魔女祭り49 セシリア フィーネ ヴィオラ 三人の語らい
「おおお!!!」
傍らにいるアルフィオの驚嘆する声が聞こえます。エルヴィン様が魔法を発動させたようです、すると
---ゴオーッ!!!---
という音と共に強烈な熱風が私の顔を襲います。
「きゃあっ・・・あ 熱い・・・」
私は咄嗟のことに思わず悲鳴を上げてしまいました。
(な 何が・・・?周りが明るく感じられますが・・・)
私は目が不自由なため外の状況は把握することはできませんが何となく感じることはできます。
「あっ、またエルヴィン様が魔法を!!!」
この声は隣に居るフィーネの声です。
「えっ?こ 今度は風の魔法か!!!」
この声はヴィオラの声です、彼女の声もフィーネの口調と同じように上ずったかん高い声になってます。
と、その時、風を切る音と共にまた強烈な熱風が私の顔を襲います。
「ヒャ・・・」
(く 悔しいです・・・私は今宵何度かめになるのでしょうか?自分の目が不自由なことを悔やむことを・・・目の前で行われている状況が目にできない・・・悔しい・・・です・・・)
「セシリア様・・・セシリア様・・・」
私はふと気づきます。
「セシリア様、大丈夫でございますか?」
アルフィオが様子がおかしくなった私に気づいたのか心配そうに声を掛けてくれてました。
「ええ、大丈夫よアルフィオ心配してくれてありがとう。それより今の状況を教えてくれませんか?」
「はい、どうやらエルヴィン殿は姿を隠した魔術師と戦闘中のようです」
「そ それは先程エルヴィン様を攻撃した魔術師ですか?」
「おそらくそうでしょう、エルヴィン殿がホト様と協力してその魔術師を顕現化させようとしているみたいです」
「ホト様が可視化の魔法を発動させるとおっしゃられてましたが・・・」
「ええ、まだ・・・いやっ、発動されたようです。ホト様が攻撃魔法を!」
二度ほど大きな音がした後に、私の周りにいる人達から驚愕の声が上がりました。
「ゲッ!!骸骨の顔の魔術師だ!!!」
どうやらホト様の攻撃魔法で隠れていたその魔術師が姿を現したようです。その時、
「あっ、エルヴィン様が!!!」
「うっ、エルヴィン殿が向かった!!!」
ホト様がエルヴィン様の名を呼ぶとエルヴィン様はその骸骨魔術師に向かわれたみたいです。
「氷の攻撃魔法だと!!!エルヴィン殿、危ない!!!!」
「エルヴィン様ーー危ない!!!」
ヴィオラとフィーネの悲鳴が聞こえます。
「え、どうしたの?何が起こってるの?氷の攻撃魔法って?エルヴィン様は!!!」
私は焦りながら声を張り上げます。するとエルヴィン様の魔法を発動させる声がかすかに聞こえました。
「な なんと炎の盾を!!!それもあの一瞬の間で!!!」
「アルフィオ!エルヴィン様は!!!」
驚嘆するアルフィオに私は無我夢中で尋ねます。
「ふ、防ぎました!!!あの、い 一瞬で・・・」
「エルヴィン様は無事なの!?」
「はい、無事のようです」
「そ そう・・・」
私は安心してそっと胸元に両手を合わせます。
「マテウス殿が骸骨魔術師に近づいたぞ」
ヴィオラの声が聞こえます。その時ですエルヴィン様の声が聞こえました。
「マテウス!そいつから離れろ!!!」
その叫び声が終わるや否やエルヴィン様は魔法を発動されたようでした。すると
ーーーードゥバアーーンッ!!!ーーーー
辺りが大音響と共に何か爆発する音が・・・
どれくらい時間が経ったののでしょうか・・・まだ耳の奥がキーンとしています。
「・・・・さま、・・・・様」
誰かが私の名を呼んでいるようです。
「・・リア様、セシリア様、だ 大丈夫ですか?」
どうやら、フィーネが私の肩を揺さぶりながら必死になって呼びかけているようでした。
「フィーネ、私は・・・」
「ああ・・・セシリア様ーーー」
フィーネは涙ぐんでいるようです。私は意識がしっかりしてきたのを確認すると
「フィーネ、私は大丈夫ですよ、あなたも大丈夫ですか?」
「セ セシリア様がうつ伏せになって倒れてるのを見て私は心配したんですから・・・」
どうやらしばしの間、私は気を失ってたみたいです。
「ありがとうフィーネ、ごめんなさい心配を掛けてしまって・・・でも大丈夫よ、安心して」
「ああーーセシリア様ーーー」
涙ぐみながら私に抱きつくフィーネの背中を優しく撫でながら尋ねます。
「アルフィオやヴィオラは無事ですか?」
「私達は無事です、ご安心くださいセシリア様」
いつも通りの落ち着いた声のアルフィオがそう答えてくれました。
すると、私は、はっとして思い出しました
(あのお方は、エルヴィン様は!!!)
