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紡ぐ者 2

 ジャックが樹の陰で止まった。

 向こうを凝視している。

 『放浪者』が見つかったのか。

 「静かに」振り返って人差し指を立てる。

 土田とブレンダはそれに従った。

 ゆっくりジャックに追いついた。

 「あそこを見て、ホラ」ジャックが指さす。その指の先に丸腰の男が一人、佇んでいた。

 ここはどこだ、と言わんばかりに視線を泳がせ、挙動不振な様子を見せている。

 「今日はアレがターゲットだ。僕は『死達』が来た時の為に見張りをやっておくから、ブレンダ。お兄さんをサポートして」

 「この人に殺らせるの?」不満げな顔をするブレンダ。

 「アハハ、歓迎祝いさ」

 「んじゃあ遠慮なく殺らせてもらおうかいのぅ」土田が舌で唇を濡らす。


 早よ殺って、早よ帰らなアカン!!

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