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4話 強いのにも意味がある? その2

リリの装備、普段着を揃えた俺は、転移してからまだ二日も経っていないことに気付く。


確か一週間後に、祭壇に集まるようにと言われてるけど、ハッキリ言って行く必要が無いと思う。


だって、俺この世界救う気ないし。


まぁ、念には念をと言う事で、行こうと思う。


集まるまで後、六日何しようか?


そうだ、家を見に行こう。


さすがに、これからも宿を借りるというのは、良くないしな。


そうと決まれば行動あるのみだな。


「よく聞けお前ら。これから家を見に行く。良い家を見つけたら、そこに住もうと思う。」


「アオバがそうと決めたのなら、それでいい。」


「私もそれでいいです。」


「お兄さんが、そうするなら、私もそれでいいと思う。」


「よし、行くぞ!」



あんなに、張り切って家を見に行ったのに、高かった。


「くそ!何でこんなに高いんだ。」


「無理もない。でも、私はあの家に住みたいです。そうですよね。ルル、リリ。」


「「うん!」」


「だって、高いんだぞ。九十六万 Gギルだぞ。もし、あの家に住みたいのなら、俺に協力しろ!」


九十六万 Gギルは、日本円でいうと、九千六百万円くらいだ。


「「「はい。」」」


ララ、ルル、リリはやる気十分だ。


俺たちは魔物を倒し、金を稼ぐことにした。


まぁ、それ以外の稼ぎ方を知らないだけなんだけど。


確かドラゴンの爪と牙を売ったら、一万 Gギルくらいだったはずだから、あのドラゴンを九六体。


無理だな。


さすがにあいつらが強くても、これはキツイだろうな。


だが、ここで諦めるわけにはいかないからな。



俺たちは、門から外に出た。


それで、迷宮と言われるところに向かっている。


どうやら迷宮の方が魔物が多く、強い魔物も多いらしい。


もちろん、迷宮に行く途中に出会った魔物も倒しつつだ。


「よし、着いたな。お前ら、準備はいいな!」


「はい。」


「 「うん。」」


俺たちは、ダンジョンに入る。


ダンジョンには、スライム、ゴブリン、リザードと言った、一人でも倒せる魔物から、ミノタウロス、ゴーレム、サイクロプスなどの一人では倒すのは難しい魔物が揃っていた。


そういや、精霊武器ってどうやって呼び出すんだろう?


まぁ、名前でも呼んでみるか。


「エル、リア」


名前を呼ぶと、無事に出現した。


左手には、エルが。


右手には、リアが。


エルもリアも、刀型の武器で、刀身はどちらも、七〇cmくらいで、柄からは、鎖が伸びていた。


戦闘には、邪魔にならないくらいの鎖が。


それから俺たちは、敵を倒しながら、奥に進んで行く。


ミノタウロスを倒すと、角がドロップし、ゴーレムからは、金属がドロップする。


その他にも、魔石と呼ばれる魔物の核もたくさん手に入れた。


使い方はわからないが。


それらの、ドロップアイテム、魔石は、リアの【精霊スキル】である【創造】で創った、あの有名な猫型ロボットが持ってる二次元ポケットを基にしたバックパックに入れている。


本当に入っているのかと思うくらいに軽い。



そして、遂にダンジョンの奥に辿り着いた。


ダンジョンの最奥には宝箱があり、その宝箱を護る守護者がいると聞いている。


「グガァァァァァ。」


その声の主は、体長10mは遠に超えているドラゴンだった。


俺は、エルの【精霊スキル】である【分析】でドラゴンの詳細を調べる。


赤炎龍 レベル63

筋力 5069

防御 6079

敏捷 4061

器用 3728

魔力 4294

魔耐 5091

精神力 4986

技能スキル ファイアブレス


「レベル63だと!おいお前ら、逃げるぞ!」


「いいえ、戦います。」


「勝てるわけないだろうが!」


「勝てます。私たちなら。」


くっそ。あいつらは逃げようとしないのに、俺が逃げるわけにはいかないよな。


本当は、怖い、逃げたい。


だが、俺より幼い少女が戦おうとしている。


だから、逃げるな。


「わかった。行くぞ!お前ら!」


「「「はい!」」」


俺たちは、赤炎龍に突っ込んで行く。


俺は、ドラゴンに飛び乗り、背中斬る。


だが、カッキィーンと硬い金属を叩いたような音が響き、俺に斬った振動が返ってきた。


「硬っ!」


俺は、ララとルル、リリの方を見る。


ララとルルはともかく、リリは俺と同じで攻撃が入っていないらしい。


どうする。


ここで、ララとルルだけに任せるのか?


それで、本当にいいのか?


いつまでも、守ってもらうのか?


そんなわけにはいかないだろ!


「【精霊武器】エル、魔剣ヘルヘイムに進化可能。」


「【精霊武器】リア、龍剣ランドルグに進化可能。」


突如、そのような音声が聞こえて来た。


「なんだ?」


『アオバさん、私たち進化出来るようになりました。あなたの強い気持ちが私たちに作用したようです。』


エルの声だ。


だが、エルの姿はない。


『念話ですよ。アオバさん。』


次は、リアの声。


念話、テレパシーの事か。


俺にも、出来るのだろうか。


声を聞くことが出来るなら、発する事も出来るはずだ。


『進化って何なんだ?どうすれば出来る?』


よし、声を発する事に成功だ。


『念じてくれれば、進化出来ますよ。私たちは、あなたの魂の一部、繋がってるんですから。』


『そうか。それじゃ、進化してくれ!』


『はい。』


その瞬間、【精霊武器】が、輝き始める。


徐々に、形が変わり始め、そして終わる。


【精霊武器】は元の原型をとどめていなかった。


だが、刀身の長さ、重さは同じだった。


魔剣ヘルヘイムは全体的に黒く、黒いオーラを纏っている。


龍剣ランドルグは全体的に紅く、紅いオーラを纏っている。


これなら、攻撃は通じるはず。


「ふっ!」俺は、二刀を振り下ろす。


今回は、先程のような音は出ず、サクッとドラゴンを斬ることが出来、そして斬撃だけで核である魔石、そして腹まで斬った。


ドラゴンは核である魔石を失い、灰となって消え、残ったのは、爪と牙そして鱗だ。


「ふぅ。勝ったな。」


俺は【精霊武器】を見る。


【精霊武器】は元に戻っていた。


ありがとうな。


エル、リア。






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