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紡ぐ者 3
土田が先行し、ブレンダが後からついていく。
二人は途中で別れ、土田は奥へ進み、ブレンダはその場で待機する。
挟撃だ。
ブレンダが先手を出して獲物を追い立て、逃げた先で土田が斬る。
「うまく誘導しなきゃならないよね……」ブレンダが呟く。逃げられた方向が明後日の方向だと、土田が捕まえられない。
背後でジャックが樹木の枝に乗った音が聞こえた。彼が死達の存在を監視する為だ。
放浪者は三人に未だ気付いていないようだ。落ち着かない様子で同じ所で行ったり来たりを繰り返している。
土田が目標地点に到着した。
準備完了。
「ブレンダ」彼女の頭上から囁き声……ジャックだ。「なるべく早くね。銃声で死達来ちゃうから」
ブレンダは、わかった、と親指を立てると、前を見た。
放浪者の姿を凝視する……
狩りの始まりだ。