30/46
紡ぐ者 5
「化け物……ッ!!痛ッ!!」抉られた肩の突き刺さるような痛み。血の噴き出す傷口に手を当てる。
ここで気付いた。突然電流を流し込まれたかのように。
土田が危ない。
ブレンダは叫んだ。彼は三人の中で、今、孤立している。もしかしたら来ない獲物をじっと待っているのかもしれない。
今は自分達が獲物になっているというのに。
ホームズが地に降りた。
樹に上ったジャックを見つけると、嫌気がさす不遜な笑いを見せた。
「おぉ、これはこれはリッパー君じゃないか。お前もついでに殺そうか。そこの姉ちゃんと一緒に殺してやる」
「その前に君が死ねばいいんじゃない?」瞬間、ジャックの手からメスが放たれた。
生前、彼がロンドンの娼婦を殺して回った時の武器であり商売道具であった。
ホームズは飛んできたそれを軽くあしらうかの如く容易に弾き返した。
が、その弾き返されて地に墜ちる筈だったメスが再び推力を持ってホームズの腹を裂いた。




