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魔女祭り39 デスナイトとの戦い 2

(多数の手練れを相手にする場合の鉄則・・・)


 マテウスは胸中にてそうつぶやくと自分の方に向かってくる骸骨騎士達の一団の左端の一体に目標を定めると全速でその一体の間合いの中に入る。マテウスの速さに逡巡しながらもその骸骨騎士は剣を構え打ち下ろそうとするが、ふいにマテウスは身を沈める。一瞬、間合いを外されたその骸骨騎士はそのままためらわずに凄まじい一撃をマテウスに振り下ろす。マテウスは身を起こしながらその襲いかかる骸骨騎士の両手首をはらうや否や剣を一閃させ骸骨騎士の頭上から股先まで切り落とす。


(常に一対一になるよう戦う位置取りをすること・・・)


『ズダン・・・』


 音を立てながら倒れた骸骨騎士を一瞥するとマテウスはエルヴィンの方へ視線を向ける。


(こちらは、もう一体片付けたよ、エルヴィン・・・)


 一方エルヴィンは自分に向かってくる骸骨騎士達の先頭の一体の正面に立つと徐に腰を沈め剣の鍔元に手を添える。その姿に戸惑った骸骨騎士の隙をエルヴィンは見逃さずに


「ふん!!!」


 エルヴィンは鋭く踏み込むと抜く手も見せずに抜き打ちを放つ。


『ビュン!!!』


 胴の位置を少し斜めに斬られたその骸骨騎士はその体の上下をずらしながら崩れ落ちる。


 残心の姿勢のまま倒した骸骨騎士を見下ろすエルヴィンの剣はすでにその鞘の中に収められていた。




「何をしているのだ、相手を牽制しながら油断なく囲め!!!」


 凄血騎士と呼ばれた骸骨騎士が思わず声を張り上げる。


「ふむ、やはりこの二人はやっかいですね・・・そう言えば彼はどこに居るのか?」


「彼とは?」


「念のためにあなた達と一緒に召喚した骸骨魔術師です」


「デス・メイジまでも召喚されておられたのですか?」


「ええ、おかげであなた達を一度に多く召喚しましたから私の残りの魔力もあまり充分とは言えないのですよ」


「私は、その者の存在に気づきませんでしたが」


「では、捜してみましょう・・・」


 と言って、ソティリオは意識を集中させる。






「あなた、エルヴィンの姿があんなにも黄金色に輝いて見えるなんて・・・」


「ああ、そうだな・・・。余もあの姿になったエルヴィンを久々に見る。以前見た時は日中だったからな夜陰にあの黄金色のオーラを纏ったあいつの姿は初めてだ・・・」


 感に堪えないと言った表情で夫に語り掛けるアグネスに同意するように答えるハインリッヒ王であった。


「戦っているエルヴィン達には申し訳ないのですが、不謹慎にもその剣を振る姿が美しいと感じます・・・」


「うむ・・・」


「人間相手にエルヴィンがあの状態になることはまずありません。あの魔物の骸骨騎士相手にエルヴィン達も本気になって戦っている証でございましょう、かの姿が金狼ゴルトヴォルフと称せられる所以かと」


 王夫妻の傍らに立つアリスティッド卿はさりげなく補足説明をする。


「そうか・・・」





「うん、とってもきれいです・・・戦っている姿が舞いのようです・・・金色の光にお身体が覆われてエルヴィン様が動く度に光の影がすうーっと滲みながら消えるのです・・・エルヴィン様・・・かっこいいです・・・セシリア様・・・」


「そ そうなんですね・・・」


(エルヴィン様のお姿が見れない・・・)


 フィーネからエルヴィンの戦っている姿の模様を聞かされる度に自分が見ることができないことをとても残念に思うセシリアであった。


(今日ほど自分のこの目が不自由なことを残念に思ったのは、いつ以来でしょうか・・・)


「エルヴィン殿達は、どのような修行や鍛錬をされてあれほどの武技を会得したのでしょうか?」


「えっ、アルフィオ?」


「セシリア様、至らぬ私のために高度な治癒魔法を掛けていただきありがとうございました」


「アルフィオ、だ 大丈夫なのですか?」


「はい、セシリア様の治療のおかげで何とか」


 セシリアの横には晩餐会会場でソティリオによって重傷を負わされたアルフィオの巨体が外灯の灯りに揺られながら立つ姿があった。


「私も、アルフィオに同感だ。エルヴィン殿やマテウス殿のように同じ戦士としてあのような武技の高みに切実に至りたいと思う・・・本当にどのような修練をしてきたのであろうか・・・」


 アルフィオに肩を貸しながらヴィオラも語り掛ける。


「金狼かあ・・不謹慎だが・・・美しい姿だ・・・本当にまるで戦っている金色の雄の狼のようだ・・・」


「そうです・・・本当にきれいですねえ・・・」


 フィーネは両手を胸の前に握りしめてエルヴィン達の戦う姿に見入るのであった。






『ガキィッ!!!』


「クッ!!」


(て 手強い!!!)


 エルヴィンは三体の骸骨騎士に囲まれるように戦いを強いられ受けに回る機会が増えてきたことに少々焦りだしていた。ハインリッヒ王夫妻やセシリアやフィーネから見ると余裕で華麗に舞うように見えたエルヴィンだが実のところギリギリで戦っていたのである。


(元々、こいつらは近衛騎士団の団員だ。こう組織だった戦いをされると厳しいぜ・・・)


 自分の立ち居地を目まぐるしく変え包囲されないように戦うエルヴィンにそうはさせじと包囲の輪を解かずに斬りかかる骸骨騎士達、膠着状態が続く。


(このままじゃ、ジリ貧だ。魔法戦を続ける体力や魔力だって無尽蔵ではないからな・・・やってみるか!)


 エルヴィンは正面に立つ一体の骸骨騎士に素早い一撃を加える。相手の骸骨騎士は辛うじてその剣撃を受け止めるとその凄まじい膂力でエルヴィンの身体ごと押し返す。


(ここまでは想定内、ここだ!!)


 エルヴィンは飛ばされた身体を着地させると同時に後ろを振り向き右手をかざす


「ファイルス・リヒッツ(光の矢よ)!!!」


 唱えられた呪文によりエルヴィンの右手の先から光の矢が放たれ背後に立っていた骸骨騎士の一体に命中する。


 衝撃を受けたその骸骨騎士の姿勢が崩れた瞬間エルヴィンは駿足で近づき真っ向からその切っ先を振り下ろす。


「セエッイヤーー」


 凄まじい一撃にその骸骨騎士は身体を半分にしながら左右に崩れ落ちる。


「あと、二体だな」


 エルヴィンはそう言うとマテウスの方へ視線を向けるのであった。




(な、何???。あいつ剣で戦ってる最中に光の攻撃魔法って・・・それも無詠唱でって・・・?)











 




 







エルヴィンさんも、やはり強かった(笑)


先週紹介した彼女の活躍は次週以降になりそうですね、お楽しみに^^


梅雨も本番になりましたね、この天気にめげずに一日一日がんばって過ごそうと思います。


それでは、この物語を楽しみにしていただいている全ての皆様にお礼を申し上げます。


本当に、ありがとうございます。


来週もまたこの時間に、お会いしましょう^^





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