第6話 学校一の美少女と再会した
予想通り、俺と斎藤はあれから関わることはなかった。
もともと縁のない人物だったのだ。二日も連続で話したことの方が奇跡に近い。
2度話したからと言って関係性など変わらない。他人のまま。
ただ少しだけ変化があったとすれば、休み時間に廊下ですれ違ったときにペコリと会釈されるようになった程度だろうか。
たまに他クラスの教室で座っている彼女を見かける。
多くの女子に囲まれて人当たりよく接しているが、その中には男子はいない。
話しかけたところで冷たくされることが広まっているからだろう。
だが熱烈な視線や多少の下心を含んだ男の視線が彼女へと向いているのは、ちらりと見ただけでも分かった。
あんなに見られたら落ち着いた心地などしないだろうに。
優れた容姿は良いことなのだろうが、彼女の境遇を考えると大変そうだ、と人ごとながら心配してしまった。
何の因果か知らないが、あの斎藤から貰い物を受けるなんて出来事が起きたが、もともと住む世界が違うのだ。
俺と彼女が仲良くなる、そんな未来なんて起こりえない。
カースト上位の人間は同じカースト上位の人間と惹かれ合う。
自分でも地味で隠キャの自覚がある俺と、誰をも惹きつける美貌を持つ斎藤がどうこうなるなんてことはまずないのだ。
そう、関わること自体もないと思っていた。
「何の本を読んでいるんですか?」
それが覆されたのは、学校の図書館で趣味の本を読んでいる時だった。
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