episode.7 班決め
「今から修学旅行の班を決めてもらう。」
教室がその言葉を聞いて騒ぎ出す。
「どこに行くんですか?」
「先生何人グループですか?」
「旅行先って混浴ですか?」
あちらこちらと質問が飛び交う。なんか一つ良くわからんのがあった気がするが。
「まあ落ち着け。順番に説明するから。」
教室が静かになる。
「まず、今年のいくところは、北海道だ。」
希望ヶ丘高校は、毎年行くところが違う。そして生徒にはギリギリまで知らさられないってわけだ。
「班は4人か5人で作ってもらい、もちろん温泉はあるが、混浴などではない。
それじゃ今から班を作ってもらう。15分くらいで頼む。」
みんな一斉に机から立ち上がり、あらよあらよとグループが完成していく。
「ねぇ。飛雄くん。私たちのグループはいらない?」
ふと声をかけられた。
「私たちのところ、飛雄くん以外女子だけど、飛雄くんねら大歓迎だから。」
「悪い。俺さ修学旅行行くか分かんないから遠慮しとく。ありがとな。誘ってくれて。」
女子は納得したようにしてくれた。
ふと視線が感じそちらを見た目返す。バッチリ目があってそらされた。
「誘われたからって鼻の下伸ばしちゃってさ」
「はぁ伸ばしてねぇよ。って七海は班作んないのか?
もうほとんどできちまってんぞ。」
「「しょうがないわね。あんたがどうしてもって言うなら一緒でもいいわよ。
「はぁ?俺はなんも言ってないし、俺は行くかも分かんないだぞ。」
「行くにしろ、行かないにしろいまはどっちにしろ決めなくちゃダメでしょ。」
ななみの言う通りだ。別にいかないって決めてるならいいが、まだいくかもしれないのにグループを作らなかったらおれはぼっちになってしまう。
「分かったよ。じゃあ頼む。」
俺がそう言うと、七海はどこか嬉しそうに微笑んだ。
そこに聡太も加わり3人になったんだが、一人足りない。
「あの子でも誘ってみるか。」
前の方を見ると、まだグループを作ってなさそうな女の子がいた。
「ねぇ、天童さん。俺たちのグループに入らない?」
「私入っていいんですか?」
「もちろんだよ。」
「じゃあよろしくです。」
どこか恥ずかしそうにしながら言葉を返してくれた。きっと人見知りなんだなと思う。
10分くらい経つともうすでにグループができていた。
「よし。それじゃあグループ完成した班は席に一旦着いてくれ。」
俺は先ほどグループに誘ってくれた女の子たちに、
お礼と、もし俺が行くことになったらどこかに一緒に回ることを約束して席に戻った。
「バカ。」
席に戻ると同時に、隣の七海からそう言われた。
俺は言い返そうとしたが、先生の声によって塞がれたのであった。
家に帰ってくると、俺は修学旅行のことで考えていた。
「どうすっかな。」
「お兄ちゃんどうしたの?」
独り言のように呟いたせいか、明里に聞こえてたようだ。
「今年の修学旅行のことだよ。」
去年、俺は修学旅行にいった。それは両親が生きていたからだ。だが今年は違う。
「お兄ちゃん。私たちのことは心配しなくていいからいっておいでよ。」
「「にぃにに会えないのは寂しいけど、我慢していい子で待ってる。」」
「分かった。行ってくるよ。ありがとう。」
俺はそう言って決意した。