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身体の定義 1
ブレンダは肩の肉を削がれていたが、幸いにも浅く、大事には至らなかった。
ジャックに施された応急処置のおかげで血はすっかり止まり、体調も快方へ向かっていた。
「しばらくは安静に、ね」ジャックが促し、ブレンダを寝袋の中に入れた。すると、彼女はものの数分で眠りに落ちてしまった。疲労などが溜まっていたのだろう。
沈黙の中に彼女の寝息だけが微かに響く。
そして、その静寂を土田が斬った。
「……アイツぁ、現世で何やらかしたんや?」
ジャックは即答した。
「撃ったらしいよ。高校生の時、家の向かいの小学校の校長先生と校門の守衛さんを。言ってたよ、突然魔が差した…って」
「ほうか……ほな、貴様は?『切り裂き』言うて、何したんや?」
「教えない♪僕とエッチしてくれたらいいけど」
「おい、男同士はやめぃちゅー言うとるやないか、阿呆」
「ちぇーっ」