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魔女祭り13 近衛騎士団

「エルヴィン殿、いつこちらに戻られたのですか?」


「今日です。アリスティッド卿の自宅に呼ばれて伺っていたらいつの間にか王宮に来るはめになりまして」


「そうでしたか。私も先ほど陛下からの使いが調練所で騎士団の訓練中の私のもとまで来まして、取り急ぎ参った次第です」


「そうでしたか」


「エルヴィン殿がこちらに居るということは・・・やはり例の聖女様の件で?」


「ええ、まあ・・・」


「では、一緒に参りますか」


 そう言うと、レオはばつが悪そうに直立しているディートルに視線を移す


「ディートル、畏れ多くも王宮内での抜剣騒ぎ、これはいかなることだ」


「はっ、だ 団長!申し訳ご ございませんでした。こ こいつ  いや、いえこの方が団長のお知り合いとは存じず不審者として職質をしたところ抵抗されたので、つ つい・・・」


「エルヴィン殿が、なぜここに居たかお前はきちんと尋ねたのであろうな」


「は、はい・・・いえ しっかりとは・・・」


 うつむくディートルから視線をエルヴィンに移したレオは


「エルヴィン殿、部下の非礼それを預かる団長の私の不徳の致すところ、本当に申し訳なかった。このとおりです」


「いや、レオ団長。頭を上げてください。自分も少々大人げなかったと反省しているところですから」


「そう言っていただけるとありがたい。なにぶん、ディートルはこの四月に近衛騎士団に配属になったばかりであってまだ宮廷関係者の全てが把握できてないもので」


「レオ団長、お気になさらずに。自分もいつもここに来ているわけではありませんから、不審者と思われてもしょうがないですよ」


「ディートル、これからも近衛騎士団の一員として人を見る目を養え、よいか」


「は、精進いたします」


 3人の会話が終わるのを待ちかねたように、レオの後ろに立っていた男がエルヴィンに声をかけた。


「エルヴィン殿、お久しぶりです」


「こちらこそ、ギレ殿」


「しばらくは、こちらに?」


「ええ、そのつもりですが」


「では、また剣の稽古をつけていただきたいのですが?」


「いやあ、ギレ殿のような達人に稽古をつけるなんて、おこがましいですよ」


「ご謙遜を、とにかく少しの時間でもよいですからお手合わせをお願いします」


「そうですね、ギレ殿にそこまで言われては断れませんね。こちらこそお願いします」


「絶対ですよ、その言葉忘れないでくださいね」


「そうだ、エルヴィン殿。ギレはこの四月から副団長になってるのだが、知っておりましたかな?」


「それは初耳です。ギレ殿、おめでとうございます。ギレ殿の人柄とその腕であれば当然のことかと自分は、そう思いますが。」


「エルヴィン殿にそう言ってもらえると心強いですね、非才ながらレオ団長のお役に立てるよう日々修練、努力したいと考えてます」


 自分の片腕とエルヴィンの良好な関係に満足したように一人レオは頷くと、気づいたように呼びかける。


「では、エルヴィン殿、行きましょうか」


「ええ。ではまたギレ殿」


「では、またエルヴィン殿」


 王の私的応接の間に向かう二人の後姿を見送りながらギレはまだ恐縮したまま立ち竦むディートルに声をかける。


「怪我は、その様子ではなさそうですね」


 ギレの声に、われに返ったようにディートルは答える。


「は はい、大丈夫であります」


「それは、よかった。ディートル、団長の言ったように君はもう少し人を見る目を養わないといけませんよ。我々は、王陛下及びそのご家族をを守る近衛騎士団です。ここ王宮には各国の使節団や国内諸侯の来賓客がそれこそ毎日のように出入りする場所です。その中で我々は見知らぬ人と何度も顔を合わせますがそれでも王家に悪意を持って危害を向けようとする人物を見極めなければなりません。わかりますね」


「は はい」


「そのためには、まず人に対する尋ね方から訓練ですね」


「は はい」


「我が近衛騎士団員は紳士であれが、団長の指示ですから」


「はい」


「そう、わかれば良いです」


 と、言って二人の後を追おうとしようとしたギレにディートルはおずおずとした表情でギレに尋ねる。


「あの、副団長殿」


「ん、何か?」


「あの、エルヴィン殿という人物はどういった方なのでありますか?」


 ああ、と言った表情でギレは答える。


「そうでしたね、君はエルヴィン殿のことは知らないんでしたね。エルヴィン殿は傭兵です」


「傭兵ですか・・・」


「ええ、ゴルトヴォルフ(金狼)という傭兵団の団長です」


「傭兵団ゴルトヴォルフ(金狼)の団長・・・」


「その名を聞いたことはありませんか?」


「いえ・・・」


「そうですか。ならばこれからはその名を覚えておいたほうが良いでしょう。かの御仁は王陛下とも個人的な知己でもありますしね」


「王陛下と!!」


「ええ、陛下が皇太子時代からのお知り合いだそうですよ」


「!!!」


 エルヴィンが王と個人的な知り合いという事実を知らされたディートルは呆然としてしまう。そんなディートルにむかってさらにギレは言葉を続ける。


「と、言うことは陛下の信頼が厚いということも想像できるよね」


「はい・・・」


「ただ、皇太子時代からの知り合いというだけであの陛下が信頼している訳ではありませんよ。エルヴィン殿の力量もそうですが、彼が率いる傭兵団の実力があればのこそです。私が知りうる中では最強と言っていいでしょう」


「あの、副団長殿」


「どうしました?」


「し 失礼を承知でお聞きします」


「ふむ」


「今、最強と言われましたが、エルヴィン殿はそんなに強いのでしょうか?」















近衛騎士団副団長、ギレさん初登場です!知的な感じのするこの人物、今後どんな活躍をするのでしょうか?


今年の冬は、とっても寒そうですね、皆様がたもくれぐれのご自愛ください。


お決まりのようですが、この物語を楽しみに読んでいただいてる全ての方にお礼を。


本当にありがとうございます。

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