「え エルヴィン様は、どうされてます?ご ご無事ですか!!!」
「ご安心くださいセシリア様、エルヴィン殿は大丈夫そうです。むこうでマテウス殿と話をされてます」
私の問いに、ヴィオラが答えてくれました。
「そ そうですか・・・」
(良かった・・・)
私は心の動揺を悟られないように話題を変えます。
「あの骸骨魔術師はどうなったのでしょうか?」
「見当たりません、逃げたのかそれともあの爆発ですひょっとしたら自爆したのかもしれません。いずれにしてもエルヴィン殿、マテウス殿があの魔物の集団より私達を守ってくれたのは疑いのない事実です・・・」
珍しく言葉尻を濁したアルフィオに違和感を持った私は更に尋ねます。
「どうかしましたかアルフィオ?」
「私は今晩エルヴィン殿達の活躍の場を目の当たりに見て、自分の力の無さを痛切に感じさせられました・・・宴の会場であのソティリオという狂信者がセシリア様に狼藉を働こうとした時に私は苦も無くあの物に打ち倒されてしまい、あまっさえ聖女セシリア様の身に危険を及ばさせてしまった事に慙愧の念を感じさせずにはいられません」
「それを言うなら私もだアルフィオ!自分の方こそあのソティリオという男に手も足もでなかったのだからな・・・」
「あなた達・・・」
「本当に申し訳ございません、セシリア様。私もアルフィオ同様に自分の実力の無さがよく痛感できました、本当の意味で・・・」
「ヴィオラ・・・」
「ローマ聖教会屈指の神官戦士などと持て囃されて自惚れていた自分が腹立たしい・・・。ですがセシリア様、私は気づかされました、あの男、いや、エルヴィン殿の戦う姿を目の当たりにして世の中には上には上がいるものだと・・・私はあの・・・エルヴィン殿達のような強さに少しでも近づきたいと心の中で強く想っています」
「その通りだ、ヴィオラ。私もこれからは更に研鑚を重ねて少しでもあの方達に近づきたいと思う、またそうでなければこの先セシリア様の護衛の役は務まるものでない」
「アルフィオ、ヴィオラ。二人の気持ち・・・とてもうれしく感じます、これからも宜しくお願いしますね」
私は決意を新たにした感じがする二人に心からお願いしたのです。
「それにしても、エルヴィン様があんなに強かったって・・・剣の強さもあの近衛騎士団の皆様が歯が立たなかったデス・ナイトを一撃で倒したり、あんなに凄い攻撃魔法を無詠唱で発動できるなんて・・・本当に驚かされました」
「そうだな、エルヴィン殿の強さは規格外、いや常識外れだったな」
フィーネの言葉に何故かうれしそうに相槌を打つヴィオラの口調に私は戸惑います
(ヴィオラ、あなたはエルヴィン様のことを傭兵ごときと言って蔑んで嫌ってたでしょうに・・・)
「本当にそうですねえ・・・、エルヴィン様の戦う姿・・・とってもかっこよかったなあ・・・ウフフ」
(フィーネ、あ あなたまで・・・そ そんなうっとりとしたような声で・・・あなたは男性にこれっぽっちも今まで興味を持ったことがなかったでしょ!!!)
