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episode.3 風邪

俺は毎朝6時に起きる。両親がいたときは、ギリギリまで起きなかったが、いまは6時に起きて、妹たちの朝食が作るのが日課だ。


「おはよ〜お兄ちゃん」


「おはよう」


「何か手伝おうか?」


「じゃあ箸とかお皿の準備を頼む。それが終わったら未来たちを起こしてきてくれ。」


「わかった。」


明里は準備を終え、妹たちを起こしにいった。

改めて、明里にはいつも感謝してる。俺がいない間は家事や妹たちの世話は任せっきりだからな。

だから朝食ぐらいは俺がな。


「まぁ自己満なんだけどな」


俺は1人リビングでそうつぶやいた。


朝食を終え、みんないっしょに8時には家を出る。

俺と明里は空を幼稚園に送ってから学校に行く。


「空、きちんと先生の言うこと聞くんだぞ。」


「うん。バイバイ。にぃたん。ねぇたん。」


空は少し泣きそうだが、もう年長さんだから必死に耐えている。


「それじゃ先生お願いします。俺は今日バイトなので、帰りは明里が来ると思うので。」


「はい。お預かりしました。飛雄くんもあんまり無理しちゃダメだよ。」


「はい。」


先生は、俺たちの家庭事情のことを理解してくれている。あれほど仲がいいのもそれが理由だ。先生もまだ20前半なのにしっかりしている。


「お兄ちゃん。先生可愛いからって鼻の下伸ばしてたでしょ?」


頬を膨らませながら夢は俺の顔を睨んでいる。


「そんなことあるわけないだろ・・・」


「ふん。浮気者のお兄ちゃんなんて知らない。」


「浮気者って...」


そう言って夢は前にいた友達と行ってしまった。


3限目が終わり、携帯をみると電話がかかってきていた。知らない番号だからかけ直そうか迷っていると、また携帯が震えた。


「もしもし」


その電話はら幼稚園からだった。空が熱を出してしまったという電話だった。


「わかりました。すぐそちらに向かいます。」


俺は電話を切って、担任に理由を報告し、バイト先にも休みの連絡を入れ早退した。

慌てていたせいで忘れていたが、明里に連絡するのを忘れてしまった。まぁあとでもいいか。15分ほどで幼稚園には着いた。


「先生ご迷惑おかけしました。」


「今は少し落ち着いて、寝ているみたいだから安心して。」


先生は俺が焦っていたのかがわかったみたいで、リラックスさせてくれた。


「空ちゃんは、いいお兄ちゃんを持ったね。」


先生にいきなり言われて俺は照れてしまう。


「いえいえ、おれなんてまだまだで〜」


「そんなことないよ。きっと空ちゃんだけじゃない。

明里ちゃんも未来ちゃんも夢ちゃんも叶ちゃんも飛雄くんの大好きだとおもうよ。」 


「本当にご迷惑おかけしました。ありがとうございます。」


俺は恥ずかしくなったので、空をおんぶして幼稚園を後にした。家に着くと、冷えピタを貼って空をベットに寝かせた。俺もドタバタあって疲れたせいか、寝てしまった。


「あれ〜にぃたん。」


「起きたか。体調は大丈夫か?」


空の顔はまだ赤い。


「お兄ちゃん。ずっとそばにいるから。もう少し寝なさい。」


「うん。にぃたん。大好き。」


俺の腕に抱きつきながらそう言い、また眠りに落ちた。しばらくすると、明里が帰ってきて、事情を話すと納得してくれた。


「なんだ。良かった。お兄ちゃん心配したんだから。電話も出ないし、それに幼稚園に行ったら空が風邪で寝込んで、お兄ちゃん帰ったっていうし」


「ほんとにごめんな。」


明里は少し怒っているがすぐに機嫌を直してくれた。


「それで、空は平気なの?」


「ああ。今だいぶ落ち着いて眠っているところだ。」


「それなら良かった。じゃあ私夕飯作るからお兄ちゃんは空のことお願いね。」


「ああ」


空が目を覚ますと、顔色も良くなってもうすっかり元気になっていた。


「もう大丈夫か」


「うんにぃたんののおかげで元気になったよ」


空は笑顔で抱きついてきた。


「それは良かった。だが無理はするなよ。」


「うん。にぃたんだーい好き!」

そして久しぶりに夕食は家族揃って食べるであった。

「「「「「「いただきます」」」」」」



















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