魔女祭り92
「セシリア殿、お願いがあるのですが」
「何でしょうか?」
「姫殿下にお祓いの聖術をしてもらえないでしょうか?姫殿下は今宵あの魔物達の襲撃によって普通の人間ではありえない程の瘴気もしくは邪気をその小さな御身に受けられた可能性がありますので・・・勝手を言って申し訳ありませんが・・・」
エルヴィンが心苦しそうにセシリアに頼むと
「そんなにお気に病む事はございませんわ、エルヴィン様。私にできる事であれば何なりとお申し出してくださいませ」
「そう言っていただけると助かります。ありがとうございます」
セシリアはエルヴィンに微笑みながら答えると
「フィーネ」
「はい、こちらでございます」
セシリアはフィーネに伴なわれベアトリクスの側に立つと
「姫殿下様、お聞きになられていたと思いますが、エルヴィン様のご依頼で今から姫殿下様にお清めの魔法をお掛け致しますのでどうかお心を安んでいただくようお願い致します」
ベアトリクスはセシリアの言葉を聞いて、
(いいの、エルヴィン?)
というように、エルヴィンに視線を向けたので
「大丈夫ですよ、姫殿下様」
エルヴィンは安心させるように彼女に答える。
「セシリア、お願い」
「はい、では・・・」
セシリアは右手に持つ杖に意識を集中させる・・・
(主よ、しもべたる我に聖なる力を与え給え・・・)
「サンタ・プリツァ(聖なる清め)!!!」
セシリアの言葉と同時に神々しい光がベアトリクスの体を包み込む
(おお!!)
エルヴィンはその様子に感嘆するのであった。
しばらくすると
「姫殿下様、お疲れ様でした。滞りなく清めの魔法は終わりましたのでご安心ください」
「う うん・・・ありがとう セシリア」
「セシリア殿、姫殿下のお身体に何か感じられましたか?」
エルヴィンは心配そうにセシリアに尋ねる。
「ご心配なくエルヴィン様。呪いのようなものは感じとれませんでしたので」
「そうですか、安心しました。ありがとうございます。これで陛下にも良い報告ができます」
「エルヴィン」
ベアトリクスが我慢できなくなったのかエルヴィンに話し掛ける。
「何でしょうか、姫様」
「エルヴィンは、明日セシリア達と街に行くの?」
「え? ええ、そうですが・・・」
「いいなぁ・・・私もお祭りの街に行きたい・・・」
「それは・・・」
「それと・・・カミラと えっと デンマークに二人で行くんだよね・・・いいなぁ・・・」
「姫様・・・」
「ずるい ずるい 私だけエルヴィンは連れて行ってくれない・・・」
「姫様 そ それは・・・」
ベアトリクスの言葉に困りながらもエルヴィンは頭を働かせる・・・
(大人達の会話に先程まで黙って口をはさむこともなくただ ただ じっと姫は聞いていた・・・本当にききわけの良いご性格だ・・・。だが、お父上の陛下や皇后様が部屋を退出され今セシリア殿に清めの魔法をその身に受けて緊張が解けられたのだろう・・・)
「エルヴィン エルヴィン聞いてる!?」
「はい、姫様」
「みんなとばかり ずるい ずるい!」
「はあ・・・」
「姫様、そんなにエルヴィン様を困らせてはいけません」
困っているエルヴィンを助けるようにカミラがベアトリクスをなだめる。
「だって カミラはいいもん エルヴィンと一緒に行けるんだから」
「それは そうですけど・・・」
「ふんだ 私だけ・・・私だけ・・・」
悲しそうな顔をするベアトリクスにエルヴィンは彼女に提案する
「姫様、自分が当地にいる間にお出かけしましょう!」
「えっ!本当???」
「はい、お父上である陛下に自分の方からもお口添えさせていただきますので姫様の方からも陛下にお願いされてはどうでしょうか?」
「うん うん そうね お父上様にお願いしてみる」
「ようございましたね、姫様」
「うん、カミラありがとう」
「では、そろそろお休みになりましょう姫様。今日はたいへんな日でお疲れになりましたから」
カミラにそう諭されたベアトリクスは眠たそうな瞳でエルヴィンに尋ねる。
「エルヴィンは、帰っちゃうの?」
「いえ、今晩はどこにも行きませんよ。今夜は王宮に詰めてるつもりです、姫殿下様のお近くにいますからご安心してお休みになってください」
「そう。じゃあ、エルヴィンまたね」
「はい、姫様」
ベア姫にはエルヴィンさんもたじたじといったところでしょうか^^
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