魔女祭り69
嗚咽をあげながら自分を見つめるユイーザの言葉にエルヴィンは遠い記憶を思い出す・・・
(ヴェルニゲローデ・・・確かあの時は俺は日暮れを気に掛けながらゴスラーへと足を急がせてた・・・。もう少しでヴェルニゲローデの村の入り口という街道のとある場所だったか・・・。夕闇が濃くなりつつあったその時に前方で女の叫び声と少女らしい悲鳴の声が・・・)
「やめてください!大声をあげますよ!」
気丈にも娘であろうか少女をかばいながら母親らしき女が突然の狼藉者達を叱責する声が聞こえる。
「ヘッヘッヘ、なかなか気の強いお母さんじゃないか・・・どれ よおく見ると少し年増だがなかなか美人じゃないか」
その狼藉者は母親らしき女に近づくと無造作に彼女のあごをつかむ。
「触らないで!!」
懸命な仕草で男の手を払いのけようとした彼女の手が男の頬を偶然にも叩く。
「この女!!やりやがったな」
男は頭に血が上ったのか彼女を殴りつける。
「キャア!!!」
「お お母さん!お母さん!!」
娘をかばいながらも一緒に地面に倒れこむ彼女に少女が泣き叫ぶ。
「おい、あまり手荒な真似はやめとけや」
「け けどよ こ この女が言う事を聞かねえから」
兄貴格の男に女に手を出した男が弁解する。
「さてと、お母さん。俺達は少しばかりお金に困っててなあ、そこであんたに用立ててくれと頼んでるんだぜ。あまり聞き分けが悪いと腕づくであんたから奪うことになっちまう。それだとあんたも痛い目にあっちまうしここはおとなしく持ってる有り金をさっさと出した方があんたのためだぜ」
「な なんであなた達のような人に大切なお金を!!」
必死な表情で胸元を隠す仕草をする彼女に男はニヤリと笑うと
「強情を張らずにさっさと出すんだ!じゃないとその娘にも痛い思いをさせる事になるぜ」
「こ この子には手を出さないで!」
彼女は無念そうに懐から小袋を取り出す。
「お お母さん、それは そのお金はお父さんが・・・」
「うん、けどあなたを守るために使ったと言えばお父さんは何も言わないから・・・」
彼女は愛おしそうに少女の頭をなでるのであった。そして
「お金を渡せばこの子にも何もせず、私達をこのまま帰してくれるのでしょうね!」
「ああ、そうだ。最初からそうすれば何も痛い目にあわずにすんだんだ」
男は彼女の手から強引に小袋を取り上げると満足そうにポンポンと手のひらでもてあそぶと
「さてと、それじゃあそろそろ行くとするか」
「ちょ ちょっと待ってくれ」
兄貴格の男が立ち去ろうとした時にもう一人の男が待ったをかける。
「俺は、この女にもう少しお礼をしておかないとな、ヘッヘッヘ・・・」
「お前は・・・しょうがねえなあ」
兄貴格の男はやれやれといった体で卑猥な笑いを浮かべる相棒を見て、更にその視線の的になっている女の姿に目を移す。地面に座り込み娘を抱きかかえる女の体の稜線をさまざまと男は見ていたがやがて
「さっさと済ませろ、俺は先に行ってるぞ」
「ああ、すぐに追いつく」
男達の不穏な気配に気づいた母親は声を上げとがめる
「お金を渡せば何もしないって約束したじゃありませんか!!」
「ああ、あいつはな、ヘッヘッヘ」
卑猥な笑い声をあげた男は母親にしがみついていた少女を無理やり引き離すと
「や やめて、その子には手を出さないで」
「お母さん!お母さん!!お母 キャア!!!」
「やかましい!、ピィピィピィピィ騒ぐな」
男は少女の顔を張り飛ばす。
「ユ ユーイ!!!」
「お前は俺とこっちに来るんだ」
男はおびえる彼女の胸の隆起した部分に舌なめずりすると無理やり腕をつかみ道端の茂みに引きずり込もうとする。
