魔女祭り91
(カミラ殿の婚約者のふりか・・・それにしても先程までの彼女の振る舞いは・・・今まで見た事が無かった・・・)
エルヴィンは胸中にてそうつぶやきながらカミラの姿を眺める。
彼女はベアトリクス姫の側でマテウスとハウサーに頼み事をしているようだった。
マテウスとハウサーが戸惑いながらもカミラが用意した手帳に書き込んでいる。
(カミラ殿との付き合いはデンマークで彼女がグンヒルダ姫の侍女時代からだから・・・そう・・・もう10年以上になるか・・・)
カミラはベアトリクスと一緒になってマテウスとハウサーが書き込んだ手帳を見て喜んでいる。
エルヴィンが書いたように二人とも名前を書き込むように言われたに違いない・・・。
エルヴィンがカミラ達の様子をぼんやりと見ていたその時、
「エルヴィン様、よろしいでしょうか?」
名前を呼ばれたエルヴィンは声の方向に顔を向ける。
「ああ、フィーネ殿。今夜はご苦労様でした」
「エルヴィン様の方こそ、本当にお疲れ様でした」
「いえ・・・」
フィーネはそう言うとエルヴィンの傍らに近づき並び立つと
「カミラ様に、見蕩れてましたかエルヴィン様?」
「えっ!?」
「カミラ様は、とてもお綺麗ですもの・・・それに王宮勤めでその立ち振る舞いは洗練されていて私なんかとてもとても真似ができません・・・」
「フィーネ殿・・・?」
「エルヴィン様が見蕩れてしまうのも無理はありませんよね・・・少し 妬けちゃいます・・・」
「えっ?」
「いえ、お気になさらずに。私の勝手な独り言ですから、ウフフフ・・・」
「はぁ・・・」
少し頬を紅潮させながらエルヴィンを見つめるフィーネは取り繕うように微笑むと
「それでエルヴィン様、あのお約束事ですけど」
「お約束事?」
「ええ、明日私達をゴスラー市街の観光に案内してくれると・・・」
「ああ、そうでしたね。すみません、すっかりと忘れてしまってました、申し訳ない・・・」
「もう・・・でも仕方ありませんよね、今宵はいろんな事がありましたから・・・。ですが、本当に連れて行っていただけるのでしょうか?」
不安そうに自分の顔を覗き込むフィーネに向かってエルヴィンは答える。
「大丈夫ですよ、お任せください。明日は楽しみにしてください、あっ、そうだ、そう言えばフィーネ殿がお手製のお弁当を作ってくれるんですよね?」
「わあ、覚えていてくれてましたか!!嬉しいです」
「ええ、とても楽しみにしてますよ」
「ご期待くださね、明日はがんばりますから、ウフフフ・・・」
「あまり、無理をなさらずに」
「はい。それではエルヴィン様、私共はこれでお部屋から退出しますのでその前にセシリア様にエルヴィン様自ら明日のお誘いをお伝えいただけませんか?」
「そうですね」
エルヴィンは、セシリアに近づき話し掛ける。
「セシリア殿、今夜はお疲れ様でした」
「いえ、エルヴィン様の方こそたいへんご苦労様でした」
「それで今日までのセシリア殿の慰労を兼ねて、明日、ゴスラー市外の観光案内をと考えていますがどうでしょうか?突然の申し出でお困りかもしれませんが・・・。フィーネ殿よりお聞きしまして、当地に着いてからも王宮の外へ足を伸ばしていないということ・・・であれば、せっかくの機会ですからどうでしょうか・・・?街は、お祭りですから楽しめますよ」
「本当に、宜しいのでしょうか?」
「ええ、全然問題ありません。私自身が案内役をさせていただきますから万が一にもセシリア殿の御身に危険が及ぶこともありませんから」
「それでは、お言葉に甘えましてお願いいたします」
「ありがとうございます」
「いえ、こちらこそありがとうございます。エルヴィン様にご迷惑をお掛けするかもしれませんが・・・でも とても楽しみです」
「明日は、天気がよいといいですね」
「ええ」
エルヴィンがセシリアに明日のゴスラー観光を誘っていた頃・・・
(エルヴィン様は、今日はお戻りになられないのかしら・・・)
ノクターン亭では、接客に忙しい時間帯が過ぎ余裕ができたカテリーナはついついお店に入り口を見てしまう・・・。
(でも、遅く戻られるかもしれないから・・・うん、用意はしておかないと ね!)
カテリーナは、にこりと微笑むと厨房に向かい出す。
「お父さん、ちょっと調理場を借りるわよ!」
カテリーナさん、久々の登場回でした~^^皆さん、覚えてらっしゃいますか?^^
彼女の甲斐甲斐しい姿をご想像くださいね^^
今回のお話しでは、古い友人?エルヴィンさんにとってカミラさんの存在の位置関係に変化が起きたお話になりました。今後のこの二人の関係はいったいどうなってゆくのでしょうか・・・?
ブクマを付けていただいた方にお礼を!!
本当にありがとうございました~~~^^とても とても うれしいです^^
アクセスをしていただいた全ての皆様、本当にありがたく思います^^
それでは、次週もこのお時間にてお会いしましょう~^^




