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魔女祭り36 骸骨騎士の正体

「ひ 姫様、お気を!お気を確かに!!!」


「う・・・う・・・う・・・」


 カミラは腕の中でつらそうにしているベアトリクスを懸命に励ましている。


「カ カミラ・・・エルヴィンは  エルヴィンは褒めてくれる?」


「ええ、エルヴィン様はがんばった姫様を絶対に褒めてくれます。ですから姫様もうしばらくの間カミラと一緒にがんばりましょうね」


「うん・・・がんばる・・・」


 カミラは健気にもそう答えるベアトリクスの頭を優しく撫でながら考える。


(姫様のこのお身体の熱さ・・・これはただ事ではありません。何とかして・・・)


「カ カミラ・・熱いの・・・。肩のところが・・・」


 目を閉じて苦しそうにしながらベアトリクスがつぶやきながら、彼女は右肩を弱々しく上げる。


「肩でございますか!姫様失礼致します」


 カミラはベアトリクスのドレスの右肩部分をそっとずらす。


「こ これは!!!」





『ガキィン、ギュン!』


(クッ、なんという力だ・・・)


 近衛騎士団団長のレオは自分の正面に立つ骸骨騎士を睨みながら焦燥感をその額に汗と共に滲ませていた。


「さすが、近衛騎士団団長の肩書きは伊達ではないようだな」


 レオは余裕たっぷりと言わんばかりの眼前の化け物に声を掛けられる。


「・・・」


「もう、声も出ぬか?それでもよかろう。だがいつまで俺の攻めを受けきれるかな、敵わぬまでもお前の渾身の攻撃を俺に見せてみろ。今のお前の姿を見たらお前の祖父のヘストは何と言うか・・・」


 瞳の無い眼下で骸骨騎士はレオを見つめる。そして更に語りかける。


「お前の祖父、ヘストはもっと強かったぞ・・・」


 レオは骸骨騎士のくぐもった声を聞くと素早く身を後ろに飛ばすと用心深く構えていた剣を下ろす。


「お前は俺の祖父のことをよく知っているような口振りだが、何故我が祖父のことを知っておる・・・いったい何者だ!!」


「ふむ、気になるか。ならば少しだけ話に付きあってやろう、フフフ」


 その骸骨騎士は骨だけの口角で武器に笑う。


「お前の祖父ヘストは、かつて俺の部下だった」


「な、何だと!!!」


 驚愕するレオに更に追い討ちを掛けるように骸骨騎士の口から言葉が出る。


「あいつ・・・ヘストはとても良い近衛騎士であったな・・・」


「と と言う事はお前は・・・」


「ああ、そうだ。生前中俺はこちらの世界では・・・カール・フォン・ビュックラーと言う名だったか・・・」


「カール・フォン・ビュックラーだと!!!」


 その名に驚くレオ。


「レオ団長、カール・フォン・ビュックラーという名前は確か・・・」


 レオの近くに立つギレが冷静な口調で尋ねる。


「3代前の近衛騎士団団長の名前だ・・・」


「やはり・・・そうでしたか」


(カール・フォン・ビュックラー・・・凄血伯爵と称され歴代近衛騎士団団長最強との伝説を持つ男・・・彼と彼の率いる近衛騎士団の死には未だ謎の部分が多いと聞くが・・・)


