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魔女祭り77

「卿よ、自分がセシリア殿に今すぐにでも姫様の置かれている状況を知らせたいというのは今現在の姫様の精神状態や体調の問題が気掛かりになってるからだ」


「エルヴィン、姫殿下はそんなに?」


 エルヴィンの言葉にはっとするアリスティッド卿は即座にエルヴィンに問い掛ける。


「いや、今すぐ姫様の大事なお命がどうこうという事ではない、安心してくれ」


 エルヴィンはわざと同じ室内に居る王陛下夫妻やホトにも分かるよう声を穏やかにしてアリスティッド卿に答える。


「俺は国政を司る卿の立場とは違って叶う限り姫様の事を一番に考えたい・・・」


「それは、自分もそうだぞエルヴィン!」


 エルヴィンの言葉に珍しく気色ばむアリスティッド卿に


「ああ、それは俺も十分理解しているよ。だが卿は先程、政治的配慮を王陛下やここ室内に居る我々にもほのめかした・・・違うかい?」


「そ それは!!」


「いや、だからと言ってその件で卿を糾弾するつもりはさらさらない・・・。卿の立場なら当然だと自分も考えるから・・・」


 エルヴィンは黙ったまま健気にも自分の事を話題にする大人達の会話に耳を傾けるベアトリクスを優しく見つめると、


「自分は姫様をお守りすると誓った一傭兵としての立場で言わしてもらうと、今夜の出来事を発端として姫様の今後の事を考うるに同じ聖女認定されているセシリア殿の力・・・いや人間としての魅力というべきかな 彼女が持っている癒しの雰囲気に姫様を浸からせたい・・・あの邪悪な力を無理やり浴びてしまった姫様をセシリア殿の聖なる雰囲気で清めたい・・・それが偽りのない一番の理由だ・・・子供じみた理由で申し訳ないが・・・」


「エルヴィン・・・君はそこまで・・・」


 アリスティッド卿はエルヴィンの語る理由を聞きしばし、絶句してしまう・・・。


「ねえねえ、エルヴィン。セシリアも聖女様なの?」


 そんな大人たちの沈黙の間を破ったのは少女の声であった。


「ええ、そうですよ姫様。セシリア殿は姫様よりももっと以前から大天使ミカエル様が直々にお声を掛けられた正真正銘の聖女様です」


「そう そうなんだぁ・・・大天使ミカエル様が直々にお声を・・・」


 ベアトリクスは少し何やら考え込む風情であったがやがて顔を上げると


「エルヴィン、私、もっとセシリアと話がしたいの・・・ミカエル様のお話しも聞きたいし・・・それと聖女様の事も・・・」


「おお!姫様、よくぞ仰いました」


 エルヴィンは嬉しそうにベアトリクスに答える。


 二人の姿をじっと見ていたホトはおもむろにハインリッヒに姿勢を向けると敬愛する主に提案する。


「陛下、ここは姫殿下様もあのように申されておりますのでセシリア殿にこちらに来てもらうよう計らわれたらどうかと」


 ホトはそこでアリスティッド卿の顔を見つめ、一つ頷くと


「アリスティッド卿の懸念は臣も同じ意見ですが、宮廷魔術師の立場で更に付け加えれば姫様の御身体に邪悪な呪い・・・そう 悪夢のようなものもその範疇やもしれませんが一度セシリア殿に姫様の御身体を浄化してもらう方が宜しいかと言上させていただきます」


「ふむ、ジャンよホトはそのように申しておるがそちはそれでもまだセシリア司祭にベアの身体の状況を知れせるのはまずいと考えるか?」


「はっ、ホト様の申しよう、実際に伺ってみれば実にその通りでございます。姫殿下様の御身体の具合を考えればセシリア殿にお願いするのはいかにも当然至極のこと。すぐに気づかぬ自分の不明さに恥じいるばかりでございます」


 恐縮するアリスティッド卿に王は


「ジャンの懸念は余も理解できる。あの海千山千の枢機卿がベアの聖女認定の事実を知ればローマ聖教会の特権を持ってベアを教会のシンボルとして利用しようとするのは火を見るよりも明らかであるからのう・・・。だがまあ、ベアの存在をいかに交渉事の材料にしようとしてもそちなら何とかするであろう、ジャンよ、フフフフ」


「はっ、陛下のご期待に沿うよう努力致します」


「そちの手腕は余は信頼しておる。任せたぞ!」


「はっ!!!」


 主より過分な言葉をもらい体を打ち震わすアリスティッド卿の姿に満足したように微笑を浮かべてハインリッヒは更に言葉を続ける。


「とはいえ、一応セシリア司祭にはベアの状況についてはローマよりの使節団に対して・・・いや 使節団だけでなく他言無用と伝えなくてはならぬな・・・だが同じ聖教会に属する身うえに聞き入れてもらえるやどうか・・・」


 夫のつぶやきに傍らに立つアグネスがその不安を払拭させるべく提案する。


「陛下、セシリア殿への頼みごとは陛下から伝えるのはもちろんの事、エルヴィンからもお願いするようエルヴィンに頼んでみたらどうでしょうか?」


「ん?エルヴィンに・・・」


「ええ、そうでございます。何といってもベアにセシリア殿をすぐにでも引き合わせたいと言い出したのはエルヴィン自身ですから。当の本人にもそのお役目をさせてあげた方がよろしいかと・・・エルヴィンが頼めば彼女はまず了承してくれると思いますから、ホホホ」」


「うむそうなのか・・・后がそう申すがエルヴィン、おぬしにも頼めれるか?」


 妻の笑顔に怪訝そうな表情を浮かべるハインリッヒであったが、言われるままエルヴィンに尋ねる。


「喜んで陛下、そのお役目是非にもさせていただきます。何といっても姫殿下のお身体の具合を見てもらわなくてはなりませんので。そのためにお役に立てることであれば何であろうとも協力させていただきます」


「よし、ならばセシリアにこちらに参るよう。誰かある」


「陛下、口を挟むこと、ご容赦を。レオ団長にもこちらに来てもらっても宜しいでしょうか?」


「レオにも?」


「はい、姫様の状況をレオ団長にもお知らせしたほうが今後王宮の警護についても宜しいかと。私なりに具申したいこともございますゆえに」


「近衛騎士団団長には当然知ってもらわなくてはならぬ事だからな・・・。よしレオにも誰か使いに」


 カミラがハインリッヒの命に、お辞儀をすると部屋の外に出て行く。


 エルヴィンは彼女のその後ろ姿を見送っていると


「おい、エルヴィン。クックック、どうして、そんな格好をしている?」


 くだけた口調でハインリッヒはエルヴィンにそう問うのであった。


 


 



エルヴィンさんにとって一番守るべく存在は、やはりベア姫なんですね・・・。


ベア姫の今は亡き母親であった女性との約束は彼にとっては絶対なものなんです・・・。


さて、来週はついに ついに エルヴィンさんの格好にハインリッヒ王が突っ込みを掛けるシーンですね

この後どんな、面白い場面になるのか、更にセシリアさん一行やレオ団長も登場予定です、どうかご期待を!!!


アクセスをしていただいた全ての皆様にお礼を申し上げます。


本当にありがとうございました~^^


次週もこのお時間にて、お会いしましょう~^^




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