episode.4 風邪2
翌日、俺はいつものように、アラームが鳴り、6時に目を覚ました。体をが動かない。
「はぁ〜」
風邪だ。昨日の空の風邪が移ってしまったようだ。だが俺は体を起こし、いつものように朝食を作っていると、明里が起きてきた。
「おはよ。お兄ちゃん。」
あくびをしながらそういうと近づいてくる。
「あ、おはよう明里。どうした?」
「お兄ちゃん、顔赤いけど平気?」
変に勘のいい明里に戸惑う。
「大丈夫だ。それよりもうすぐご飯できるから未来たちを起こしてきてくれ。」
そういうと、明里は少し不満そうに起こしに行きなんとか誤魔化すことができた。朝食終え、いつものように8時に家を出た。
「じゃあな空。まだ治ったばかりなんだからあまりはしゃぎすぎないようにな。」
空が先生の方に行くと入れ替わりに、俺は先生に呼ばれる。
「飛雄くん。空ちゃんが治ったのはいいけど次は飛雄が風邪を引いちゃったみたいね。」
俺の顔を見てそう言った。
「あ、いや、えっとはい。やっぱり先生にバレちゃいますよね。妹はごまかせたんだけな。」
いつものように態度でしようとするが、正直苦しい。
「大丈夫なの?本当に無理しちゃダメよ。」
そう言って俺は先生と別れ、明里と学校に向かった。
「飛雄平気?なんか体調悪そうだけど。」
2限目に入ったところで、隣の席で友人でもある七海に声をかけられた。
「なんか今日は、朝来た時から体調悪そうだったよね。先生に言ってあげるから早退しなよ。」
「あーそうする。」
俺も自分自身限界が近いと思ったので、言う通りにすることにした。一応、バイト先と明里には連絡を入れておいた。
「最近バイト休んでばかりで申し訳ないな。」
俺は帰りに1人で歩きながらそうつぶやいた。
なんとか家に到着すると、すぐさまベットに倒れうとうとしているうちに眠ってしまった。目が覚めた時には、日はすっかり沈んでいた。
「雄にぃ大丈夫?」
「「にぃに大丈夫?」」
目を開けると、未来と夢と叶が俺を見つめていた。
「にぃに死なないよね?」
「にぃに死んじゃやだよ。」
夢と叶は泣きながら俺の胸に飛び込んでくる。
「死なないよ。悪かったな。心配かけて。」
俺は夢と叶の頭を撫でてやりながら、未来に顔を向けた。
「未来もありがとな。」
「当然でしょ。大好きなんだから。」
大好きって言葉に少し動揺したが、まあ家族って意味だろう。
「そーいえば明里はどうした?」
「お姉なら空を迎えに行った後、夕飯の食材買って帰るって言ってたからそろそろ帰ってくると思うよ。」
「そうか。」
10分くらいが経ち、明里と空が帰ってきた。
「お兄ちゃん。体調大丈夫?おかゆでいい??」
帰ってくると真っ先に俺の部屋へやってきた。
「おかえり。あ、頼む。悪りぃな。迷惑かけて。」
「ううん。そんなことないよ。いつも私たちはお兄ちゃんにいっぱいしてもらってるからこんなことで迷惑なんて思うわけないよ。」
少し恥ずかしそうにそう言った。
「じゃあできたらまたくるね。」
「ああ」
お粥はすぐに完成して明里が持ってきた。
「お兄ちゃい。はい。あ〜ん。」
「いいよ。1人食えるから。」
「ダメ〜ほら口開けて。」
「あむ」
俺は観念して受けいれた。お粥を食べ終え体が温まってきた。
「じゃあお兄ちゃん。ゆっくりしてて。明日に早くなるといいね。」
「あーありがとな。」
そう言って明里は俺の部屋を後にした。翌日、俺は昨日早く休んだおかげか、5時に目が覚めた。
「よし。頭は痛くないし、体もだるくない。」
体調が良くなり、いい気持ちの朝だった。少し早いがいつも通り妹たちの朝ごはんをつくる。
「よし。完成だ。」
時間が少し早かったのがあったためまだ妹たちは寝ている。
「よし。起こしに行くか。」
そして、順番に起こして行って、少しずつリビングに集合した。
「お兄ちゃん。体調良くなって良かったね。」
「あーみんなのおかげさ。ありがとな。」
こうしてまた6人揃って家族で朝食をとるのであった。
「「「「「「いただきます。」」」」」」