その後、あるいはどこかの始まり。
誰が言ったか、誰が聞いたか。
この壮大な物語を終えたことを、知った人々は彼ら彼女らに二つ名をつけて。
呼んで称えた。
全天に轟く偉大なる討ち手『翼遊超気』
俺より強い奴に会いに行く精神で今日もどこかで遊んでる。
難局打ち砕く小さな賢者『歌峠鈴花』
冒険のしすぎで学校の成績が少し落ちたので勉強に励む。
初代エレメンタルマスター『治護遥和』
始まりの神社のホコリがやばいことになってた。
魔王を鎮める寛大な巫女『祈巫照礼』
神様に天に祖先に祈りを捧げながら今日もほんわか生きている。
原点にして頂点の自由の神様『ミュウ』
最果ての島に【同族】を見つけたのでそこの学校にお世話になり何気なく暮らしている。
ヒーローを束ねる伝説の不死鳥『レジェンドマン』
ミュウの育ての親として、仕事と家事と教育を両立している。
不幸を乗り越えし幸運の華『湘南桃花』
生真面目に生きることを辞め、楽隠居を始めた。それでも少年雑誌を読むのはやめられなかった。
4人にして1人前の立役者『オーバーリミッツ』
こちらも生真面目に生きることを辞める。桃花とはいつでもどこでもくっ付いて並んで歩く。
◆
「何? 宇宙の外側があった?」
「そうそう、この宇宙は私が作ったって言ったろ?」
「ん~……言ったっけ?」
「グエ! とにかく! この宇宙は私の家みたいなものなの! この宇宙に名前が無いの! 何か考えて!」
「じゃあもうエレメンタルマスターの世界とは言えないわけだ」
「そうなんだよ、外の奴らわしのゲーム機のこと知らないし~」
「この世界ってことは、あ! うちわかったワールドだろ! エレメンタルワールド!」
「おおーいいのー!」
「えー安直ー!」
外の世界から来た知らない少年の前にある、不思議なドアが開く。
「てわけで! 始めましてなのじゃ!」
「ようこそ!」
「エレメンタルワールドへ!」
END