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14話 新たなる召喚者

南条 アオバ達が、地上に戻れた頃。


私、 南条 香織は、毎日がつまらなかった。


今はもう、いなくなって1年以上経つ。


話は変わるけど、私は、結構可愛いと思う。


身長も高くもなく、低くもない。


頭も良いし、出るところは出ていて、引っ込んでいる所は、引っ込んでいる(と思う)。


それで私は、おにぃが大好きだった。


いつもゲームばっかりで、情けなかったけど、何より優しかった。


でも、私はおにぃには甘えたくなかった。


私とおにぃは、本当の兄妹じゃない、私を一人の女性として見て欲しかった。


だから、甘えたくても甘えなかった。


でも、おにぃはいなくなってしまった。


後悔しか残らなかった。


もう二度と甘えられないかもしれないから。


こんな事起きるなら、甘えた方が良かった。


そんな事を、学校の授業中に思っていた。


私は、今14歳で、 中学3年生だ。


おにぃが居なくなった時の年は14歳。


今の私と同じ歳だ。


もう一度おにぃに会いたいなぁ。


おにぃは、もしかしたら、異世界転移?ってやつに巻き込まれたのかもしれないなぁ。


私も、異世界転移?されないかなぁ。


そう思いながら、閉じていた目を開ける。


そこには、魔法陣?が浮かび上がっていた。


何これ?っと、 その魔法陣?を見た者達は、思ったが、すぐに立ち上がり、教室から出ようとした。


だが、教室のドアは開かなかった。


そして、魔法陣?は、一段と光り輝いた。


その光は、クラスを覆い尽くし、私を光が包んだ。


そして、「剣と魔法の世界へようこそ。」というアナウンスが聞こえた。



ここは、どこなんだろう。


さっきまで、教室に居たはずなのに、今私は、何も無い空間に一人だ。


違った、もう一人いた。


その人は、女の子で、私より年齢は低いと思う。


銀色の髪に、紫紺の瞳。


日本には、絶対に居ないと思わせてしまうほどの、美少女だった。


私は、声をかけた。


「あの、君は?」と。


そしたら、「私は、あなたの力。」


「え、それってどういう意味?」


「そのままの意味。」


「ん?」


私は、理解しようと、頭を捻った。


別に、物理的に頭を捻ってるわけじゃないよ。


そうすると、その少女は、私の手を掴み、何かを流してきた。


何かというのは、二つあり、一つは情報だと分かるのだが、もう一つは、よく分からなかった。


その情報というのは、


・少女の名前はない。


・私は、異世界と地球の狭間にいる。


・異世界には【精霊武器】というものがあり、召喚された者は狭間で自分の魂から精霊武器を作り、その武器はその人にしか扱う事が出来ない。


というものだった。


「私、異世界に召喚されちゃったの?」


「はい。」


「戻れないの?」


「はい。」


「君の名前は?」


「ない。あなたが付けてください。」


「名前?名前かぁ〜。うーん。」


外国人みたいな名前をつけたいなぁ。


銀色、シルバー、シル、シルヴィ。


「よし、君の名前は、シルヴィだ。」


「ありがとう。」


シルヴィの表情が、少し緩んだ。


「えーと、それで、私はどうしたらいいの?」


「何もしなくていい。今は、準備中。」


「そうなんだ。あ、一つ聞いてもいいかな?」


「どうぞ。」


「おにぃ。南条 アオバっていう人は、異世界にいますか?」


「わかりません。」


「そうなんだ。」


おにぃ、異世界にいるのかな。


もし、いたらどうしようかな。


おにぃの事を考えるだけで、顔が緩んでくる。


「南条 アオバさんは、あなたのお兄さんですか?」


「うん、そうだよ。えーとね、シルヴィちゃん。あなたっていう呼び方やめてくれるかな?私のことは、香織って呼んでほしいな。」


「はい。香織さん。」


「うーん。敬語もやめてほしいな。」


「それは、無理だと思います。でも、頑張ってみます。」


「うん。」


「あ、もう時間です。」


「そうなの?」


「はい。それでは、頑張って下さい。」


「うん。頑張ってみるよ。」


そこで、私はまた光に包まれ、意識が途切れた。



私は、目を開けると、そこには、クラスメイトに、さっきの授業の先生がいた。