「や やめて!だ 誰か・・・」
(あいつの女癖の悪さは困ったもんだ・・・)
相棒を残してヴェルニゲローデの村へと向かう反対方向にもう一人の男はゆっくりと歩きながらぼやいていた。
(まあ、あの母親・・・いい体だったが・・・)
男が少し残念そうに母親の肢体を思い出していたその時不意に声を掛けられたのであった。
「おい、あんた。あそこで襲われている女がいるのに助けないのかい?」
「な なんだお前は!?」
突然、気配も無く眼前に現れた傭兵風の男に驚いた狼藉者の目が大きく開かれる。
「もう一度聞く、あんたは助けないのか?」
「な 何を言いやがる!」
「そうか、ならあっちの奴の仲間と見なしても良いか・・・」
「ふ ふざけやがって、あいつの仲間だと言ったらどうだと言うんだ・・・あっ」
男の話が終わる前に眼前の傭兵風の男の顔が視界から消えたと見えたその時男は自分の体が中に浮くのを感じあっという間に自分が地面に仰向けに叩き付けられるのがわかった。
「グフッ・・・」
その傭兵風の男は一瞬の間に狼藉者の股に手を差し込み体を担ぎ上げ思いっきり地面に叩きつけたのであった。
「詳しい話は後でゆっくりと聞くことにして、今はここでおとなしく寝てろ!」
傭兵風の男はーービシッツーーっと倒れた男の喉下に手刀を叩き込み、男が意識を失ったことを確認するや否や襲われている女の下に急ぐとそこには上着をめくり上げられ両の乳房が剥き出しになりながらも必死に抗う女とせせら笑いながら女の下半身の下着を剥ぎ取ろうとする男の姿があった。
「おいっ、その汚い尻を見せるんじゃねえ!」
傭兵風の男がその男の尻をいきなり蹴り上げる。
「ガッ!い 痛え!!!」
いきなり尻を蹴り上げられた男がピンっと立ち上がや、憎憎しげな目で邪魔者を確認する。
「な なんだ お前は!?」
傭兵風の男はその問いを無視して放心状態の女に近づくとさりげなく自分の着ていた外套を脱ぎ彼女に手渡す。
「大丈夫ですか?」
「え ええ」
「よければ、これを使ってください。その姿では寒いでしょうから」
微笑みながら外套を渡した男の言葉に自分が今どんな姿なのかを思い出して赤面しながら自分の素肌を隠すと
「あ ありがとうございます」
「て てめえ、いきなり横からしゃしゃり出てきて何、格好つけてんだ!」
狼藉者の言葉にその傭兵風の男はゆっくりと立ち上がると
「お前そのなりを見ると・・・傭兵崩れか冒険者崩れが盗賊になったって・・・感じか・・・」
「それがどうした」
「向こうで寝てる奴も同じような感じがしたからな」
「な 何!?向こうで寝てる奴・・・ま まさかシュミーロの奴が!」
「へえ、あいつはシュミーロって名か。まあお前ら二人は盗賊の現行犯で村の騎士団詰所送り決定だな」
「おとなしく捕まると思うか」
「いや、思わねえなあ。だから向こうで寝てる奴同様お前もここでしばらく寝ててもらおうか」
「ふ ふざけやがって」
狼藉者は剣を抜く。
「抜いたかあ・・・剣を抜いたってことは自分も斬られることを承知した・・・ってことだな」
その傭兵風の男は、やれやれといった表情をしながら更に続ける。
「相手になってやる、こいよ」
寒くなりました・・・皆さんインフルエンザはだいじょうぶでしょうか?
今回のお話はエルヴィンさんとユイーザの邂逅シーンでした。次週も続きをお話しできればと考えておおります。引き続き楽しみにしてくださいね^^
最後にまたお礼を申し上げます。
今週もアクセスしていただいた全ての皆様に感謝の気持ちを・・・本当にありがとうございます。
次週もこのお時間にてお会いしましょう~^^




