表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/46

紡ぐ者 9

 「ほぅら!!バラバラ死体になっちまえやァ!!」空中で体を捻り、それによって収束された力で、ワイヤーを飛ばす。

 土田の目の前にワイヤーの膜が出来上がる。縦横無尽に光る糸。糸。糸。

 このままではあとコンマ何秒かで土田は肉塊になってしまうだろう。一瞬で肉体・魂・精神を分断されるにあたって、果たしてどんな痛みが伴うのだろうか。鈍痛?激痛?それとも哀痛?

 その答えはすぐに出た。

 無痛だ。

 土田の居合斬りがワイヤーの膜を、ホームズの瞼から上もろとも斬り飛ばした。

 飛び散る脳髄。剥き出しになった、両断された二つの眼球が神経管束と共に眼窪から滑り落ちた。何かが弾けたかのように夥しい血液が頭骸から噴出され、土田の着物に付着する。

 ホームズは断末魔を上げる事無く、刹那の間に死んだ。

 血を帯びた刀が土田の鞘に収められる。鞘と鍔との間から血が滲み出た。

 ホームズの亡骸が血に落ちた。脳味噌だった脂肪の塊がぬかるんだ地にぶちまけられた。

 「おい、ガキゃあ」その様子を一瞥した土田はジャックを呼んだ。「『死達(バルバ)』っちゅーんはこないなっても生きとんか?」

 ジャックは首を横に振った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