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魔女祭り44 デイニュ参戦

「ど どうしたの?」


 エルヴィンの腕の中に抱えられているヒルダが怪訝そうな表情で見上げる。


「い いや、何でもないんだ・・・。あなたの名前はヒルダ・・・ヒルダさんと言うんですね?」


「そ そうよ・・・そ それがどうかしたかしら?」


「いや・・・いい名前だなっと・・・、素敵な名前ですね・・・ヒルダ・・・ヒルダさんか・・・」


「ええ?素敵な名前って・・・、そ そう・・・ありがとう・・・」


「私は、その名前が・・・」


 エルヴィンはふと遠くを見つめるような視線で


「とても・・・大好きでした・・・」


「だ 大好きでしたって・・・?」


「いやっ、すみません独り言です。それより本当に大丈夫ですかヒルダさん?」


「だ 大丈夫よ・・・それで・・・もう大丈夫だから・・・その離してくれないかしら・・・」


 エルヴィンは腕の中で顔を赤らめながらお願いするヒルダを見て気づく。


「あっ、すみません!。咄嗟の事でヒルダさんの気持ちを考えずに・・・失礼しましたね」


 エルヴィンは彼女を解放するとヒルダは軽く身繕いをしながら小声でささやく。


「いいのよ、それと・・・ヒルダでいいから・・・」


「えっ?」


「だから私の名前を呼ぶ時はヒルダと呼び捨てでかまわないから・・・」


「えっ?」





「クックック、ハッハッハ!!!お楽しみのところ申し訳ないが私はこれで帰らさせていただくよ、エルヴィン君!!!」


「ソティリオ!、待て!!!」


(ふむ、あの招き人も来てるみたいだな・・・)


 ソティリオは近づいてくる男の気配に一瞥をくれると


「それでは、またの再会を!クックック、ハッハッハ~~!!!」


「チィッ!!」


(姿を隠した魔術師が厄介だ・・・ならば!)


 エルヴィンは転移魔法を使って姿を消したソティリオに舌打ちすると脳内で考えを素早くまとめる。


「ヒルダさん!まだ魔力は残ってますか?」


「え、ええ・・・」


「もう一度ご自身の体に対魔法防御の呪文を掛け直してください、詠唱中のあなたは私が守りますからいいですか?」


「わかったわ」


 微笑ながら頼むエルヴィンにヒルダは立ち上がり対魔法防御の呪文のために意識を集中させる。

 エルヴィンはその彼女の姿を確認すると自分の背後を振り返り、


「ヘル爺!!!姿を隠した魔術師がこの辺りに潜んでる。陛下達を巻き添えにしないよう対魔法防御の結界を頼む!」


「む 無茶を言うわい、わしを何だと思っておる」


「ヘル爺だから頼んでるんだ、あんたしかできないだろう!?」


「広域の結界魔法じゃぞ!!!簡単に言いよって・・・」


 エルヴィンはぶつぶつ言いながらも魔力を高め意識を集中させるヘル爺ことホト宮廷魔術師の姿を見てニヤリと笑うと


「さて、マテウス!お前は自分で対魔法防御の魔法はできそうか?」


 デス・ナイトと対峙するマテウスに声を掛ける。


「うーん・・・無理そうだね。詠唱中この人が待っててくれればいいんだけど」


 マテウスは剣をデス・ナイトに突きつける。


(さすがに、ヒルダさんを守りながらマテウスの援護は無理か・・・早くしないと次の攻撃がいつくるやもしれん・・・)


 エルヴィンは胸中にて焦る・・・その時


「差し出がましいが、少しの時間なら私が時間稼ぎをさせてもらいましょうか」


「お!、あなたは!!!」


 エルヴィンは突然の協力の申し出をしてきた身なりのよい男を見つめる。


「エルヴィン殿、先程お願いした件もありますからなここで貴殿の心象をよくしてもらおうとの浅はかな考えを・・・どうかよく検討していただきたいものです」


 男はその細い目に笑みを浮かべながらエルヴィンにそう言うと、マテウスの傍らで立ち止まりすらりと腰に吊るした剣を抜く。


 ーーヴーンーー


(おっ、その剣は!!)


 エルヴィンはその剣に魅入ってしまうのであった。男の持つ剣は鞘から抜き放たれると魔力がその剣の周囲に立ち込める。


「へえ~、魔力を持った剣だあ!!!いい剣をおもちですねえ、うらやましい」


 マテウスは感嘆の声を上げる。


「お褒めの言葉感謝します。マテウス殿とおっしゃられたかな私が時間をつくるのでその間に貴殿は」


「あっ、こちらこそ感謝します」


 マテウスは頭を下げると、エルヴィンに視線だけで問う。


(いいのかい?)


(ああ、大丈夫だろう)


 エルヴィンはそのように頷く。


「エルヴィン殿、僭越ながら申し上げる。貴殿は彼女の守りと姿の見えない魔術師を頼みます」


「心得た」


「あまり、時間は稼げそうもありませんが、ハハハ」


 男は自嘲気味に苦笑するとデス・ナイトの正面に立ち名乗りを上げる。


「さて、デス・ナイト殿、いや凄血伯爵カール・フォン・ビュックラー殿でありましたな、伝説の剣技を私にも一手御指南のほどを、私はロートリンゲン公国が家臣、フィリップ・ルクレール・ディニュ!いざ、参る」


 ディニュと名乗った男は剣の柄の部分を顔の前に捧げると、気合を入れるように右下段に剣を一閃させる。


「フフフ、良きかな、強者との手合わせは我も望むもの、楽しもうぞ!!」






「ジャンよ」


「はっ、」


「あの者、ロートリンゲン大公の家臣と名乗ったな」


「はっ、そのように」


「そちは、存じておったか?」


「いえ、初めて見る人物ですが・・・そう言えば新しくロートリンゲン公国よりこのゴスラー駐在官が赴任するとの報告がありました」


「ふむ、その新しき駐在官があの者か・・・?」


「確かな事は申せませんが、恐らくはそうかと」


 ハインリッヒ王はデス・ナイトと戦う男の姿を目で追いながら信頼の厚い臣にいたずらっぽく笑いながら話しかけるのであった。


「あの者・・・そちにとって手強い相手になるやもしれぬぞ、フフフ」


「望むところです、陛下」


「そうか、ハハハハ」


 このハインリッヒ王の予言めいた言葉はその後、歴史上にて事実となるのだが、その話はいずれまたの機会に・・・。



 









 

ヒルダさん、乙女です!!!ははは^^


それと、デイニュさんも参戦!!!凄血伯爵との戦いは、ディニュさんのその腕前のほどは?


次週も、興味深々の物語になりそうですね^^


また、ご挨拶です。


先週、評価をまた頂けました・・・すごく、すごくうれしかったです・・・ありがとうございます。


ブクマを付けて頂いた方にもお礼を申し下げます。


本当に、ありがたく思います。


こつこつと一週間に一度の連載なのに楽しみにしていただいて方がこんなにもいらっしゃるなんて・・・


うまく言葉がみつかりません、ごめんなさい・・・。


この物語を楽しみにしていただいてる全ての方にお礼を申し上げます。


本当にありがとうございます。


また来週もこの時間にてお会いしましょう^^

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