ファイナルバトル~かくもか細い真なる1つの種~
翼遊超気とレジェンドマンとの戦いに、もはやミュウの時空間が【追いつけなかった】。
「何だこれ……私が……足手まといになってる。超気、レジェンドマン。お前らは何処まで強くなるんだ……」
今の今まで最強だったミュウがここに来て【始めて進化する】。
「うおぉおおおおお! レジェンドマン! 頑張れ! 私の全てを使ってくれー!」
流星。ミュウからとっておき、レジャンドマンに『魔具』がプレゼントされる。
「む、出し惜しみするのもアレだな。『魔具』を使うか……、行くぞ真のヒーロー。全力を出す心構えは充分か? 」
「オウ! 来い!」
法具が、魔具が、武具が。
暴風雨となって空中を上下左右前後に展開され。それらが無限の自由度を持ってサテライトレーザーのように攻撃してくる。
『真炎猫銃』
『水誇鳥杖』
『鬼土金貨』
『兎善風靴』
『光柱牙猿』
『危闇熊拳』
『理電犬刀』
『氷狼法矢』
『超人色帽子』
『花鏡餅鯉球』
『精霊結晶機』
『歯車蛸運』
『陸海空合成獣』
『月文愛鼠』
『蟻間冒輪』
『遅確歩筆』
『面変戦虫』
『0神種1(きすう)』
本来、万感の思いと対策を練って挑まねばならないものだろう。その中に込められた情報量は果てしないものだろう。しかし情報量は無限ではない、必ず突破口がある。
だが、それもものの数秒。
【マスターフォーム】プラス【合唱】プラス【星墓の英霊達】がプラスされている。翼遊超気の夏流空手は『これらを破壊し』新たな『世界を再構築』し『倍返し』した。
流石に焦ったミュウは「そんな! レジェンドマン!」と危ぶむ声を出したが。
「問題ない! 『二連続普通のパンチ』!」
その衝突により、1撃目で大爆発を引き起こしたが。2撃目で大縮小し空間は安定した。2連続とも大爆発だった場合空間が耐えきれず破壊されていたかもしれないが。そうはならなかった。
「ふむ、やはり己の拳の方が強いか」
「それは、うちも同じだ!」
再び己の型に構え直す。そこにはもう、理由や理屈や道理は無かった。
瞬間移動。~その拳と拳が乱舞する~。
「だりゃりゃりゃりゃだりゃりゃりゃりゃだりゃりゃりゃりゃうおりゃあぁああああああああぁあああああああああああ!」
「ぬおおぉおおうぬおおぉおおうぬおおぉおおううろおぉおおおろろろろっろろろろおおおぉおおおおおおおおおおおお!」
ドゴン! バゴン! ゴオン! ズガドーン!
時間も空間も多元宇宙も世界線もお構いなしで拳が乱舞した。
「ふむ、これ以上本気を出さないのは失礼だな。だから行くぞ! 死ぬなよ! 【本気のッッッパンチ!】」
そこに居る全員に『死』という文字が浮かんだ。
だが、超気は【恐れなかった】。
空中から両者が落ちる。落ちる。落ちる。
重力に支配され【彼の地~星空の境界線~】の中心点に落ちて二人がムクリと立ち上がる。
そして、超気は天に向かって手を伸ばす。余計な言葉や雑念は一切なく。あるのは【お前に勝てる】という根拠のない自信だった。
「まだ……まだ……まだ……まだ……ッ!」
「やはりその技か、なら! 気合……気合……気合……気合……!」
貯まりに貯まった【力】が右拳に凝縮されている。そして二人は距離をつめるために歩き出す。レジェンドマンが言う。
「言っておく、今から私はグーをだす!」
「おう! うちも今からグーをだす!」
お互い構える、そして、つかの間。その時が来る。
「スーパービックバンバーストッ!」
「スーパー本気のパンチッ!」
その時が来た。
それは線香花火のようだった。
蕾・牡丹・松葉・柳・散り菊。
燃えに……燃えに……燃えた……。
そして、エネルギーが消える直前。火花が分裂しなくなり、火球は落ちた。
レジェンドマンの
火球が落ちた。
超気の火球は残り、レジェンドマンはヒザをついた。
「はぁ、悪いな少年。子供たちの夢を守るため、倒れるわけにはいかんのだ」
「はぁ、いいよ」
「私の、負けだ。よく超えたぞ」
「ニイッ!」
ビーッ! とデジタル的なゲーム音が鳴り響く。そして誰もが待ちに待った神様から、その一言が宣言される。
『喜べ皆の衆! 創造神ゲームマスターミュウが宣言する! このゲーム『エレメンタルマスター』は本日この時をもって完全にクリアされた!』
【ゲームはクリアされました――。】




