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魔女祭り41 デスナイトの正体 元近衛騎士団団長

「主殿、少しよろしいかな?」


 凄血伯爵こと元近衛騎士団団長カール・フォン・ビュックラーがデス・ナイト化したその風貌のまま小声でソティリオに話し掛ける。


「うむ、いかがいたした?」


 ソティリオはサマヌとの念話から我に返り骸骨騎士の呼び掛けに応じる。


「これから、俺はあの者達と手合わせをするつもりだがその前にお願いしたいことがある」


「ふむ」


「失礼を承知で申すが、主殿は今からこの場を離れてもらいたいのだが・・・」


「・・・」


「気を悪くさせるかもしれぬがあえて言わさせてもらう。あの二人を相手にしながら主殿を守ることは少々難しいのでな」


「ほう・・・私があなたの枷になると・・・」


 凄まじい怒気がソティリオの目から放たれる。


「侮っている訳ではないのだ主殿。主殿の体が万全であれば俺もこんなことは言うつもりはない。普通の状態であれば万全でなくとも主殿は俺よりも遥かに強いからな。だが、今の主殿の状態では・・・もうそんなに余力は残ってないのではないか?」


「・・・」


 続けろという表情でソティリオは無言で返す。


「あの傭兵二人がこうも簡単に俺の部下達を倒してしまうとは・・・」


 窪んだ眼窩で金色のオーラに包まれたエルヴィンとマテウスの二人を凄血伯爵は見つめながら続ける。


「少々計算外だった。あの二人とやり合って負けるとも思えぬがそう簡単な相手ではなさそうだ・・・それに」


「それに?」


「あそこに立つあの男だ、身なりから想像するにあ奴は宮廷魔術師であろう?」


 凄血伯爵の視線の先には王宮の玄関前に立ち並ぶ王夫妻の傍らにホトの姿があった。


「いかにも、あの者は宮廷魔術師のホトという男です」


「ホトだと・・・あのヘルマン・ホトか!?」


「おや、ご存知ですか?」


「ああ、幼少の身でありながら魔術師達の噂から神童と呼ばれていた小僧だったが・・・」


「今は、あの通り老人ですが、その老人が何か?」


「そのホトがあの傭兵達の援護に回るとこちらの方が分が悪くなる・・・主殿を庇いながら戦うのは非常に困難だ・・・だからその前にここから立ち去ってもらいたいのだが・・・」


「分かりました、ただ私に対する忠誠心だけでのお願いではありませんね凄血伯爵殿?」


「申し訳ないがその通りだ主殿。更にお願いしたいのが俺の部下達も一緒に回収して去ってもらいたいのだが・・・どうだろうか?」


「クックック、いいでしょう。その身が朽ちようともかつて部下達だった者を想う気持ち、さすがは元近衛騎士団団長といったところでしょうか」


「かたじけない」


「あなたが見抜いたように今の私にはもうそんなに余力は残ってないのです。残念ながらあなたの部下達も一緒に回収してこの場から帰還するだけの魔力はありません」


「そ それでは・・・」


「ですから、先ほど念話でデス・メイジのサマヌに命じてあなたの部下達の回収を頼んでおきましたから」


「おお、配慮痛み入る・・・」


「凄血伯爵に命じます、私がこの場を離れるまでの時間を稼ぎなさい」


「承った、主殿」


 ソティリオはそう凄血伯爵に告げると意識を集中させる。


(聞いてましたね、サマヌ。始めなさい)


(了解)





 



