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8話 一年後 その2

新たなる旅立ちだと言っていたけれど、結論から言うと無理だった。


たとえ加護や技能スキルがあったとしても、奈落の底の魔物のスペックが、地上の魔物のスペックを遥かに凌駕しているから、安定して倒す事が出来ない。


それにまだ目覚めてから一日も経っていないし、一年もずっと寝てたから体が重い。


だから今日は休んで、明日からの三日、四日はリウルを拠点として特訓しようと思う。


人間味が無くなる前に何とかして強くならなければ。


それと、武器の事で新たなる情報が手に入った。


それは、あの武器【亜人武器】は俺と同じ擬似魂を使ってるらしい。


その話が本当なら【亜人武器】には、自我が存在する。


【亜人武器】とは、俺が勝手にそう呼んでるだけな。


まぁ、そもそも【亜人武器】は、持ち主と魂をリンクさせなければ本来の力を発揮することが出来ない。


だから今日の夜、寝てる時に【亜人武器】と俺をリンクさせるとおじいさんが言っていた。


俺が、目覚める前に終わらせといてくれよ。


【亜人武器】の事は、それでいいとしてだな、後は魔法をどうするか。だ。


せっかく技能スキルで、【全属性適性】、【魔力操作】を持っているのだから魔法を覚えないと損だ。


【全属性適性】 全ての属性の魔法に適性がある。


【魔力操作】 魔法を撃つ際に、魔法陣、詠唱不要。


確かに魔法は自分で考え、模索し、自分だけのオリジナル魔法もあるから、誰かに教えてもらわずに自分だけの力で習得する事も可能だ。


が、オリジナル魔法を習得するにはかなりの日数が必要だ。


だから、圧倒的に時間が足りない。


魔法の中でも、雷の魔法は何とかして覚えたい。


雷の魔法が使えなければ、拳銃の電磁誘導が使えない。


拳銃には、魔力を効率よく溜め込む性質がある鉱石と、不壊属性を持っている鉱石を使っている。


剣にも、不壊属性の鉱石は使われてるけど。


だから拳銃に、電気の性質がある魔力を溜め込むことによって、レールガンとして使えるようになる。


………。ん?ちょっと待て、電気の性質がある魔力が扱える事が出来ればいいんだから、雷の魔法なんて覚える必要がないじゃん。


今更、そんな事に気が付いた。


まぁ、魔法は覚えたいけど。


それは、地上に戻ってからでいいかな。


だからこの三日、四日で情報を集める事にしよう。


情報があるかないかでは、全然違うからな。


と言うわけで、早速行動に移そうか。


俺はエルフであるルーラさんにその事を伝えると、 「そんなの簡単よ。数時間あればこの世界だけでなく、あなたが元々住んでいた世界の情報も簡単に把握出来るわよ。まぁ、脳には相当負担がかかるけどね。あ、あなたは大丈夫だったわ。だってあなたの脳は、既に改造済みだからね。」と言われた。


どうやら、俺の脳は改造済みらしい。


その理由は、俺の左目の義眼にあった。


左目の義眼は相手の動きを予測したり、演算装置による思考の加速ができ、義眼の演算加速は『一秒間を千秒間に体感』させる事が出来るが、莫大な情報処理で脳が付いて来られず、最悪死に至る。


だから、脳を改造して莫大な情報処理について行けるようにしたらしい。


それで「どうしたら情報を簡単に把握出来るんだ?」と言ったら、「こうすればいいのよ。」と言って、頭のデコとデコを合わせた。


そうしたら物凄いスピードで、情報が頭の中に入って来た。


亜人のカガク技術、魔法、剣技、神代の迷宮の事、地球の事などなど。


意識は物凄い情報量によって保てなかった。


数時間経った頃、目を覚ました。


「目が覚めた?」と言われ、「はい。」と応えた。


「これで、いいのか?」と聞いたら、「はい。」と言われた。


情報を集めるのに、三日、四日はかけようと思っていたのに、数時間で終わったから、明日から地上へ向かおうと決めた。


そこからは、ご飯を食べて、すぐに眠りについた。


どうやら、脳を改造しても、あの情報量はキツかったようだ。



「ここは、どこだ?」


「ここはあなたの精神世界。私達はあなたとリンクするためにここに来た。」


「リンクって事はお前らが【亜人武器】か。それで、どうしたらリンク出来るんだ?」


「私達は、何もしなくてもいい。外の人がやってくれるから。」


おじいさんが、やってくれてるのか。


「いつ終わるんだ?」


「数分で終わります。」


「自己紹介でもしようか。俺は、南条 アオバだ。よろしくな。それでお前らの名前は?」


「ない。」


「ないのか?」


「はい。なので、あなたがつけてくれると嬉しいです。」


「そうなのか。名前、名前ねぇ。」


俺は、考える。


外国人っぽい名前はあまり好きじゃないから、日本人に居そうな名前がいいな。


「えーと、じゃあお前はさゆりな。そしてお前は、ありさ。うん、これでどうだ?」


「さゆり。いい名前です。大事にします。」


「気に入ってくれて、よかったよ。えーと、ありさはどうだ?」


「…。」


「あの子は無口だから、話しかけても無駄だと思う。」


「そうなのか。」


さゆりは、黒髪ポニーテールで日本人みたいな容姿をしており、年齢は十三歳くらいで、平均的な体型をしていて、何より可愛い。


ありさも、もちろん日本人みたいな容姿で、年齢は十一歳くらい、平均的な体型、さゆりよりは大人しいけど、やっぱり可愛い。


何より、黒髪ロングなのだ。


俺は、黒髪ロングが一番好きなのだ。


それで何となく分かるのだがさゆりが剣で、ありさが拳銃だ。


文句無しだった。


「どうやら、お別れの時間みたいです。」


「そうなのか?」


「この精神世界と現実世界では、時間の流れが違うので。」


「ふーん。そうだ、またいつか話をしような。」


「はい、またね。」


最後の、さゆりは年相応の顔をしたような気がした。



現実世界では、今は朝だ。


さゆり達との、話が終わってすぐに起きた。


俺は、意味もなくステータスカード見た。


南条 アオバ 十五歳 男 レベル1

天職 錬成師

筋力 10

防御 10

敏捷 10

器用 10

魔力 10

魔耐 10

精神力 10

技能スキル 共通認識 錬成 喰奪 分析 胃酸強化

加護 亜人の加護 神の加護

称号 自由人

亜人武器 さゆり ありさ


【亜人武器】という項目が、増えていた。


俺は、側に置いてあった【亜人武器】を【分析】する。


さゆり 十三歳 女の子

熟練度 0

主人アオバとの相性 100

筋力 +100

防御 +100

敏捷 +100

器用 +100

魔力 +100

魔耐 +100

精神力 +100

亜人スキル 半減 擬人化


ありさ 十一歳 女の子

熟練度 0

主人アオバとの相性 100

筋力 +100

防御 +100

敏捷 +100

器用 +100

魔力 +100

魔耐 +100

精神力 +100

亜人スキル 効率 擬人化


【半減】 主人アオバが受けたダメージを半減する。

【効率】 魔力を効率良く、無駄なく使う。

【擬人化】 人になれる。
















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