 副団長であるギレがその恵まれた記憶力からカール・フォン・ビュックラーと名乗った骸骨騎士の正体を探ろうとする。


「ギレよ、道理であの骸骨騎士達の太刀筋が我らに似ていると感じた訳だ」


「はい、同感です」


 レオは感情を隠しながら改めて骸骨騎士に問いかける。


「カール・フォン・ビュックラーと名乗る骸骨騎士よ、もしその言葉が事実だとすると回りにいる他の骸骨騎士達もおぬしの部下、元近衛騎士団団員ということか?」


「いかにも、お前の祖父ヘストと同僚だったというわけだ」


 その言葉に同意するように他の骸骨騎士達が不気味に顔を揺らしている。


「何故に、元近衛騎士団のおぬし達がそのような魔物の姿になって現れているのだ?」


「ふむ、その問いに答えても良いが・・・いや、そろそろ時間か。主殿からの仕事を遂行しなくてはならぬからな」


「お前の主とは何奴だ?どこに居る?」


「我が主は宮廷内でおぬしの主であるハインリッヒ王と面談中だぞ。ひょっとしたらもう終わって王の命を奪っておるやもしれんな」


「な 何だと!!!」


 慌てて宮廷の方向を振り向くレオとギレの二人。


「さて、お話の時間はこれで終わりだ。十分に時間は稼げただろうからな」


 その声にまた振り返るレオとギレに対し骸骨騎士は非情に宣言する。


「残りの仕事を片付けよう、お前たちの命を頂こうか・・・弱い現近衛騎士団諸君よ!」







「フンッ、セイヤァッ!!!」


 ソティリオの凄まじい斬撃をかわすや否やソティリオの顔面を払うようにマテウスは踏み込む。その攻撃を腰を少し落としてかわすソティリオ・・・。二人の戦いはもうすでに何合になるのか・・・。


「ソティリオとか言ったね、なるほどエルヴィンが手こずる訳だ・・・」


「あなたこそ、私とここまで剣の稽古ができるとは」


 二人は、そう言いながら呼吸を整え間合いを計っている。


(もう、頃合だな)


 「マテウス、手伝うぞ」


 エルヴィンは、そう言うと剣を音も無く抜くとマテウスとソティリオが対峙する場所に近づきそしてマテウスから見てソティリオを挟んで反対側の位置にそっと身を置く。


「ん?これはいけませんね」


 ソティリオは気づく。エルヴィンが自分の死角に入るように足音も立てずに少しずつ横に移動しているのだ。


「あなたたち、戦い慣れしてますね・・・」


「そうかい、まあ傭兵だからな俺達は・・・」


 ソティリオの言葉にエルヴィンが答える。


「エルヴィンの方ばかり気にしていいのかな?」


(はっ!?)


 マテウスの声に慌ててソティリオは視線をマテウスに向け左手片手で剣の切っ先も向け牽制する。


(これは、まずい・・・まずい。この二人相手では・・・き 危険です!)


 ソティリオの額に焦燥感が出た瞬間、


「ソティリオ、こっちだ」


 マテウスに目を向けた一瞬の間にソテイリオの死角に入ったエルヴィンがソティリオを呼ぶ。

 エルヴィンはソティリオが自分の方を見るのを確かめると思いっきり右足で『ドンッ!!』と床を踏み込んだ。


 その音に反応したソティリオに隙ができたのをマテウスは見逃さない。


「シャアーッ!」


 ソティリオは反射的に左手一本で持った剣でマテウスの斬撃を防ごうとするが


「グッ!!!!!」


 振り上げられたマテウスの剣の切っ先の向こうに『ゴトン・・・』という音とともに剣を握ったままのソティリオの手首が落ちた。


「グゥ・・・クッ・・・」


 飛び散る血の左手を右手で押さえるソティリオが苦悶の声を上げる。


「痛いかい?でも片手で済んだのだから僕に感謝してもらいたいね」


 マテウスは剣を一振りして血糊を掃うと


「まだ僕は優しいからこれで済むけど、うちの団長をこんなに怪我をさせたら副団長のヴィリィならあなた・・・八つ裂きですよ」


 冷酷な目でマテウスはソティリオを睨む。


「あっ、そうかあ、まだ八つ裂きの方がいいかもね、ジェイミーが聞いたらあなたは灰になっちゃってけし粒も残らなくなって」


「マテウス!!!」


「あっ、ごめん団長、彼女怖いからね、アハハハ」


 エルヴィンの叱責に首をすくめたマテウスは苦笑いをする。


「まあ、とにかくだ、ソティリオ観念しろ」


 エルヴィンは無言になったソティリオにそう告げるのであった。

























 


















 



ソティリオさんとの決着はついたのでしょうか???


マテウスさんの言葉から新しいお名前が出てきましたね、副団長のヴィリィさん、そしてジェイミーさんというとても怖い??女性の名前。彼女はどんな女性なんでしょうかねまたエルヴィンとの関係は?


最後にご挨拶です。


ブクマを付けていただいた方にお礼を申し上げます。ありがとうございました、本当にうれしく思います。


この物語を楽しみにしていただいてる全ての皆様に感謝の気持ちを・・・本当に感謝ですありがとうございました^^


ではまた来週この時間にお会いしましょう^^

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