人、いる訳ないか、仕方ない……。


 そう諦めのついた俺は、酔っ払い3JKを放置して、食材や飲み物を先ず片付けて館に運び、ついでに風呂の湯張りをセットし、ビーチに戻って皿やコップも片付け、火を落とし、浮き輪・ビーチボール・バナナボートをトロピカル小屋に突っ込む。


さて、最後はコイツ、酔っ払い3JKだけだ。



「お湯を張っているから、お風呂に入りなさい。んで、アルコールを抜きなさい」


「「やだー、めんどくさい。」」

素直じゃない2JKが文句をいうが、


「髪はバサバサ、肌はガサガサになって、女子力落ちるぞ」


「「「入る」」」

うん、みな欲望に素直で宜しい。すると……。

「たっちゃん、おんぶ」

と、背中に乗ってくるJKが一人。これ、恵莉でないです。心愛です。いつの間にか俺の事を、たっちゃんと呼ぶようになってました。

おお、背中にあたる感触がええなぁー。と思っていると……。

「ごめんなさい、私も……」

と美華が、心愛を背負う為に後ろに回している俺の腕に手を絡め寄りかかってくる。そして……。

「私も……」

恵莉も反対側の腕に手を回し、寄りかかってくる。


 君達、酒飲み過ぎだよ。見て無かった俺も悪いけど、適当なところで飲むの止めなさいよ。

ビキニ姿の3JKに密着されているのにも拘らず、酔っ払いを館まで連れて行く事に全力を傾けた俺は、3JKの柔肌を感じる暇など無かったとさ。



「温めにしてあるから、ゆっくりとお湯に浸かりなさい」

3JKを浴室に放流し、立ち去ろうとすると、


「「やだ、たっちゃん、一緒に入ろ」」

酔っぱらって幼児化した、2JKが俺の手を離さない。


「嫌じゃなかったら、このまま水着着て一緒に入りませんか」

少し酔いがさめたのかな、しっかりとした口調で美華も誘ってくる。が、立ち姿は、左右に揺れている。

 うん、仕方ないよね、三人とも酔っぱらっているし、このまま放置して事故があるといけないしね。


 そして、免罪符を手にした俺は……、

「はい、喜んで!」

とばかりに勇んで突入したが、酔っ払い相手に色っぽい展開になるはずも無く、ビキニ姿の3JKを順番に洗ってやるだけだった。

あっ、勿論、アンタチャブルな場所は、自分達で洗わせたけどね。


そして、酔っ払い3JKを浴槽に放り込んで自分の体を洗い、漸く湯船に浸かった。ふぅ、一人で入ったほうが、楽だったなこりゃ。


「たっちゃん、証明消して良い?」


俺が返事をする前に、心愛が浴室の証明を消す。するとオーシャンビューから見える光景は、満月の光に輝く海だった。


「「「きれー」」」


「おおー、いいね」


俺も3JKも、穏やかで神秘的でもある夜の海に見とれている。すると、こんな場面でも、欲望に忠実で我慢出来ないJKが一人。


 今、俺達は、海の方向を向いて、少しづつ間を空けて湯に浸かっている。そこへ、心愛がすっと俺に密着するように左側から寄ってきて、胸を押し付けるように腕を絡ませてきた。


「たっちゃんって、結婚はしないの」

視界の隅で美華がピクっと動くのが見える。恵莉は、そのままのんびりと夜空を眺めている。


「良い人とご縁があればね」


「ほら、良い縁がここにあるじゃない」

と胸をグリグリ押し付けてくる。『うっほ、本物のJKやー』と鼻の下を伸ばしていると、右側にも柔らかな膨らみの感触が纏わりつく。


「わ、私も、良縁が側にあると思います」

美華である。そうとうに頑張っているのだろう、顔が赤い。いや、湯あたりか?


「おっ、美華ちゃんがキター! 強敵だな。ならば、美華ちゃんか゛本妻で私が愛人でどう?」

 なんとも夢に満ち溢れる素敵な提案が、JKからされた。

 きっと、この場に恵莉がいなかったら、たとえ心愛がノリで言ったとしてもオッケイと答え、言質をとったと言い張り、不適切な関係に突入しただろう。しかし、この場にいる以上答えは一つ……。


「乙女が、愛人しろなんて言うもんじゃありません。先ずは、同年代との恋愛を経験しなさい。大体、俺のような親と同世代の男の何が良いの?」


「だって、お金持ってるでしょ」

間髪入れずに答えた心愛の目は、きっとハイライトが無く、冷静な瞳だったろう。証明が消えて、瞳が見えなくて良かったよ。何だか、本当に触れてはいけない闇がありそうで怖いんだけど。心愛の人生に何があったの? 


そんな時、俺にとっての救い主が現れた。恵莉である。

恵莉は、口をパクパクして心愛の言葉を否定しようとしていた美華を気にも留めず、俺の膝の上に座り込み背中を俺の胸に預けた。



「たっちゃんに、抱っこしてもらうの久しぶりだね」


「そうだな、中一の時が最後か」

 ああ、そうだったな。恵莉が中一の正月に帰省した俺の膝の上に乗り『叔父様、お年玉頂戴』と言ったのが最後か。あの後、恵莉が義姉に怒られて無くなったイベントだ。


 恵莉の乱入で、心愛と美華が気勢が削がれたのか静かになった。うん、もう今晩は、静かな夜が良い。このまま、ゆっくりと静かに夜の海を眺めよう。なんて事を考えていたら、はっと、気付いた。

 俺の膝の上に姪だがJK。右手にも、左手にも手を絡ませるJK。ここは、JKの楽園か! そうだ、きっとここはエデンの北東だ!


しかし、何故に心愛と美華が、積極的に俺とコミニケーションをとろうとするのか謎だ。しかも、ちょいやり過ぎなほど。

 俺が、二十歳前後なら判る。だが、俺は彼女達の親の世代に近く、アプローチされる要素が全くない。そうなると、やっぱアレかな……。金?



そんなこんなで俺は、JK楽園を満喫したが、JKに恐れもした。

北東は、鬼門の方角、邪気の通り道……。


JK回を書いてたら、楽しなって3話も書いてしまったよ。


次回はハッタが、猛烈にリスペクトしてたら突然インスパイヤしたので、誠心誠意オマージュします。

なんのこちゃ?

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