15話 久しぶりの地上 その1
俺のレベルが下がっていたから、まさかと思って【分析】でイムルを調べてみた。
だが、イムルのレベルは下がってなかった。
幸い、スキルと加護は戻ってなかったからよかったけど、もしスキルと加護が元に戻っていたら、どうしようかと思った。
もしかしたら、レベルが下がったのは、ウィルネスさんの力や、神代魔法である【生成魔法】のせいなのかもしれない。
確かに、「レベルが1になってたらごめんなさいね。」とは言ってたけど、本当にレベル1になるとは思わなかった。
「イムル。この辺りで一番近い迷宮がどこか分かるか?」
「分かんない。」
「そうか、仕方ない。知識を探るか。」
知識を得たのはいいが、量が多すぎて、すぐには思い出せない。
俺は、知識を探る。
「えーと、一番近いのは、ルカール迷宮か。となると、まずはリンドルって街に行くか。」
「うん。」
俺は、指輪を使い、異次元空間から、ある物を取り出し、乗った。
ある物とは、魔力駆動二輪の事だ。
まぁ、日本でいうバイクみたいな物だな。
移動手段があれば、移動が楽だと思って作ってみた。
魔力駆動二輪は魔力を動力とする二輪で、 車輪には弾力性抜群の魔物の革を用い、各パーツはそのパーツごとに合った鉱石を使っており、不壊鉱石で表面をコーティングしているから、絶対に【亜人武器】で攻撃しても壊れない耐久性がある。
エンジンのような複雑な構造のものは一切なく、アオバ自身の魔力か魔吸鉱石に蓄えられた魔力を直接操作して駆動する。速度は魔力量に比例する。
黒がベースの色で、青色のラインが入っているそんなシンプルなデザインだ。
不壊鉱石とか、魔吸鉱石っていうのは、俺が勝手につけた名前だ。
不壊鉱石は不壊属性を持つ鉱石で、魔吸鉱石は魔力を吸収し溜め込む鉱石の事だ。
その他にも、混軽鉱石とか、衝吸鉱石っていう名前をつけた。
「よし、行くぞ。掴まってろよ。」
「うん。」
俺達は、リンドルに向かった。
方角などは分かっていたので迷わず、それに魔物を相手にしなかったので、リンドルに1時間もしないうちに着いた。
まぁ、少しリンドルの手前で降りたけど。
誰かに魔力駆動二輪見つかったら、めんどくさそうだしな。
俺たちは、魔力駆動二輪から降り、それを指輪を使って異次元空間に送った。
やっぱり、指輪は作ってよかったわ。
時間があったら、イムルの分も作ってやろう。
俺たちは、残りの道を歩く。
「おい、待て。お前達。」と門番に言われ、歩みを止めた俺は「何だ?」と返した。
「身分を証明出来るステータスプレートを見せてくれ。」
「何でだ?」
「魔族が人に化けてるかもしれないからな。」
「ふーん。これでいいか?」
俺は、一番最初のステータスプレートを見せる。
「南条 アオバだな。それで、そっちの子は?」
「使い魔だ。書いてるだろ、ステータスプレートに。」
「じゃあその子がイムルか。よし、通っていいぞ。」
ステータスプレートを改造しててよかったわ。
さすがにレベル1とか、全ステータス1とかおかしいからな。
改造したステータスプレートは、ステータスカードとほぼ同じ内容だが、技能の量が多いから、量を減らしたり、【亜人武器】という項目を消した。
俺たちは、リンドルに入って行く。
俺たちは、まず冒険者ギルドに向かっている。
冒険者ギルドは、どんな町にも一つはある。
冒険者ギルドに向かっている理由は、お金がないからだ。
だから、ドロップアイテムや魔石を換金しようと思っている。
さすがに奈落の底の魔物のドロップアイテムなどを出すのは、まずい気がするから、さっきリンドルに徒歩で向かっている途中で、魔物を倒して、ドロップアイテムなどを回収していたのだ。
「ここか。」
俺たちが止まった建物の前には、看板が置いてあり、看板には冒険者ギルドと書かれていた。
「入るか。」
冒険者ギルドは、酒場が併設されているなのか、朝から人が多い。
その人達は、俺たちが入った瞬間、一斉に俺たちの方へ見てきた。
品定めでもするような目つきでな。
俺たちはそれを気にせず、受付へと進み、「換金したいんだが。」と言った。
「はーい。えーと、換金したいドロップアイテムや魔石を出してください。」
「これだ。」
俺は、ロクに【分析】もせずに魔物を倒したから、何の魔物のドロップアイテムや魔石なのか把握してない物を出す。
「換金してきまーす。」
「あぁ。」
この人いちいちうるさいな。
元気すぎだ。
そして、未だ俺たちの方を見ている者たちの方を見て言った。
「何だ、さっきから。俺たちの方ばかり見て。」とな。
そうしたらある男性が、「お前なんか見てねぇよ。俺たちが見てたのは、そっちのお嬢さんだ。」
「あぁ。なるほどな。そりゃ、無理もないか。」
そう言って、受付の方へ向き直す。
「ご主人。男の人、みんな私を見てる。気持ち悪い。」とイムルは言ってきた。
「イムル、それはお前が悪い。」
「何でー?」
「それは、お前が可愛いからだ。」
「私、可愛いの?」
「あぁ。」
「ありがとう。」
「本当の事を言っただけだ。」
暫くすると、「換金出来ましたよ。全部で、120 Gです。」
「あぁ。」
俺は、お金を受け取り、冒険者ギルドを出た。
「取り敢えず、宿でも探すか。」
「うん、そうだね。」
そう言って、俺たちは宿を探し始めた。
2作目の村人でも強くなれるんです。もよろしくお願いします。
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