「団長!」


「うん?ディートルか!」


「ポーションをお持ちしました」


「自分よりギレに飲ませろ」


 ディートルは持参したポーションを副団長のギレに手渡す。


「ご苦労様でした、ディートル。宮廷内は無事だったようですね?」


「いえ、それが・・・」


 ギレに問い掛けられたディートルは晩餐会会場での出来事をかいつまんでレオとギレに報告をする。


「な、なんと!!!そのような事件が・・・。エルヴィン殿達が居合わせなければどんなことになっておったか・・・」


 ディートルの報告に絶句するレオの表情が蒼ざめる。


「あの凄血伯爵の隣に立つ男がそのような危険な野望を持つ人物の使徒の一人だったとは驚きです」


 ギレはソティリオの姿を凝視しながらつぶやく。


「堕天使ルシフェル様により力を授けられたサザーランドとか申す者・・・我が帝国にとって凶兆以外の何者でもない・・・」


 レオの声には暗雲の響きが込められていた。


「ところでディートルよ、お前の話によると日頃の威勢のわりには情けない有様だったようだな?」


 その場の沈鬱さを払うように明るめ口調で団長のレオの背中を支えていたベルクがディートルに声を掛ける。


「はっ、そ その申し訳ございませんでしたベルク殿」


「俺に謝るより、陛下の護衛を命じた団長に謝るべきだろうが」


「そ そうでした。レオ団長、陛下の護衛の任に命じられたにもかかわらず、そのご期待に答えられずにま 誠に申し訳ありませんでした・・・」


「陛下があのようにご無事であられたから良かったものの、今後このような失態が繰り返すことがないよう研鑽に励め」


「はっ!」


 レオは恐縮しているディートルを叱咤するが、すぐに表情を歪めると


「まあ、こう言ってる自分も含めてこの体たらくだ・・・ディートルお前だけでなく我ら全員更なる自己鍛錬と研鑽に励まなければ陛下のご期待には添えられぬ。このような変事にも対応できうるよう各員の能力を上げなければ近衛騎士団の在り方が問われることになろう。ギレ、怪我をしているところ悪いが今後の我団の強化対策案を練ってくれ」


「はっ、これしきの怪我、団長の怪我に比べれば何でもありません。早速強化案を練り上げます」


「頼むぞ」


「それにしても、あのソティリオという男、ディートルを含め5人があっという間に倒されたとはねえ・・・せめて人間相手には勝てないといけませんね団長」


「ああ、ディートルの報告によればセシリア殿の護衛のアルフィオ殿やヴィオラ殿まで一瞬の内にやられたそうだからな・・・相当な腕であろうが・・・ベルクの言うとおり人間相手に不覚を取らぬよう努めなければならぬ」


「幸いな事に、エルヴィン殿が居てくれて事なきを得ましたな」


「そ そうですギレ副団長。エルヴィン殿の剣の腕前は凄かったです!!それに骸骨騎士達と戦う様子をこの目で見ました、ギレ副団長が先般おっしゃられた通り魔物相手に魔法を使いながらの戦闘!!!実戦での強さ、お言葉通りでした!!!」


 憧憬の篭ったディートルの言葉にギレも同意する。


「ええその通りでしたね、マテウス殿の戦いぶりも含めて大陸最強の傭兵団ゴルトヴォルフ(金狼)の噂は伊達ではありませんでした」


「その最強の傭兵達が元の身があの歴代最強との伝説の近衛騎士団団長だった凄血伯爵と、どう戦うか・・・不謹慎で申し訳ありやせんが楽しみですなあ・・・」


「そうですね、私も同感ですよベルク」


 ベルクのぞんざいな口調にギレは頷くのであった。






(うん?この気配・・・魔力が高まってるのか・・・)


 エルヴィンは違和感に気付く。


「エルヴィン・・・」


 マテウスが小声で呼び掛け、視線でエルヴィンに見ろと指し示す。


「ああ、そうだな・・・」


 二人が見る場所には彼等が倒した骸骨騎士の亡骸があったのだが、すうーっと消えていく・・・。


(ソティリオが魔法を使った様には見えなかったが・・・)


「エルヴィン君、お楽しみの途中で非常に残念ですがこの辺で帰らさせていただきますよ。あなた方と凄血伯爵との戦いは本当に拝見したかったのですがね、もう時間ですので、クックック、ハッハッハ」


「ソティリオよ、さっきも言ったはずだ。片手だけで済ますつもりはないとな」


 エルヴィンはそう言うとじりじりとソティリオに近付こうとする。


「傭兵、お前の相手は俺がしてやろう」


 すると、くぐもった声を出しながら凄血伯爵と呼ばれたデス・ナイトがエルヴィンの前に立ちはだかる。


「邪魔をするなぁ!!!」


 エルヴィンは有無を言わせずに強烈な一撃を袈裟斬りを放つがデス・ナイトは余裕で受け止め、その凄まじい膂力でエルヴィンの体ごと押し返した。


「なるほど、主殿をてこずらすのも納得だ、先程戦ったヘストの孫よりは腕が立ちそうだ」


「凄血伯爵とか言ったな、デス・ナイト。お前は何か感違いしてるんじゃないか」


「感違いだと?」


「ああ、そうだ。生身の体ならお前はレオ団長よりも遥かに弱い!」


「な なんだと?」

















すみません、彼女の出番は、ら 来週にて・・・。


早いものでもう今年も半分終わりましたね、この頃時間が経つのが早く感じられます・・・。


また、皆様と来週この時間にてお会いしましょう^^


この物語を楽しみにして頂いてる全ての皆様にお礼を申し上げます。


本当に、ありがとうございす^^

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