episode.1 テスト勝負
「にぃに見て」
俺がバイトから帰ってくると,夢がテストの結果をせてきた。
「87点か。すごいな夢」
そう言って俺は、夢の頭を撫でてやる。
[えへへへへへ」
夢は顔真っ赤にして、嬉しそうに照れていた。
「あれ、叶はどうした?」
よくみるとリビングの隙間から顔を覗かせている。
目があうと、リビングに逃げていった。
「あのね、今日のね、夢と叶で勝負したの。勝った方がにぃににご褒美もらうって勝負。それで夢が87点で叶が83点だったから」
「なるほど。そうゆうことか。」
それだったら叶が逃げた理由が納得いく。
「そんで、夢は俺からなにがほしいんだ???」
夢は少し考えたと思ったら、すぐに顔上げた。
「夢ね、さっきにぃにが頭撫でてくれたのがとても嬉しかったの。だから・・・して」
最後の方は声が小さくなって聞き取れなかったが検討はつく。
「こんなことでいいならいつでもしてやるぞ。」
頭をもう一度撫でてやるとまた嬉しそう顔をあげた。」
「ありがとう。にぃに大好き!!!」
微笑みながら抱きついてきた。
リビングに入ると、叶がソファに座ってTVを見ていた。
「あ、お兄ちゃんおかえり。ご飯どーする?」
「ただいま。今日はバイト先で賄いが出たから、大丈夫。ありがとな。」
明里との話を終えると、叶の隣に座った。
「ただいま。」
「にぃにおかえり。」
返事はしてくれるが元気がない。
「テスト勝負したんだって?」
「うん。負けちゃった。」
負けたのがそんなに悔しかったのか泣いてしまった。
「次頑張れば勝てるさ。」
そう言って頭を撫でてやった。
「ありがとう。にぃに大好き。!!!」
そういうと、叶はいつもの元気な叶に戻った。