私は、辺りを見渡すと、赤い敷物が敷かれており、そして、祭壇があった。


「皆さん。勝手に異世界に召喚してしまい申し訳ありません。俺は、去年この世界に召喚された、神崎 裕太です。こちらは、賢者のラテアシア=ラウンさんです。」


と、そんな事をイケメンな男が言って来た。


私は、神崎という名前に聞き覚えがあった。


よく、おにぃが神崎っていう人の事を話して来たのだ。


あいつは、女ったらしだとか、あいつはイケメンで頭も良いくせに、人の気持ちを考えてないと、おにぃは言っていた。


この人におにぃの事を聞いてみたらいいんじゃという考えが頭をよぎり、私は口を開いた。


「あの、神崎さん。質問いいですか?」


「いいよ。」


「私のおにぃ。南条 アオバはここにいるんでしょうか?」


私は、神崎さんの返答を待った。


「南条なら、死んだよ。」


神崎さんは、表情を変えずに真顔でそう言った。


「え?」


「だから、死んだんだよ。」


私は、信じられなかった。


「なんで?」


「南条は、自分から死にを選んだんだよ。」


は?


何を言ってるんだろうか。


この人は。


おにぃが、自分から死にに行った?


そんなわけない。


おにぃがそんなバカなことはしない。


絶対、この人達が何かやったんだ。


そう思い、周りにいる人達を見る。


そこには、真顔の人達が沢山いた。


おかしい。


何で、クラスメイトが死んでいるのに、そんな平気な顔が出来るんだ。


そこで、私は最もおかしい人を見つけた。


悪い笑みを浮かべている人を。


あいつだ。


あいつがおにぃを殺したんだ。


私は確信した。


確信したが、その考えは祭壇の入り口の方から歩いてくる女性の声に否定された。


考えを否定した女性の髪は根元の髪は黒いが、徐々に白くなっていた。


でも、容姿は良く、そしてスタイルも抜群だった。


「アオバ君は、死んでないよ。」


「白崎なのか?生きていたのか?」


そう神崎さんは言った。


「うん。でも、私は勇者を辞めに来たの。」


「え?何を言ってるんだ?」


「私は、こんな腐った世界なんて救いたくない。私は、穴に落ちてから沢山の人を見て来た。そして出た結論は、この世界の人間達は、みんな終わっている。だから、魔王達に滅ぼされても文句は言えない。私は、今からアオバ君を探しに行く。」


「南条は死んだはずだ。」


「さっきも言ったでしょ。アオバ君は死んでないよ。確かに、アオバ君は変わってしまった。簡単に死ねって言ってくるし、私を殺そうとしたけど。それでもアオバ君は、優しかった。」


白崎は、気付いていた。


あの時、私を一緒に連れて行ってくれなかった理由を。


「じゃあ、さよなら。」


そう言って、白崎と呼ばれてた人は、歩いて行く。


「待ってください。」


私は、呼び止めていた。


そして、「私も連れて行ってください。」と言った。


「君は?」


「南条 香織です。南条 アオバの妹です。」


「えーと香織ちゃん。ついてくるのは辞めたほうがいいよ。」


「どうして?」


「アオバ君は、記憶を失っている。だから、香織ちゃんの事も忘れている。」


「記憶喪失?」


「違うよ。記憶喪失なんて優しいものじゃない。アオバ君には、記憶そのものが無い。」


記憶が無い。


つまり私の事を知らない。


私はどうしたいんだろう。


もう、ここの人達と一緒になんか居たくない。


それは、決まっている。


別に友達も居ないし。


私は決めた。


ついて行く。と。


「それでもついて行きます。」


「いいの?」


「はい。おにぃに会いたいから。」


「そう。それじゃあ、もう行くよ。」


そう言って、白崎さんは歩く。


私は、後ろをついて行った。


「待って!」


そう神崎さんは言ったが、白崎さんは振り向きもせず、歩いて行く。





























これで、1章は終わりです。

2章は、新しいヒロインを追加します。なんか追加って言い方はおかしいかな。

でも、これからも楽しく小説を書けたらいいなと思っています。

もし、よかったら感想、ブクマよろしくお願いします!

あと、こうしたらいいと思いますとか、あったら是非教えてくれたら嬉しいです。

参考にさせていただきます!

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