「そうだ、明日は早起きしてエルヴィン様のために腕によりをかけてお弁当をつくらなくっちゃ!!」
「ええ!!!?」
私はフィーネの言葉に、はしたなくも大声を上げてしまいました。
「ど どういことだフィーネ!?」
(ヴィオラ、あなたが何故そんなに動揺しているの)
「そうでした、セシリア様にお話しする機会が宴の場ではいろんな事があって無かったものですから今申し上げますね。実は明日、私達をエルヴィン様がゴスラーの街を案内してくださると約束してくださいました。何でも街中が明日の魔女祭りの祝日の催しがいっぱいだそうです、屋台とかもたくさん出ていてそれは楽しそうなんですって。それから優しいエルヴィン様は私の精霊達のために自然が多く静かな場所にも連れて行っていただけるっておっしゃってくれました。ですから私はエルヴィン様に感謝の気持ちとしてお昼のお弁当を作らせてくださいってお願いしましたら、エルヴィン様はそれは楽しみだなあ~って自分はあまりそんな経験がないものでって恥ずかしそうに笑っておられました・・・ウフフ」
その時の光景を思い出したのかフィーネはうれしそうに話します。
「ふ フィーネ、あ あなたはいつの間にエルヴィン様とそんな話を?」
「セシリア様、あの時ですよ。私が一人で寂しそうに立っているエルヴィン様にお食事を持って行きましょうとお伝えしたじゃありませんか。それも・・・」
フィーネは含み笑いを隠してるのでしょうか、少々間を置いてこう言います。
「この差し入れは、セ シ リ ア 様からですよって、ウフフフ」
「えっ、ああ、そうでした・・・そうでしたね・・・」
「ですからセシリア様、明日はエルヴィン様とお出かけになるのですから、今晩の湯浴みは丹念とさせていただきます、よろしいですか」
「え ええ・・・」
「殿方と外出するのですから、聖女様であっても身だしなみは大切ですからね特にお顔と手の指先には気を配らないと・・・」
「えと、あの フィーネその ありがとう・・・できれば御髪のほうも・・・」
私は、顔が赤くなるのを自覚しながらも小声でお願いするのでした。
「まあ、セシリア様!そう そうですね、ウフフ」
「ふ フィーネ、アルフィオと その 私も一緒に行っても構わないのであろうか?」
ヴィオラが期待するように同僚の名前を先にあげフィーネに尋ねます。
「当然ですよ、ヴィオラ様。アルフィオ様もご一緒にどうぞ、何と言ってもお二人はセシリア様の護衛の戦士様達ですから」
「そうですか、フィーネ殿がそう申されるのであれば私には異存はありません楽しみですな、ハッハハ」
「そ そうだな我らはセシリア様の護衛の戦士、何も不思議なことではないな・・・そ そうか今晩の湯浴みは念入りに、顔と手の指先と・・・髪までもか・・・」
ヴィオラの独り言は・・・もう聞かなかったことにしましょう。
(エルヴィン様が、ゴスラーの街を案内してくださる・・・何て心が躍るのでしょう・・・)
私はワクワクとする心の片隅でやっぱり目が不自由なのは・・・
(悔しいなあ・・・エルヴィン様が案内していただける街並みの景色、それから美しい自然の場所・・・この目が見えれば・・・)
私が少しだけ心の中で愚痴をこぼした時でした。突然フィーネが警告します。
「あっ、エルヴィン様があの女性に近づこうとしてるわ!!!」
「えっ?」
何とか土曜日に書き込めました~~^^
聖女様の視線からのお話しに今回はなってしまいました。皆さんの感想はどうだったでしょうか?
セシリアさんは、目が不自由なんです・・・本当にお気の毒なんですが彼女の気持ちをこれからも応援したくなりますよね^^
また、お礼を申し上げます。
また、評価をいただきました。本当にうれしく思います、感謝、感謝ですありがとうございます。
また、ブクマを付けていただいた皆様にもお礼を申し上げます!!
本当にありがとうございます!!!^^
励みになりますから、これからも良いお話を作ろうと頑張れます。ありがとうございました^^
では、次週は日曜日のこのお時間にてお会いしましょう^^




